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26 転落

 ミゲルたちの任務は、混乱に乗じて町に侵入し、内部を引っ掻き回して地下通路攻略隊や正面陽動隊の支援をすることである。

 そのために、第3のルートとなる、崖の上から里へと侵入する。


 日の光に弱い吸血鬼は、日中は上方の注意が散漫になる(※ソフィア談)という特性を利用した作戦であるが、吸血鬼も警戒していないわけではない。

 飛行系のスキルや魔法に、転移などの方法もあり、彼ら自身も低い高度なら飛べる者も多いし、ニコルのように時空魔法を使える者もいるのだ。


 もっとも、ただの移動ならいざ知らず、戦場に行くのに隙だらけの状態で飛行したり、《転移》で余計な魔力を消費したりするのは、魔力が生命線である彼らにとっては非常に大きなリスクとなるため、さきの攻略戦では使用されなかったが。



 それは、ミゲルたちにとっても当て嵌まる。

 本来であれば、登る、若しくは反対側から大きく迂回してくるところから自力でやる必要があったが、それはアルフォンスの《転移》魔法で省略された。

 そもそも、アルフォンスの能力であれば、里の中に転移することも可能だが、それはこのための訓練をしてきたミゲルたちの努力をふいにするもので、ユノもいい顔をしないだろうということで妥協している。


 また、ニコルたちを取り逃がしたことによって、里の中への転移は警戒されているだろうとも予想されている。

 そうなると、アルフォンスが巻き込まれてしまう可能性も充分にあるし、彼のせいで吸血鬼たちの警戒度を上げられても困る。


 背後に大魔王やそれ以上の存在がいることがバレているのはもうどうしようもないが、ミゲルたちを侮っていてもらわないと作戦が成立しないのだ。


 不確定要素の多い穴だらけの作戦だが、ミゲルたちの能力ではそれが精一杯なのだ。



 ミゲルたちは、ここからは自力で、更に魔法やスキル無しで挑まなければならない。


 吸血鬼たちが警戒しているのが大魔王クラスの存在であると予想されるため、正面に残っているふたりのおかげで注意はそちらに惹きつけられるはずである。

 したがって、上方への警戒は、事前に設置されていたものに限られるだろうし、迎撃機能については解除されているが、それでも、探知系の全てを解除されているわけではない。

 全てを無力化してしまえば、それはそれでバレるのだ。

 探知されるタイミングが早いと、作戦の今後に大きく影響する以上、これが最善の方法なのだ。



 ミゲルたちは、農家としては達人、戦士としても熟練、ミュージシャンとしては伝説の域にあり、レベル補正により身体能力は高い。

 それでも、一応の訓練は積んできたものの、ロッククライミングだとか、懸垂下降のノウハウなど誰も知らない中で、運と気合に頼った挑戦となる。


()()()ならいけるんですけど、“クライミング”がつくとちょっと……」


 そう語ったのは、リーダーのミゲルである。

 日本語でしか通じない駄洒落が、なぜ現地人であるミゲルに使えているのかは不明だが、そのせいで彼の駄洒落がウケることはない。


 登る前からスベッているのは不吉な予感しかしなかったが、代案も無い以上、作戦が中止されることはない。




 挑戦するのは、ミゲルたち4人と、彼らをサポートする後輩2人の合計6人。



 アルフォンスは、彼らを崖の尾根まで送り届けた時点でお役御免となるが、すぐに戻るとマーリンからクレームが来るのが分かっているので、現場に留まることを選んだ。


「うわあ……。上から見るとめっちゃ高い……」


「角度もヤバすぎるね……。ほとんど垂直じゃん」


「落ちたら絶対に死ぬね……。てゆーか、風きつくない?」


「想像以上ですが、分かっていたことです。やるしかありません」


「マジヤバいっすね……」


「グレイさんに下まで送ってもらうことってできないっすかね……」


 下から見上げるのは慣れたものでも、上から見下ろすと全く印象が違う。

 それは、覚悟を決めてきたはずの彼らを、躊躇(ちゅうちょ)させるに充分なものだった。



「それはあかんやろ。めっちゃ怖いけど、僕らが選んだことやから、僕らがせなあかん」


「無理だと思うなら止めちゃってもいいと思いますよ。ユノ様は寛容ですから、できないことをやれと言ったりはしませんよ。その判断ができるだけ成長したってことですし、結果については、皆さんが受け入れるなり区切りをつけるなりできればいいことです。ただ、ここで俺たちの力に頼る――頼りきるのは少し違うかと。彼が言うように、町まで送るくらいなら簡単ですし、それ以前に俺たちだけで捕虜の救出とかもできると思いますけど、それはきっとユノ様の望む形じゃありませんからね」


「厳しいようにも聞こえるけど、元々僕らの問題だからね。むしろ、僕らの尊厳を大事にしてくれてるんじゃないかな?」


「自分の乗ってる船の櫂を他人に預けちゃうようなのは駄目だよな。どこに向かうにしても、自分で漕がないとな」


「ええ、ただ助けられるだけの存在では存在価値がありません。できるかできないかではなく、まずやろうとする意志が重要で、その上で、私たちにできることをするのだとユノ様も仰っていました」


「僕らはこれまで、力のある者が無い者を助けることが普通だと思ってました。でも、ユノさんに会うてから、『本当に他人を助ける』というのがどういうことかを、改めて考えさせられました。ヴァイオレットの言うたように、ただ助けるだけ、助けられるだけというのは健全な関係ではないんでしょうね。でも、だからというて、弱者が強者にできることはそんなにないです。そんなとき、ユノさんが僕らには皆さんとは違う力があると言うてくれました。その力が皆さんの力と釣り合うようなもんかは自信ないですけど、この戦いが終わったら、きっと皆さんの役に立ってみせます」


「そのためには生きて帰らないとね」


「みんな揃ってな!」


「うおお! やったらあ!」


「皆さんは、皆さんの力にもっと自信持っていいと思いますよ。得意分野が違うだけのことですし、どっちが上とか下って測れるものでもないですし。生きていく上ではどっちも大事なんですよ。というか、俺も皆さんには農業技術の面ですごく期待してますけど、皆さんを含めて、誰かの犠牲の上に得られたとしても手放しで喜べませんし、絶対に生きて帰ってきてくださいよ」


「「「はい!」」」


 アルフォンスの肯定でよく分からない勇気を貰ったミゲルたちは、彼と固い握手をしてから、ひとり、またひとりと崖へと取りついていく。

 アルフォンスも、ユノほどではないにしても人(たら)しだった。




 ミゲルたちが崖を下り始めてしばらく。


 アルフォンスの激励によって上がっていた士気も、現実の厳しさの前に薄れてきた頃。


 足を滑らせたミゲルが滑落した。


 当然、素人なりに思いつく限りの安全対策は採っていたのだが、一部の例外を除いて、何事にもシステムの影響を受ける世界において、ど素人が軽装でスキルや魔法も使わず懸垂下降しようというのはフラグでしかない。


 それは、起こり得ることではなく、起こるべきこととして処理される。


 結果、ミゲルが滑落していくことに残りの5人が反応をする間もなく、彼ら全員、周囲の岩肌ごと滑落を始めた。


◇◇◇


 狩人たちによる突然の襲撃にも、里を占拠している吸血鬼たちに動揺はなかった。


 それにはいくつか理由があるが、新興貴族ニコルと、彼の眷属と化した狩人の女が持ち帰った情報で、事前に襲撃があることを知っていたことがひとつ。


 そして、里の勢力の約半数を占める真祖派の吸血鬼たちが、デスや大魔王、それらを従えている存在について、実際に目にしていなかったからである。



 その脅威を実際に味わったニコルたちにとって、彼らの温い対応は、吸血鬼になって久しく忘れていた怒りを覚えるものだったが、既に心が折れていた彼には、ほかに逃げ込める場所が無かった。


 ニコルたちが大魔王勢力の襲撃に警戒――怯えていたのも、時空魔法使いによる奇襲に警戒していたのも事実だが、それは全体的にはごく一部の者たちだけというのが実情だった。


 そして、大魔王を相手に多少警戒したところでどうにかなるものではないため、彼らは戦わずに済む方法を模索していた。



 ニコルにとって、彼が裏切った真祖の所は、真祖に近しい眷属の報復もさることながら、禁忌に触れたという真祖が辿る末路を考えると、その側にいるのは危険すぎる。

 また、同様の禁忌に触れているであろうヴィクターの所も同様である。


 何もかもを捨てて逃げるという選択肢もあったが、彼にはそれも、「あの世に逃げる」というフラグに思えてならない。

 結局、不満はあっても、運が良ければ見逃される可能性のある里に留まるしかなかった。



「ニコル君、ビビりすぎだろう? 正面の部隊を囮に本命が地下道から潜入なんて、陳腐な作戦のどこにそんなに怯える必要があるんだい?」


「ふふふ、君の言うようにデスや大魔王がいるなら、こんな作戦を採る必要は無いと思うんだがねえ」


「もっとも、奴らにとっては思い切った作戦ではあるが、我々のように不死でなければ正面突破などできないだろうし、人間どもには大量の下級どもの巣になっている地下道も抜けられまい」


 事の深刻さを理解していない非ニコル派閥の吸血鬼たちは、弱っているニコルに、ここぞとばかりに追い打ちをかけて愉しんでいた。

 普段の彼が傲慢でなければ、何かにつけて話を盛る癖がなければ、少しでも信用される要素があれば結果は違っていたかもしれない。



 日光が致命傷となる通常の吸血鬼とは違い、貴族級にもなると、制限つきではあるが日中でも活動が可能である。

 だからといって、日中に好き好んで活動する者はいないが、ほんの少し無理をして偵察すれば、彼ら自身の目で大魔王の姿を確認することもできただろうし、落石に混じって人が落ちてきていることにも気づいただろう。



 しかし、ニコルに対する対抗心から、彼の警告を拒絶した結果、それらの確認を怠った。


 彼らが、陽動部隊の奥に控える大魔王たちには気づくことはない。

 そして、見張りをさせている魔族の視力では確認できる距離ではない。


 また、徐々にではあるが、地下通路の攻略も進んでいることが分かっただろう。


 さらに、落石に関しては、単なる自然災害であると結論づけた。

 降ってくる者がいるとは想像もしていない。

 ともすれば崖上からの攻撃の線もあったが、自然災害に対する最低限の備えはあるため、攻撃として成立しないと楽観視していた。


 タイミング的に思うところはあるものの、攻撃にしても、崖上からの魔法を用いない攻撃では、吸血鬼に致命傷を与えることは難しい。

 しかし、魔法を使えばトラップが作動するため、やはり警戒するだけ無駄という結論になる。



 ミゲルたちの作戦は、吸血鬼たちの油断――というよりも、ニコルに対する当てつけに上手く嵌っていた。


 その結果、ミゲルたちは、ぼろ雑巾のようになりながらも、湯の川エピック装備のおかげで重要器官の損傷を免れ、かろうじて即死には至らずに里への潜入に成功した。

 さらに、山頂からのアルフォンスの回復魔法によって、行動可能になるだけの時間の猶予もあった。


◇◇◇


「装備作っといてよかったよ……」


 崖下で凄惨な状態になっていたミゲルたちが、アンデッドもびっくりな再稼働を果たしたことを確認して、アルフォンスは安堵の息を吐いた。


 アルフォンスも、ミゲルたちが落ちるだろうと予想はしていたが、それでも半分くらいは下りて体力や集中力を欠いた頃に、多くても半数だと思っていた。


 それがまさかの懸垂下降開始三十秒で全員が落ちたのだ。



 想定どおりであれば、装備に付与されている《落下耐性》や《自動回復》能力で充分間に合うはずだった。


 もっとも、想定どおりではなかったのは装備の性能についても同じであり、本家ドワーフの町のレベルを遥かに超えた、湯の川の職人たちの技術と情熱に助けられた形になった。

 そして、ニュータイプの鵯越(ひよどりごえ)の坂落し戦術が確立した瞬間でもあった。



「あの人たちに死なれると俺も困るし、これくらいの介入ならいいよな? というか、『助けたいから助ける』でもいいはずなんだけど。ユノの言ってることも分かるんだけど、半分くらいは加減のできないことの言い訳だろ。それか、こうやって焚きつけて、それを観て楽しんでるか」


「人聞きの悪いことを言わないでほしいな。どうでもいい人なら助けてあげてもいいのだけれど、期待している人たちだからこそ意志を尊重しているだけだよ。まあ、加減が苦手なのは否定しないけれど」


 アルフォンスの独り言に、突然出現したユノが答えた。

 アルフォンスは、この場にユノがいることを予測していたため驚きはせず、ユノもバレているだろうと予想していたため、この場にいることの説明はしない。



「そういうのを『焚きつけてる』っていうんだぞ。お前が『期待してる』とか、『頑張ってる人が好き』とか言うと、頑張る以外の選択肢は無いんだよ。で、こうやってこっそり観てるしな。手ぇ抜けないじゃん」


「いや、ずっと全力を出せとか、ブラック企業みたいなことは言わないよ? 私だって息抜きはするし、むしろ、湯の川の人にはもっとゆとりを持ってほしいと思うよ。頑張っている姿を見られるのは嬉しいけれど、人生を楽しむことも重要だと思うよ」


 アルフォンスの言い分は、ユノにとっては言いがかりに近いものだ。

 それでも、本気で抗議している感じではないため、一般論で返すに止まる。



「そんなことを言われても、人生短いんだ。お前みたいに永遠に生きられるわけじゃないんだ。みんな好きなものとか欲しいもののためには頑張るしかないし、頑張れちゃうんだよ。それに、お前が喜ぶから、頑張るのも楽しいんだよ」


「私も永遠には生きられないと思うけれど……。でも、そう言われちゃうと、やりたいことをやるなって言っているみたいだし、もう少し配慮しないといけないのかなあ?」


 そして、一般論ではアルフォンスどころかそこらの子供にも負けるユノは、あっさりと降参する。

 こうやって他人の意見を聞けるところは彼女の美点ではあるが、すぐに忘れたりして上手く活かせないのが欠点である。



「ある程度自由にさせとけばいいと思うぞ。とりあえず、自己管理を失敗して体調崩した場合は貢献ポイントマイナスとかにすれば?」


「……それもありなのかなあ? というか、努力を評価できるって発想は良いのだけれど、『貢献ポイント』って名称と、ポイントと交換できる景品はどうにかならないのかな?」


 そして、すぐに脱線するのも彼女の特徴である。


 それが良いか悪いかは時と場合によるが、この状況においては、戦場を見下ろしながらする話ではないが、戦闘に干渉しないふたりの会話という意味では特に問題は無い。

 ただ、この様子を多くの人の目に留まる場で発信したりすると、「不謹慎だ!」などと炎上することもあるだろう。



「名前の方は、ほかに良いのがあれば好きに変えればいいと思うけど、ラインナップはみんなの努力を促すのに一番良いものだと思うけどなあ」


「ライブのチケットとかはまだ分かるけれど、ちょっといかがわしいのも混じっていない? ポイントさえあれば、子供でも手に入れられるっていうのはまずくない?」


「大丈夫だ。そういうのに興味持つ方が健全なんだよ」


「そうなのかもしれないけれど、青少年に悪影響を与えるようなのは許容できないよ?」


「大丈夫だって。そんなこと言いながらも任せてるのは、お前もよく分かってないからだろう? だから、どっかで聞いたような言葉を繰り返すだけで、根拠や基準を示せないんだ。そもそもな、お前にそれを吹き込んだ奴らだって、大した根拠や基準なんて持ってないぜ。例えるなら、『犯罪者の多くは飲酒の経験があります』って主張と同じだよ。酒をパンとか水に置き換えてもいい。酒を飲んでも間違いを起こさないのもいるし、酒を飲まなくても間違えるのもいる。酒自体が悪いってことじゃなくて、悪い奴が酒飲んでるってだけ。酒の勢いってのもあるけど、やっぱり自制できない奴が駄目なだけなんだよ。ああ、どうでもいい話だけどな、あっちの世界には『原因において自由な行為』ってのがあってな、必ずしも心神喪失してるから無罪とはならないんだぜ」


 アルフォンスも、ユノの危惧しているところは理解しているし、そこに「これ」といった正解が無いのも理解している。

 ただ、年齢的な制限を設けるだけでは大して意味が無いと考えており、更にいうなら、ユノのグッズに関しては18禁になる可能性は無い。


 そもそも、トシヤのような意志を持った18禁が存在している以上、重要なのは臭い物に蓋をすることではなく、教育が重要であると考えている。


 もっとも、そのためによく分からない例え話や法理を持ち出すあたりに、「止めるつもりはないけど、ちょっと調子に乗ったかもしれん」と、(やま)しさも見え隠れしている。



「未成年者の飲酒は、心身に与える悪影響が大きいそうだけれど――」

「今してるのはそういう話じゃない! いや、もちろん未成年者の飲酒は駄目だけど、だからって酒を規制しても、『酒』が『薬』とかに代わるだけだと根本的な解決にはならないだろ。てかさ、『危険があるから規制』って方針だと、なんでもかんでも規制しなくちゃいけなくなるじゃん。それよりもさ、酒との適切な付き合い方とか、他人とか社会との付き合い方とか学んだ方が建設的じゃね? 大半の人は良識と節度を持って酒を楽しんでるんだし、特に湯の川だと、お前や教会の影響力が強いからか、酒に溺れる人ってほとんどいないじゃん。教育とか啓蒙(けいもう)とかが上手くいってるんだろうな。酒とは違って性教育の話になると、性欲自体はどうしようもないところもあるし、本能的なものとか恋愛感情とかも絡んでくるから、禁止したところでどうにもならないからな。だったら、せめて正しい知識を持たせておいた方が良いだろ? 特に、女の子には早めに教えておいた方が自衛にもなると思うぞ」


 アルフォンスの屁理屈は天才的だった。


 さらに、ユノのグッズが青少年に与える影響の話だったはずが、社会におけるアルコールとのかかわり方の話を経て、性教育の重要性という結論に摩り替えられた。

 ユノの天然な話題転換とは違う、意図的な詭弁である。



 それを聞いたユノは、どこかで聞いたような正論の羅列に「そうかな? そうかも?」と納得させられてしまった。

 そして、ともすれば、「ユノのグッズは性教育の題材である」とも取れる暴論にも気づかないまま、グッズの是非についても「そういうものか」と納得してしまった。



 なお、朔は当然のように気づいていたが、特に指摘する必要性を感じなかったので、あえて聞き流していた。


 もっとも、ユノの興味がほかに移っていたことの比重が大きかったのだが。

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