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自覚の足りない邪神さんは、いつもどこかで迷走しています  作者: デブ(小)
第十三章 邪神さんと変わりゆく世界
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05 覚醒イベント

――第三者視点――

 総戦挙に向けて、新たな境地に突入した特訓は、それまでにも増してルナたちを困惑させるものだった。


 自身の存在の階梯を上げることで、人体の構造を、生物として大事な何かを無視して、弱点を弱点でなくす。


 心臓を潰されても、全身に満ち溢れている魔力が血液などの代わりを果たすので平気だとか、頭を失っても、全身が脳だから問題無いとか。


 常人に理解できるような理屈ではなかったが、それを実演してくる存在が実在しているので無視もできない。

 まねすることもできないが。



 その一方で、その理不尽な理論は、ユノの不可解さの一部に説明がつく――ような気がするものだった。


 彼女たちの誰から見ても、ユノの速度は追いつけないほどのものではない。

 むしろ、一瞬の速さでいえば、ユノを上回る者などいくらでもいる。



 システムのサポートを受けてないユノは、基本的に物理法則による制限を受けている。

 空気抵抗しかり、重力しかり――といった具合に。


 受けていない時や軽減されている時もあるのだが、それは彼女が無意識に物理法則に干渉している結果である。

 彼女に合理性や一貫性を求めても無駄なのだ。



 制限を受けている際の話になるが、彼女は脚力に対して体重が軽すぎるため、速く走ろうとすると跳びはねてしまう。


 一度の踏切でロケットのように飛び出すことは可能だが、空気抵抗ですぐに減速してしまう。

 そもそも、彼女のいうところの「間合い操作」からはかけ離れた行為であるため、特段の理由がなければすることはない。


 したがって、このメンバー内での単純な速さでは遅い方になる。



 しかし、速度が遅いからと油断していると、「間合い操作」の真価とやらで追い詰められて、一方的な暴行を受ける。

 その際、ユノの攻撃は彼女たちに掛けられているシステムの補正を無視、若しくは弱体化できるため、直撃はおろか防御していても思わぬダメージを負うことになる。

 一切の抵抗は無駄だった。


 さらに、最近の訓練では精神にまでダメージを与えてくるし、うっかり魂や根源にもダメージを与えてくるため、見た目で判断すると酷い目に遭う。

 もう絶望しかない。


 また、至近距離において、ユノが自爆覚悟で振るう攻撃は、システムの補正を受けていれば大幅に軽減されるはずの断熱圧縮によって大爆発を引き起こす。

 その衝撃は彼女サイズの隕石が直撃するようなものであり、システム補正を受けていても甚大なダメージを受ける。

 だというのに、当然のようにユノが無傷なのは納得がいかない。




 そして、一段階上がった特訓では、常識も通用しなくなった。

 絶望に底は無いのだと理解させられた。



 手足以外でも、身体のどこでも攻撃も防御も行ってくるようになったユノに対して、どう攻めればいいのか、どう守ればいいのかも分からない。

 もう、「間合い操作」とか、そういうレベルの話ではないようにも思えるが、彼女が言うには「延長線上にある技術」らしい。

 延長線上にあっても繋がりが見えないため、かなりの飛躍が必要だと思われる。



 そうして、「全身が凶器」だというユノは、何かを勘違いしているようにしか思えなかったが、事実として触れれば大火傷する凶器である。

 同時に癒しでもあるので、楽には死ねない。




 自分より接近戦が得意な相手とは、接近されないように戦うのがセオリーである。


 しかし、魔法が効かないユノが相手では、魔法で有効打を与えることは難しく、銃などを用いた遠距離物理攻撃もなかなか当たらない。

 だからといって牽制をしなければ、ひとりずつ追い詰められて狩られる。


 捕まってしまうと、精一杯の抵抗もむなしく臨死体験ができる。

 だからといって抵抗しないと、触れられてはいけないものにまで触れられて、発狂しそうになるほどの恐怖や嫌悪感を味わうことになる。


 ユノの直接精神を削る攻撃は、耐性の無い彼女たちには耐え難い苦痛であり、ユノの想定以上にダメージを受けていたのだ。



 ユノが強いことは知っていた彼女たちでも、ここまで理解が及ばないというのは衝撃的なことだった。



 ユノが言うには、「貴女たちの魔力の認識や制御に問題がある」とのこと。


 彼女たちの行動が全て先読みされているように思えるのも、ユノの行動が一切読めないのも、それが不十分だからなのだと。



 現状では、ユノは、彼女たちの魔力の流れや斑のある部分を見て、薄い部分を攻撃、あるいは強い部分からの攻撃に対処するだけで事足りる。

 彼女たちの目には、それが完全な先読みと、見えているはずなのに反応できない行動に映る。


 一方で、ユノも訓練の性質上、わざと弱点となる部分を作って反撃できないポイントやタイミングを演出しているのだが、魔素が認識できない彼女たちには難度が高すぎた。


 なお、この訓練の本質は、「領域の喰らい合い」という、彼女たちの階梯ではまだ理解できないものであるため、この結果は順当なものであり、成果が得られるようなものではない。




 彼女たちの認識では、ユノに至近距離にまで接近された瞬間に詰みとなる。


 守勢に回ればアウトなのはいうまでもないが、攻勢に出ても、急所を攻撃をしたはずなのに通じないとか、逆にダメージを受けることもある。


 ユノ曰く、「魔力――言い換えると、私の可能性が充実しているところは、貴女たちにとっての可能性になることはありません」とのことだが、当然、意味は分からない。



 一応――というか、基本中の基本で、防御箇所や攻撃の瞬間に魔力を集中させて、その効果を増加させる技術はある。

 彼女たちは、ユノのいわんとしているところが、その延長線上にあるものかとも考えた。


 集中させた範囲以外は脆くなるとか、範囲を広げると消費が重くなるといった弱点もあり、ユノほどの精度でこなすのは至難の業だが、理論上は不可能ではない。



 システムに疎いユノでも、さすがに基本中の基本を知らないとは思えないが、意外と世間知らずな彼女のこと、もしかするとそういう可能性もあるかと尋ねてみた。


「的外れとまでは言わないけれど、やっぱりズレているとしかいえないし、ひとつ――かふたつかみっつかは分からないえけれど、上の段階の訓練だと言いましたよね? 魔力をただのエネルギーではなくて、もっと貴女たちに近しいものというか、貴女たちの可能性そのものなのだと認識しないと、せっかくの可能性も宝の持ち腐れですよ」


 などと、逆に恥ずかしさを覚えるレベルで返された。




 ユノの言葉は、彼女たちには難解にすぎた。


 ユノをよく知る前なら、狂人の戯言だと切り捨てたレベルのものだ。



 完全に主流から外れた考え方には不安しかない。

 それでいて、微妙に説得力もあるような気がするし、何より実例としてユノが存在している。


 隙だらけに見えるのに、彼女に言われたことを念頭に置いて見てみれば隙は一切無く、むしろ、好きしかない。

 生物としてあり得ないレベルの揺らぎのなさは、見れば見るほど理解が及ばない。

 それを実感すると、言葉の難解さなどまだまだ序の口である。



 ユノが彼女たちには理解できない、彼女たちとは違う存在であることは間違いない。

 ここに至って「努力すればユノのようになれる」などと考えている者は皆無で、神に愛されるだけの確たる理由がある存在が、何らかの理由で彼女たちにかかわっていると確信している。




 ルナとジュディスは、ユノとアイリスがアルフォンスの要請によって派遣されてきた助っ人であることを知っている。


 ルナは、ユノがそんな生易しい存在ではないと当初から勘づいていたが、それすらも氷山の一角だったと思い知らされるとは思っていなかった。

 義兄には、実力だけではなく、人脈もあるのだと畏敬の念を覚える。


 ただ、それでも少し――どころではなく過剰ではないかとか、ユノを動かす代償は大丈夫なのかと心配にもなる。



 ユノが魔法もスキルも使えないと聞いた時は、同じく魔法が下手糞な自分への配慮か、はたまた当てつけかとも思ったルナだが、実際にその戦う様子を目にしてしまうと、そんな考えは吹き飛んでしまった。


 それが、ユノがデネブ戦で見せた体術――ユノの言う、「正しい魔力の在り方とその可能性」である。



 ジュディスを相手にしていた時や、彼女たちの訓練をしていた時とは明らかに違う、隔絶した強さ。


 それができれば、魔力を持たないユノでも、膨大な魔力を持っている()()のデネブなど相手にならないのだと証明してみせていた。



 実際には、ユノは魔力とは比較にならない可能性を持つ魔素で満たされているため、質も量もデネブを圧倒している。

 しかし、ルナたちでも自身の領域をしっかりと構築できるようになれば、デネブと渡り合えるという意味では間違っていない。



 そして、それができれば、魔法もスキルも必要無い。


 わざわざ魔法やスキルを撃たなくても、駆け寄って殴れば済むことなのだ。

 ユノがデネブにそうしたように、彼女たちがそうされているように。


 むしろ、現在の訓練の内容からすると、殴る必要すら無い。

 もしかすると、駆け寄る必要すら無いかもしれない。



 ルナには、ある意味では、ユノ自身が魔法でありスキルであるようにも思えた。

 ユノは必中であり、必殺であり、癒しにもなる。

 魔法(げんじつ)をよく知らない頃に思い描いていた、魔法(あこがれ)そのものである。


 つまり、ユノがいわんとしているところは、「自分自身」という魔法を創ることではないかと、ルナはそう感じるようになった。



 そうして順応していくルナを見て、ほかの者たちもそれぞれ似たような結論に至り、改めて自身に向き合うようになった。



 ルナ、ジュディス、メア、メイはトライアンの教えを通じて。


 エカテリーナは元々戦闘行為はコミュニケーションの一環という側面があったため、ユノとのコミュニケーション中になんとなく。


 リディアは地頭が良かったことに加えて、ユノとの出逢いに運命的なものを感じていて、強すぎる思い込みでスピリチュアル的な何かが憑いている状態である。



 もっとも、多少認識が改められたからといって、それをどう活かせばいいのかは分からない。

 ユノという実例がありながら、全く手掛かりが見つからない。



 もっとも、それは階梯に差がありすぎることが原因なので、彼女たちが悪いわけではない。


 例えるなら、生まれたばかりの赤ん坊に、量子力学の講義をしているようなものだろうか。

 理解できる方がおかしいのだ。


 本来であれば。




 そういった意識の共有と、暴行を受けている人への共感。

 すぐに自分たちも同じ目に遭うという、ある種の共同体意識。


 当然、それらは個々人が抱えるものだが、ユノの力加減がほんの少し狂って、いつもよりほんの少し根源に近づいたとき、まるで混線した電話のように、彼女たちの間で認識が繋がる。


 そうして得られるのは、表面的な理解ではなく、相手そのものの魔力――可能性の形。

 ひいては、自分自身の可能性の再認識。


 繋がっているのは、刹那にも満たない時間でしかない。

 それでも、膨大な情報量で溺れそうになる。

 当然、彼女たちの情報処理能力では全てを理解することはできない。



 それでもなお、その経験は彼女たちにとって衝撃的なものであった。


 何かを理解したとか掴んだというほど明確なものでもないが、確かにそういう世界があることを知って、彼女たちの世界は広がった。


 それはまるで生まれ変わるかのような感覚で、経験するたびに彼女たちの世界は広がり、明確な形をとっていく。

 耐え難い苦痛と引き換えに。



 その結果、彼女たちにも魔力の流れ――単純な強弱ではなく、それがどういった意味を持っているのかなどが、おぼろげながらに理解できるようになっていた。


 もっとも、体外に出た魔力ならともかく、他者の体内にある魔力がはっきり見えているわけではないため感覚的なものだが、それでも分かることは多くある。



 相手の行動が先読みできる。

 すると、対処が楽になるのは当然として、自分が攻撃する際にも、反撃されない方法やタイミングを逆算できる。


 同様の感覚を身につけた者同士で手合わせすると、その読み合い騙し合いで、それ以前の彼女たちとは別次元の戦闘になる。

 それらを高めようとすると、ユノの言う「魔力を充実」させている状態へ、少しずつではあるが近づいているという実感もある。


 すると、訓練がとても楽しくなってくる。


 ユノとの手合わせを除いて。


 強くなる度合いでいえば彼女との訓練が一番なのだが、天井知らずの恐怖がそれを上回る。

 そこに喜びを見いだすエカテリーナやリディアでも、一日一回が限界である。




 彼女たちは、ステータス上では大きな変化はない。


 訓練によってレベルは上がり、基礎能力は多少上昇しているが、彼女たちくらいのレベルではそう大きな意味を持つほどではない。

 あえていうなら、【勇者】という称号が増えていたが、特殊な効果などは無い。



 それでも、実際の戦闘能力は格段に上昇している。

 ただの感想ではなく、事実として。



 それは、ルイスやトライアンも認めるところであり、まだ基礎能力において圧倒的に有利なはずの彼らが焦りを覚えるほどのものだった。



 ただし、ユノを相手にすると、以前とほとんど変わらない。

 むしろ、その差がより大きくなったようにさえ感じていた。


 ユノの正体がドンドン分からなくなっていく。




 そもそも、ユノが何者なのかは誰も知らない。


 リディアの尊敬する祖父であり、魔界でも有数の識者であるルシオの《鑑定》すらも通さない。

 自己申告では、「女子力しかない」と、納得できるようなできないような存在である。



 戦闘能力については別次元にあり、神の力を借りたというユノは、最早「歩く神器」とでもいう存在である。

 賞賛よりも、ドン引きするレベルである。



 ユノはその神の力について、「借りものなのでいつでも使えるわけではない」と言っているが、それを真に受けている者はいない。

 ユノがお願いすれば、力を貸さない者などいないのだと、彼女たちは本気でそう信じ始めていた。


 正解である。


 ただし、デネブを貫いた神の力が序の口であるとは思いもしない。

 実際には、その方が影響や被害が少ないなどといった理由もあるのだが、想像できるようなものではないので無理もない。



 そして、借り物だったとしても、神器に興味を抱くのも当然のこと。


 ユノと同じく神器を有し、彼女と比較にならない魔力を持っていたアルフォンスの神器の能力解放は、ひと振りで大魔王ルイスを退けるような絶大な威力のものだった。


 しかし、改めてユノの放った槍と比べると、不発といっても過言ではない。

 あれに当たれば、ルイスは撃退どころか消滅してしまう。


 しかも、アルフォンスのように代償を必要としていない――その違いがどこにあるかを考えるのは当然の流れであった。



 違いのひとつに、「剣」と「槍」という形状が挙げられるが、性能の差までは分からない。


 基本的に、伝承にあるような強力な武具の所有は秘匿されるものであり、所有を明らかにしている場合でも真名までは明かさないものだ。

 神器は強力な兵器ではあっても万能ではなく、伝承などから対策されることもあるからだ。


 アルフォンスの神器は真の力を解放したものの、特定に至る本領を見せたわけではない。

 ただ魔力を破壊力に変換したもので、その痕跡からは手掛かりを得られていない。

 詳細を知るには、アルフォンスを捕まえて直接訊くしかない。




 しかし、もうひとりの当事者には直接訊くこともできる上に、人を選ぶとはいえ重大なこともさらりと話す。

 気になっていた者も多い中、好奇心と、主人からのプレッシャーに負けたジュディスが尋ねた。



「ところで、ユノ殿。差支えが無ければ――本当に無ければでいいのですが、あの槍のことを教えていただけませんか……?」


 ジュディスも、まともな答えが返ってくると期待していたわけではない。

 ただ、少なくとも役目は果たせる――これで同様の疑問を抱いている皆からの、「お前が訊くんだよ!」プレッシャーからは解放される。



「はい?」


 しかし、当のユノには何のことか理解できていないようで、ぴたりと動きを止めてバケツが少し傾いただけだった。



「ほら、あのデネブを貫いた神器のことですよ! ですよね、ジュディス?」


「は、はい。そのとおりです!」


「それは私も気になっていました。槍だけではなく、鎧も神器なのですよね?」


「あの時の師匠はキラッキラだったっすねー」


 当然、ユノの話題には余念がないリディアとエカテリーナは、この機会を逃すような愚は犯さない。



「はい? どれも神器じゃない……と思う」


 ユノは逡巡(しゅんじゅん)の後、どう聞いても誤魔化しにしか聞こえない返答をした。


 ユノとしては、全て神器のせいにしてしまえばいいという思いもあったのだが、朔に「他人にも使える道具じゃなくて、属人的な能力にした方が誤魔化しが利くよ」と諭されたのだ。



「先生、さすがにそれは無理があるよ……。陛下やメアたちは先生の味方だから追及しないけど……」


「隠さねばならない事情があるのは理解できますが、もう少しマシな答えを考えた方がいいかと思います」


「いや、本当に……」


 ユノは、基本的に他人に信じてもらおうと行動することは稀である。

 彼女の行動理念的に、他人が信じようが疑っていようが関係無く、自分が決めたことを貫くだけなのだ。



 ただし、今回のように自身が信用を失うことでアイリスに迷惑が掛かるとか、その後の活動に支障が出るようなら話は別である。

 むしろ、アイリスの補佐という立場で魔界に来ているユノからすれば、彼女たちの信用を得るのは重要なことである。



 ただ、神器が問題になっているならそれを出して証明すればいいのだが、ユノの手元に適当な神器が無い。

 少し前まで所有していた物は、雰囲気に流されてアルの息子に譲ってしまった。


 そして、ユノが即興で創った神器は、後で更なる問題になる可能性が高い。



 結局、欲望に塗れたアイリスの勧めもあって、ユノはみんなの前で戦乙女化して装備が神器ではないことと、玩具の槍を神器顔負けの兵器に変えて撃ちだせることを証明する羽目になった。


 それを見た彼女たちはいろいろと悟った。



 乱用できないとか言いながら、パフォーマンスでも変身した。

 やはり、ユノが頼めば、神でも喜んで言うことを聞くのだ。


 そして、本当の神器とは、武器防具などの装備品ではないことを理解した。

 神器とは神の器――ユノ自身がそうなのだと。


 余計に性質(たち)が悪い。



 多少は魔力や魔法について理解してきた彼女たちには分かる。

 彼女たちがどれほど訓練しても、ユノのようになれない。



 ただただ、ユノの器の大きさが測れないほど大きいことは分かった。


 大きいということさえ分からなかった頃からすると格段の進歩である。



 しかし、自身の可能性を拡張、充実させて行き着いた先が、全身がチャクラだか凶器であればまだしも、それを通り越して神器になるなど、飛躍しすぎていて笑うしかない。


 その高すぎる頂からすれば、全身凶器くらいなら何とかなりそうな気がするのは、現実逃避か、死の向こう側にある根源を感じたからか。



 そうして何かに目覚めた彼女たちの、狂気に満ちた訓練は、闘大総戦挙受付開始直前まで続いた。

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