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03 やはり会議は踊る

 主神との接触を二柱とひとりに報告した後、この事実を知っておく必要がある人たちにも公表するということになった。


 そして、急遽(きゅうきょ)その場が設けられることになった。



 参加者は、さきの二柱とひとりのほかに、湯の川にいる神族と古竜(任意)に、住人代表として巫女筆頭のシャロン。おまけに、アクマゾンから悪魔のセーレさん。


 事の大きさから、魔王や大魔王クラスは今回は除外された。

 シャロンが聞くのはいいのか……?


 例外として、元勇者の魔王レオンが参加しているけれど、彼は異世界人枠である。


 そして、いても特に役に立たないので、土地神も除外。

 というか、世界樹があるとはいえ、任地を放置しているものを土地神といっていいのだろうか?


◇◇◇


「ただいまより、第一回湯の川賢人会議を開催します。私は議長を務めさせていただきますアルフォンス・B・グレイです。この会を有意義なものにするために、皆様のご協力をよろしくお願いいたします」


 なぜかアルが議長なのかとか、誰が賢人なのかとか、ツッコミどころが多い会議が、厳かな雰囲気で始まった。

 いろいろと思うところはあるけれど、それはひとまず置いておく。




「既にお聞きになっておられる方もおられるでしょうが、我らがユノ様が、主神様との接触を果たしました。詳しくはお手元の資料をご覧ください」


 なぜか大きな拍手が起きた。


 それより、資料、どこ?



「では次に、各種グッズ開発状況についてですが、皆様よりご要望いただいたものと私の方で思いついたもののうち、着手したものの目録と進捗状況を資料にまとめておりますのでご確認ください」


「「「《思考加速》!」」」


 え?

 あれ?

 何かがおかしい。



『主神の件はそんな簡単に流してよかったの?』


 そう、それだ。



「はあ、まあ、今更どうこう言っても仕方ないことですし、湯の川はいつもどおりですし」


『本当にいつもどおりすぎて、こっちが困惑するよ』


 いや、本当に。



「アルフォンス殿、ひとつ伺いたい。この『ユノ様香り付き抱き枕』とは一体どのような物なのだろうか?」


「それはですね、湯の川で採れる最高の素材を使い、最高の枕職人とイラストレーターが精魂込めてひとつひとつ手作りした物に、賢者と名高いクリス殿が調合された『ユノ様の香り』をセットにした物です。もちろん、イラストも香水も実際のユノ様とは比較にもなりませんが、ふたつを合わせることで、破壊力が5倍になることを確認しています。今までにない、快適な眠りをお約束いたします」


 睡眠の質と枕やアロマの関係は何となく分かるけれど、私の香り……?

 それに破壊力……?



「さらに、別売の『ユノ様目覚まし』と一緒に使用することで、目覚めも快適! ヨアヒム様にもご満足いただける物だと自信を持っております」


 破壊力から連想する私の目覚ましって、永眠するイメージしか浮かばないのだけれど?

 私の抱き枕って武器か何かなの?


 クリスも何を開発したの?



「それで、この絵柄のサンプルなのだが――これは許されるものなのだろうか? 表面はともかく、裏面は少々刺激が強すぎるような気がするのだが」


「大丈夫です」


「ちょっと待って。刺激って何? というか、私の手元には資料がないのだけれど?」


「ユノ様はそこにおられるだけで結構ですので」


『世の中には知らない方が幸せなこともあるんだよ。って、あーあ』


「……裸じゃないか。よく描けているとは思うけれど、ほとんど裸じゃないか。というか、この絵の私はなぜこんな格好しておいて照れているの? 頭おかしいの? こっちが恥ずかしいわ」


 何を隠しているのか気になったので、領域を使って覗いてみたら、そこには隠すべきところを隠していない私らしきイラストがあった。

 資料が無いどころか、肖像権も無かった。

 ……後者は今更か。



「まあ、言いたいことは分かるけど、ちょっと待て」


 おい、敬語はどうした?

 一応、ここは公の場だよね?

 というか、待ってほしいのは私の方なのだけれど?


 私が商品にされるのは今更なのだけれど、これはあまりに欲望に塗れすぎではないだろうか?



「まず、勘違いを指摘しておこう。異世界ローマ神話の愛と美の女神ヴィーナスは、全裸、若しくは半裸で表現されることが多いことは知っていると思う。それを指して『ポルノ』だなんていう人はいないだろう? 公共の場で脱いだら犯罪だけど、しかるべき場所で脱いだら芸術なんだ。芸術を志す者なら、美しいものを美しく描きたいと思うのは当然だろう! だから世界で一番可愛いユノを描きたいと思うのも当然で、ユノの一番綺麗な姿は全裸だろう! プライバシー? ユノはそんなくだらないことで芸術の発展を阻害するような無粋な奴じゃないだろ!」


「横からだがいいか? この恥ずかしがってる様子は、内面まで表現した一種のキュビズムにも思えるんだが。これが駄目だとすると、ユノがいることで完成するイメージで改修中の大浴場も駄目だってことになるのか? 直接的な表現はないが、モチーフは同じだと思うぞ」


「ユノ、想像してみなさい。例えば、美の女神とも称されていたディアナが描かれた、『美の女神』と題された絵を、あんたが鑑賞している様子を。――居た堪れないわ! あの女は好きじゃないけど、同情しちゃう! ……私だったら耐えられない。私だって女神だし、容姿にはそれなりに自信はあるけど、あんたと比べられるのは無理よ」


 何だかよく分からないけれど、多くの人から強く反論された。

 ここには朔を含めて味方はいないらしい。


 彼らの主張はほぼ正論のようにも聞こえるけれど、なぜか腑に落ちない。

 神扱いされているからだろうか?



「自慢の身体を見せつけられるのじゃぞ? もっと喜ばんか」


「服を着ていようがいまいがユノ様はユノ様です。どちらもムラムラします! これを背に乗せて飛ぶのもいいかもしれません!」


「ふうん、いいアイデアじゃない。私はレオン版の物も欲しいわ」


「本当にいかがわしい目的なら、等身大のゴーレムを作るだろうよ。無論、実物とは比較にならん出来になるだろうが、それでも求める好事家もおるだろうな」


「ふっ、風が俺を呼んでいる(※意訳:貢献ポイント稼いでくる)……! さらばだ!」


 竜たちの感性は人間とは違うので当てにはならないけれど、少なくとも異常だとは思っていない様子だ。


 そして、病状が悪化したパイパーが退出したのに続いて、何かに気づいた様子のミーティアやアーサーたちも出ていった。

 残っているのはシロだけ。

 そのシロも、退出するか、レオンと一緒にいるかで悩んでいる様子。


 彼らはここに何をしに来ていたのか……。

 本当に古竜の感性はよく分からない。



「でも、これ、アイリスの許可が出るのかな?」


 さておき、私のグッズの開発はアイリスの許可も必要だったはずだ。

 魔界での生活がストレスなのか最近様子がおかしいけれど、彼女の良識は私にとって最後の希望だ。



「アイリス様なら『芸術の範疇(はんちゅう)なら大丈夫です』と。なお、アイリス様がお考えの芸術の範疇とは『少女コミックくらいまで』、ということなので、これくらいは全然セーフ! むしろ、健全!」


 うーん、私の感覚の方がおかしいのか?


 何が青少年に有害で、どこからが芸術なのかの線引きは難しいので、一概に「芸術だからセーフ」とするのは違うと思うのだけれど。

 私としては、青少年の健全な育成と芸術の発展では、前者の方が重要なのだ。



 とはいえ、若いうちからの性教育が重要だとも聞いたことがある。

 湯の川でも、乳首や局部は光ったりモザイクがかかるものだという、一般的には間違った知識が広まっている。さすがにどこかで正さなければならない。

 そういう意味では、この抱き枕の光っていないイラストは正解……?


 しかし、その青少年が読むであろう「少女コミック」よりは健全というのが嘘でなければ、「少女」と銘打つのは止めた方が――いや、その作者も性教育の重要性を感じて、自らの作品の中に織り込んでいるのかもしれない?

 そう考えると、私の考え方が間違っているか古すぎるということもあり得るのか?



「……青少年に悪影響を与えないように注意して」


 だとすれば、譲れないラインだけは死守しておいて、あとは様子を見るしかないのだろう。



「もちろん、心得ております! お任せを!」


 調子いいなあ。



「弊社の方でモ、販売の際には年齢確認をいたしますのデ、ご安心くだサーイ」


 えっ、湯の川だけの販売じゃないの!?



「さすが、アルフォンス殿である。人間の英雄とはこうも勇敢で慧敏であるものなのか」


「うむ。ユノ様や主神様が気にかけられるのも納得がいく」


「多種多様な価値観を持つ異世界人であるのが大きいのではないだろうか?」


「いや、あいつは特別ですよ。俺も異世界人ですけど、あいつがこの話を持ってくるまでは思いつきもしなかった。いや、思いついても、普通はこんなことを恥も外聞もなく実行できない。頭のネジが何本かとんでる――いや、最初からネジなんて無かったのかもしれないな」


「ふっ、時代を切り拓くってのは、いつだってどこかイカレてるもんですよ!」


 ……神族視点ではどうか分からないけれど、イカレているのは人間的にあまり褒められるようなことではないのでは?

 アルのこのポジティブさはどこから来るのだろうか。

 というか、抱き枕で切り拓ける時代ってどんなのだ。


 ポジティブさは好ましいのだけれど、方向性が……。




「私からもひとついいだろうか?」


「はい、ヨハン様。何でしょうか?」


「この携帯端末用アプリやコンシューマーゲームとはどういったものなのだろうか? 恥ずかしながら、私たちは娯楽には疎いもので、全くイメージができないのだが」


「ああ、神族の方は携帯電話って馴染みがないんでしたっけ。ゲームも……やってそうなイメージはないですね」


「そうね。神族同士なら専用の《念話》で充分だし、人間には神託で事足りるからね。でも、ゲームはするわよ。二人零和有限確定完全情報ゲームとかカードゲームとか双六とか。最近はけん玉とかヨーヨーが流行っているわね。神だって息抜きは大事よ」


 私以上の機械音痴がいたとは。

 というか、二人ゼロわ……? って何?



 私もアプリやコンシューマーとやらが何なのかは分からないけれど、さすがにゲームくらいは知っているしやったこともある。

 主に妹に強制されてだけれど。


 というか、娯楽がお爺ちゃんお婆ちゃんレベルだ――などと考えていると、フレイヤさんに睨まれた。

 この世界の人は勘が良すぎる気がする。



「えーと、簡単に説明しますと、アプリの方は、持ち運びできる小型の端末を使って、いつでもどこでも楽しめるゲームだと考えてもらえば結構です。内容の方は、プレイヤーだけのアイドル――ユノ様を育成してトップアイドルを目指すというもので、仮題は『アイドルはスター』となっています」


「ふム、育成するも何モ、ユノ様は最初から至高のアイドルだと思うのですガ」


「それはそうですが、ライバルもどこかの誰かが育成しているユノ様ですから、それぞれのプレイヤーが育成したユノ様同士がランキングを競うのです。それに、ランキング要素以外にも、プレイヤーだけのユノ様を育成する――もちろんゲームの中だけの話ですが、プレイヤーの好みの楽曲を好みの衣装で歌っていただくこともできます。ランキングで上位を目指せなくても、たとえ一般受けしない嗜好をお持ちの方でも楽しめるはずです」


「私だけのユノ様……だと……!?」


「これは我々の考えていたゲームとは一線を画する! ――そんなことが可能なのか!?」


「アルフォンス殿、教えてほしい。その『アイドルはスター』とやらはどこに行けば手に入れられる? 必要な代価は? 魂か?」


「えー、現在鋭意開発中ですので、来年の秋か冬までにはご提供できると思います。なお、プレイしていただくには、エンジェロイドか愛OSが搭載された端末をご用意ください。推奨スペック等はまだ未定ですが、すぐにご用意される場合は、スペックの高い物の方が動作が安定しますのでお薦めです。スペックの見方がよく分からない場合などは、アクマゾンのレビューを参考にされるといいかもしれません」


「これは盛大な援護射撃デース! フハハ! どこで聞いているのカ、既にとんでもない数のハイエンド機の注文が入っていマース! ユノ様グッズそのものだけではなク、関連商品まで宣伝していただけるとハ、感謝の念に堪えまセーン!」


「うむ、つい反射的に端末とやらを購入してしまったが、よくよく考えてみると『アイドルはスター』とやらはお高いのではないか?」


「そうか! 確かに、ユノ様が我らごときの給料で買えるとは――」

「いえ、ご安心ください。『アイドルはスター』のアプリ自体は無料の予定です。とはいえ、それでは商売として成り立ちませんので、ゲーム内アイテムの販売やガチャなどの販売をさせていただきます。もちろん、それらを購入されなくても充分に楽しめる内容にするつもりです」


「何と、持たざる者への配慮も忘れないとは! まだ地上にこれほどの聖人が残っていたとは……!」


「アルフォンス殿の、神の愛にも似た施しの精神……! このヨハン、深く感じ入りました!」


「うむ。世知辛いことも多いが、人の世も捨てたものではないのだな」


 ふむ。

 いわゆる「ソシャゲ」というものだろうか?


 妹のひとり、真由がそれで一喜一憂していたのは覚えているけれど、この世界に来るまでタッチパネルが反応したことがなかった私は実際に触ったことがない。


 多少不安はあるものの、批判するだけでは可能性を潰すだけになる。

 そもそも、批判するだけの知識がないのでできそうにない。


 まあ、話を聞く限りでは、ゲームの中の私が歌って踊るだけだろうし、それほど害はないように思う。



「こいつはヤバいな。ゲーム内課金の常として、課金者が無課金者より有利になるのは当然のこと。自分だけのユノが、ほかの奴のユノに劣っていると分かって我慢できる奴がどれだけいるよ? ……せめて、天井はつけてくれよ?」


「フフフ、悪魔にも超えてはいけないラインというものがあるのですガ、それを易々と超えていくアルフォンス殿には恐れ入るのデース。だガ、この商機、逃す手はありまセーン!」


 一部、戦慄している人がいるけれど、アルもそんなにヤバいことはしないよね?




「次にコンシューマーですが、業務用アーケードに対する家庭用コンシューマーという意味で、市販されている家庭用ゲーム機でプレイできる物を作る計画になっています。こちらは、先ほどの携帯端末の物と比べるとゲームのボリュームや描画能力などが向上しているのがメリットになります。今のところは、大人気ハードの『人天堂不一致』にて『あつまれぞくぶつの森』と、『プライステーション5』とPCにて『どこでもいっしょ』のリリースを予定しています」


「質問ばかりで悪いが、それぞれどういう内容なのだろうか?」


「無論、貴殿の作る物に間違いはないと信じているが、神界からの給料の振込みも途絶えて久しい身であるゆえ、無駄遣いはできぬのだ」


「魔力チャージ式のアクマゾンでも、万単位ともなると我々でもなかなかに厳しい。それに、あれもこれもと出されても時間が有限である以上全てはできん。どれかひとつに絞るためにも内容を教えてほしい」


 神族がこんなに必死になっている姿は初めて見た気がする。


 ヤバいね。

 人間アルが神族を誑かしているよ。



「えー、では、前者の方から説明しますね。端的には、プレイヤーは湯の川の移住者となって自由に生活するシミュレーションとなっておりまして、既にリアルで湯の川に暮らしておられる皆様には不要な物――とお考えになるかもしれません。ですが、ゲーム内のプレイヤーは、皆さんの分身であっても皆さん自身ではない。立場や種族に囚われずにスローライフを送るもよし、欲望の赴くままアウトローな生き方をするもよし。全てが自由なのです。もちろん、身分違いの恋に生きてもいいでしょう」


「ふむ、買わねばならんようだな」


「発売まで毎日限界チャージすればいけるだろう」


「楽しみすぎて震えてきたぞ!」


 神の貧乏ゆすり? 武者震い? で大吟城が揺れだしたので、領域を小規模に展開して止める。

 物理的に世界を震撼させるのは止めてね?



「対して、もうひとつの『どこでもいっしょ』は、登場人物はプレイヤーを除いてユノ様ひとりだけ。ゲームの中のユノ様とのコミュニケーションを楽しむだけのゲームとなります。もちろん、これもユノ様と直接コミュニケーションをとることができる皆様には不要な物と思われるかもしれませんが、VR機能を使えば、360度好きな角度からユノ様を観察することができますし、タイトルの意味を()()()()()いただければ損はないかと思います。なお、こちらの方も一部DLCは有料となりますがソフトは無料です」


「これは我々の信仰心が試されているのだな。だが、どんな困難があろうと買うしかあるまい!」


「ヨアヒムよ、その程度は試練などとはいわんぞ。発売日以降、眠ることなど許されんのだからな!」


「フフフ、楽しみすぎて身体の震えが止まりません。既に数百年を生きた身で、たかが一年をこれだけ待ち遠しく感じるとは……!」


「おい、当然初回特典版も出るんだろうな?」


「レオンはさすがに目のつけどころが違うな。答えは『当然』だ。『ぞくぶつの森』はスローライフ用の道具に、アウトロー用のアサルトライフルや媚薬などのゲーム内アイテム。『どこでもいっしょ』の方は、特典衣装データと実物大おっぱいマウスパッドを考えてる」


「おっぱいはどうでもいいが買うしかないな。おっぱいはどうでもいいが」


「レオン、私に気を遣ったり、自分を偽ったりする必要は無いのよ? むしろ、いつものように、『良いものは良い』と、はっきりと言う貴方の方が素敵よ?」


「俺もそう思うぞ。目に映る世界の良さを的確に捉えて表現できるのがレオンのセンスの要だろ。悔しいけど、今の俺ではまねできない、ユノですら認めたものなのに、レオン自身がそれを否定しちゃったら、レオンに期待してるみんなを裏切るようなことじゃないか?」


「俺はそんなつもりでは――いや、そうじゃないな。そうだな。――まったく、おっぱいは最高だぜ!」


「うむ、それでよい。ユノ様の前で、自らを偽る必要は無いのだ」


「ふっ、どうやらひと皮剥けたようだな。貴様の造る大浴場の完成が待ち遠しいな!」


「それでこそ私の愛したレオンよ! これならもう心配する必要は無いわね。それじゃあ、私も稼ぎに行ってくるわ!」


「湯の川では変に意地を張っても無駄なんだ。レオンの芸術センスはみんな認めてる。だから、素直な心の赴くままに、存分に造るんだ!」


 何これ?

 とうとうシロも飛びだしていったし、揺れもどんどん大きくなるし。

 まあ、後者の方は私が押さえているので実害はないけれど。


 それにしても、会議とは一体……?


 口を出すタイミングすら失った私がここにいる意味はあるのだろうか?


 しかし、こんな莫迦な会議ができるということは平和なのだと喜ぶべきなのだろうか。

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