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04 新生活へ向けて

 魔界に来てから5日が過ぎた。


 ヤマト行きの準備があると言って日帰りしたアルを除いて、私たちはいまだにグレゴリー家のお世話になっていた。


 もちろん、食事以外だけれど。



 そこで何をしていたかというと、リチャードさんたちから、魔界の常識などのレクチャーを受けたり、実際に町を見て回ったりして社会勉強をする、いわゆる順応訓練がひとつ。


 トイレひとつにしても、行くたびにビクビクしていては身がもたないし、怪しまれる可能性がある。


 そのためには、やんちゃなゴブリンを殺さない程度の殴り方も覚えなくてはならない。


 もちろん、殺してしまっても、ほかのゴブリンの餌になるだけだ。

 しかし、せっかくの活きの良いゴブリンは自分たちで食したいらしいので、あまり間違いが続くようだと悪感情を与えてしまう。


 ほかにも、害虫がいたからといっても、すぐに殺してはいけない。

 食べられるかどうかの確認だとか、美味しく食べるための捕まえ方など、覚えなくてはいけないことは多い。


 それらは、人族と悪魔族の価値観の違いでいちいち騒がないようにという、アルの経験からきている配慮である。



 もちろん、ルナさんの護衛という目的があるので、時間をかけて、完璧に準備をしてからとはいかない。

 まだ状況は動いていないといっても、動いてからでは遅いのだ。


 それでも、この数日のおかげで、魔界での常識についてはいろいろと知ることができたと思う。

 ただし、魔界での食事に関しては絶対に慣れることはないので、人前では食事をしないようにするか、不審に思われないようなバランス栄養食でも創るしかない。




 さておき、全体的な魔界の情勢として、魔界の土地の半分以上は瘴気に汚染されていて、耐性を持っている悪魔族でさえ生活が困難な土地である。


 もっとも、瘴気で直接というより、瘴気によって家畜や農作物の育ちが悪かったり魔物化したりで、充分な食料を確保できないというのが最大の理由である。



 なお、魔素ほどではないにしても、瘴気の発生や浄化のメカニズムも不明な点が多いそうだ。


 そもそも、瘴気の定義自体が曖昧なのだ。

 明らかに生物に害のある瘴気は当然として、魔法を使った後などに発生する(よど)んだ魔力も生物や環境に良いものとはいえないし、それも蓄積すれば瘴気になり得る。

 極端な話、劣化した魔素というなら、魔力だってそうだ。



 とはいえ、「分からない」と放り投げるわけにもいかないので、今回は生物に害のあるものと定義する。


 発生源というか、発生する理由は様々だけれど、一番の原因は、生物の持つ負の感情だろうか。

 魔素や魔力は人の意志に強く反応するけれど、それに近い感じで感情にも反応する。

 もちろん、その理屈でいくと、正の感情にも反応するけれど、その場合は「聖地」とでもいうような、祝福された状態になる。

 ただ、正の感情だけを蓄積させるのはなかなか難しいのか、そういった所はほとんど存在しないようだけれど。



 さておき、それはシステムの提供する薄い魔素に限定したことで、湯の川の濃すぎる魔素は、ちょっとやそっとでは瘴気に汚染されないっぽい。

 だからといって聖地になるでもなく、どういえばいいのかは分からないけれど、祝福しているのか拒絶しているのか分からない混沌?

 そんな感じ。



 とにかく、湯の川は例外として、魔法を使えば少なからず発生する、魔力の残滓(ざんし)というか澱みも、積み重なれば瘴気のようになる。


 そして、瘴気に汚染された場所では、生物は負の感情を抱きやすくなったり、攻撃的になったりするので、生物がいる限り加速度的に蓄積していく。


 瘴気は一定以上蓄積すると、黒・灰・赤や紫色などの霧のようなものとして可視化できるようになる。

 ただ、実際の霧のように風などで霧散したりすることはなく、発生源からの一定範囲内を漂い続ける。


 特に、悪魔族は生まれながらに強い魔力を持っている人が多いため、それに比例して魔法行使の際の余剰魔力も多くなって、澱みの発生量も増加する傾向にある。

 さらに、彼らの好戦的――というか、「力こそ正義」「弱者に救いはない」的な気質も合わせて、不要な悲劇が起きることも多く、非常に瘴気が発生しやすい環境にある。



 そして、一度瘴気に汚染されてしまった場所は、自然に浄化されるのを待つか、無理をしてでも利用する――大半は悪化させるだけのようだけれど、そのふたつしかない。

 結局は、発生させない――のは無理にしても、「瘴気になるほど溜め込まない」のが重要になる。



 なので、現在では町中――生活圏内での魔法の行使は原則禁止。

 違反して、特に犯罪などを行った場合、罰としてその場で切り刻まれてゴブリンの餌にされるなど、厳しい処罰が下される。

 ヤバいね、魔界。



 さらに、極力瘴気を出さない魔法やスキルの使用方法に関する研究――つまり効率化が進んでいて、これが生来の魔力の強さとあいまって、人族と比べて更に高い戦闘力を持つに至っている。


 なお、グレモリー家の人たちもかなり強いらしいのだけれど、私には違いがさっぱり分からなかったりする。 



 また、町中の至る所に設置されている「瘴気除去装置」も、瘴気研究の副産物だ。


 これは、過去に存在していた研究者のひとりが、瘴気を使って魔法を発動させる方法を開発したことに端を発するものだそうだ。


 なお、「装置」と名付けられているものの、実際には中に人が入っていて、水の精製など生活に必要な魔法を使って、町中に発生する瘴気を消費している。



 そこまでなら画期的といえなくもない。


 しかし、実際には、瘴気を場所から人に移す仕組みでしかない。

 当然、瘴気汚染された人は、健康被害や精神に異常をきたすこともある。

 それどころか、本人の耐性以上の瘴気の中で同様のことをすると、即死することもある。

 なかなかに非人道的な装置である。


 それでも、この仕事は、平均的な中級冒険者程度の稼ぎがあるらしくて、簡単な魔法行使能力があれば誰にでも務まるため、特に貧民層に人気が高い。


 なお、この仕事が理由で死んでも一切の補償は無い。

 それどころか、瘴気に汚染された死体はゴブリンの餌にされるそうで――ゴブリンが非常に高い瘴気耐性を持っていることが理由らしいけれど、それ以上に、悪魔族の人たちの意識というか倫理観の方に驚かされる。


 もっとも、志願者にとっては、現状では他に選択肢が無いだけで、好む好まざるとは無関係なのだろう。

 それに、設置者側としても、町の環境改善以上の目的に使っていないのは、線引きするだけの何かがあるということなのだろう。

 その理由が面倒なものでないことを祈るばかりだ。



 そんな感じで、瘴気に関しては神経質すぎる気もするけれど、魔界の中央部や大都市では、ある程度の秩序は保たれている。


 その反面、強い指導者のいない辺境では、いまだに覇を競って争いが絶えないとか、物資を巡って争っている。

 最盛期に比べれば瘴気の汚染速度は減少したものの、依然として汚染範囲は拡大しているのが現状だそうだ。


 一説によると、魔界が存続できるかの帰還不能点はもうすぐそこまで迫っているらしい。


 そこで、「もう後がない? だったら人間界へ進出すればいいじゃない!」と、更なる争いに身を投じたがるのは、よくいえば前向きである。

 もっとも、根本的な問題が解決していない以上は、いずれ同じ問題に直面するけれど。

 つまり、先送りでしかない。


 もちろん、ただ問題から目を逸らしているのではなく、その決死行が彼らなりの精一杯だというならそれはそれでいいのだけれど、その場合は、私や湯の川も傍観者ではいられなくなる。

 とにかく、決死行は見ていて面白いものでもないし、ただ面倒くさいので遠慮してほしい。

 強制はしないけれど。




 さておき、町中での魔法の使用禁止は、充分な対処法とまではいえないけれど、彼らの工夫のひとつである。


 ただし、これも「原則」であって、例外は数多く存在する。



 その例外の主なものが、身体強化魔法と防御系の結界などである。


 前者は使用の有無で大きく仕事効率が変わることと、自身に使う分に限れば余剰魔力の発生が極めて少ないことが理由で、一部が認められている。

 とはいえ、誰でも認められているわけではなく、統治機関などの認定を受けた優れた能力者だけ――いわゆる免許制である。


 後者は、「決まり事なんて知ったこっちゃねえ!」とヒャッハーする悪魔族も結構いるため、それらの不意打ちで、要人や善良な市民が被害を受けないようにするためである。

 それでも、暴漢に襲われた際の反撃方法についても魔法は推奨されておらず、代わりに剣や槍などの近接武器や、「瘴気弾」という特殊な弾丸を発射する銃を用いることが多い。


 前者の説明は特に必要無いと思う――あえて補足するなら、魔界では食料事情は極めて厳しい状況だけれど、鉄や銅などの各種鉱石資源は豊富に採れる。

 それ以外にも、食べられない物については結構豊富に採れる。

 当然、それらを使った冶金(やきん)技術も発達していて――技術に優れたドワーフとは違って、魔法と筋力を使った加工がメインだけれど、武器防具建材などには事欠かない。



 銃についてはイメージに合わないような気もするけれど、銃と弾丸を作る素材はあるし、技術も――というか、やはり専用に開発された魔法があるので、ある程度の量産は可能。


 もちろん、銃程度では、高レベルの人や、魔法で身体強化をしている人には大したダメージは与えられないし、ちょっとした盾でも防がれてしまう。


 それでも、誰にでも使いやすいというのは魅力で、さらに、瘴気に汚染された、使い物にならない魔石――魔界では珍しくない物を弾丸にすることで、魔法そのものを撹乱したり、相手の魔力にダメージを与えることもできる。


 悪魔族が瘴気に対する耐性を持っているといっても、影響を受けないという意味ではないし、許容量以上に蓄積されると障害が出るのも同じである。

 銃弾1発程度の瘴気なら無視できても、蓄積を考えると――と、良い感じの嫌がらせにはなるらしい。



 なお、それを見える所に装備していることで抑止力ともなるそうなので、私のガーターリングに挟むようにして持たされることになった。


 もちろん、普通の物質が、私の服――服なのか? 下着に干渉することはできないけれど、私の身体は全身凶器である。

 つまり、肘でも肩でも手足と同じように使えるので、太ももで銃を保持するくらいは難しいことではない。

 なお、胸の谷間で挟むのは、刺激が強すぎて暴発するおそれがあるとのことで注意する必要があるらしい。


 よく分からない注意事項もあったけれど、銃は私でも壊さずに使える数少ない道具で、しかも、朔の領域である100メートル圏内ならどんな撃ち方でも中たる。

 何より、直接接触しなくても敵を斃せる素敵な道具なので、是非もない。



 なお、呪いレベルの不器用さのアイリスは、射撃適性もマイナスだった。

 むしろ、当たらないだけならともかく、跳弾などが予期しない方向へ飛んでいって、予想もしない被害を出すこともしばしばあったので、満場一致で持たせないことになった。

 ついでに、刃物全般の適性もマイナスで、出鱈目に振り回した剣が折れて、思わぬ被害(ポロリ)を出したりと、非常に危なっかしい。

 結局、グレゴリー家の治める町では適当な武器が見つからなかったので、魔界村に行ってから適当な鈍器を探すことになった。


 むしろ、武器とか持たせない方向でいいように思う。




 また、潜入予定の学園である、「闘強大学園」――略して「闘大」の編入試験に向けた勉強もさせられている。


 ルナさんの護衛という目的を考えれば、不確定要素のある入試など受けずに賄賂でも渡して裏口から入るべきなのだけれど、いかんせん、後見人の立場となるグレゴリー家にはそんなお金がない。

 むしろ、借金しかない。


 アルが立て替えたり、私たちの所持品を換金すれば出せない額でもないけれど、そのお金の流れに着目されると不自然なことこの上なく、どこか肝心なところで足を引っ張る原因となりかねない。


 敵の多い作戦の都合上、つけ込まれるような粗は減らしておくに越したことはない。

 長い目で見ると、正攻法が一番なのだ。



 試験科目のうち、一般教養についてはアイリスや朔には問題とならない。

 むしろ、一般教養がある人が少ない魔界で、なぜそんな科目があるのかが謎だ。

 しかも、大して合否には影響しないらしいし。


 なので、実質的には、魔界の歴史と魔法理論のふたつに絞られる。


 しかし、彼らの思い込んでいる魔界の歴史は成り立ちから間違えているとか、過去の教訓を活かせていないのに何が歴史なのかとか、ツッコミどころが多すぎる。


 魔法理論にしても、本質的には領域――世界同士の喰らい合いである。

 多分。

 それを、炎とか雷とか、現象そのものに注目してしまっているために、本質から遠ざかっているように思う。


 などなど、思うところは多々あるものの、試験で必要なのはそういう本質的なことではなく、為政者にとって都合良く編纂(へんさん)された歴史であり、システムをいかに活用するかというズレた理論である。


 何だかなあ――と思うものの、受験勉強なんてそんなものなので、文句を言っても始まらない。

 というか、歴史はともかく、魔法理論についてはアイリスと朔も興味を持って学んでいるので、邪魔だけはしてはならない。



 いや、私だって、最初のうちは真面目に聴いていたのだ。

 場合によっては実技試験もあるそうだし。


 しかし、いざ実践――と炎でも出してみようとすると、紆余曲折の果てに出てきたのは、燃えている感じだけは炎っぽい何かだ。

 私の領域で創ったものではあるのだけれど、私にも何だかよく分からない。

 少なくとも、「炎」といっていいものではない。


 私の本質から遠ざかって、私の一部という感じではなくなった――ある意味では、システム的な魔法といえなくもない。

 お肉は焼けそうにないけれど、汚物くらいは消毒できそうではある。


 まあ、形から入るのもひとつの方法だし、私にとっては成功――その手掛かりとなるかもしれない。



 ただ、私以外の人には、ゲシュタルト崩壊でも起こしたかのように、黒いのか炎なのかも分からなくなるそうだ。

 そのどちらでもないから当然だ。

 どちらにしても、「魔法」というには不適切なようで、まだまだ調整が必要っぽい。


 しかし、朔からも『見れば分かるヤバいやつ』で、『今は時間がもったいないから余計なことはしないで』と釘を刺されてしまった。

 まあ、朔の言うとおり、ここでやらなくても、分体を使って余所でやればよかったのは間違いない。

 少なくとも、講義中に突然やることではなかったと反省はしている。



 とにかく、今はまだ「使い捨ての十六夜」とでもいうような危険物だけれど、もう少し工夫をすれば、お肉が焼ける炎も出せるようになるかもしれない。


 それでも、実技試験で使えそうにないけれど。


 とりあえず、実技試験があった場合には、物理という名の魔法で頑張ろう。

 というような感じで、魔法理論の講義は聴いているだけになった。




 なお、魔界での私は、アイリスの従者という立場になる。


 闘大という魔界の最高学府は、悪魔族の王侯貴族や、有力者の子弟が箔付けのために入学する学園としても有名だ。

 そんな彼らは、身の回りの世話をさせるためだったり、足りない能力を補うために従者を引き連れて通うらしいので、その方が都合が良いらしい。


 というわけで、私は超巨大な《固有空間》を持つ従者として入学するため、形式上のものとして一緒に試験を受けはするものの、ハードルはかなり低いと思われる。


 なので、歴史の講義は言われるまでもなく聞き流していたけれど、初代魔王が私の父さんと同名だったとか、どうでもいいことは記憶している。



 もっとも、ふたりの共通点は名前だけだ。

 父さんは、どちらかというと細マッチョで、性格も温和だった。

 肖像画や伝記にあるようなゴリマッチョとの共通点は見いだせない。


 というか、初代大魔王はかなり凶悪なエリート筋肉ゴリラで、行く手を塞ぐ人は当然として、ただそこにいただけの不運な人も容赦なく皆殺しにするような殺戮者らしく、温和な父さんとは正反対だ。


 とはいえ、容姿に関しては、初代勇者も魔王に負けず劣らずの、光輝くスーパーゴリラとして描かれているので、かなり盛られているのか、これが当時の流行りの画風だったのかは分からない。



 ちなみに、父さんと初代魔王の名前は「ノクティス」という。

 魔界では、彼に(あやか)ろうとその名前をつけられることが多いそうだけれど、勇者の方の名前は忌むべきものとして、口に出したりしてはいけないそうだ。


 興味本位で訊いてみたら、「目と口と耳が汚れる!」と本気で嫌がられた。

 ……虫は平気なのに?

 悪魔族の感性はよく分からない。


◇◇◇


 編入試験も近づいてきたので、今一度、状況と方針を確認してみる。



 私たちの闘大への入学の目的は、ルナさんの護衛のためだ。


 ルナさんが闘大に入学したのは、純粋に選抜試験をクリアするための能力向上が目的である。


 一応、学園内での評価も選抜試験にも影響してくるし、試験や演習などの機会も多いのだけれど、やはり最大の評価項目は実戦での成果らしい。

 後者の達成のためには、「ハンター協会」という、人間界でいうところの冒険者組合のようなものに所属するのが手っ取り早い。


 なお、その大半が瘴気に汚染されている魔界では、「冒険」などという生温いことをいっていては、死ぬか理性を失って魔物化するかのどちらかである。


 悪魔族の気性的に、綿密に作戦を立てて、万全の準備をして、不測の事態が起これば即撤退――などということができる人はごく一部の人だけ。

 そもそも、収穫の有無すら不明な探索活動は不人気で、会員の大半を、日々の食糧や資源を収穫するだけの「狩人」が占めるために、その呼称がついたそうだ。


 しかし、冒険者組合と似ているのはここまで。


 ハンター協会は、会員に魔物の目撃報告などの情報を提供して情報料を取るだけの斡旋業者である。


 当然、新人ハンターの保護や、会員同士のトラブルには関与せずに、情報が不正確だった場合でも、基本的には責任を負わない。


 協会とは一体何なのかと問い質したいところだけれど、会員の方にも遵法意識だとか協調性が薄いので、どうにもならないのだとか(アル談)。



 明日、アイリスとふたりで、そんなところへ乗り込む。

 私たちも、ハンターとして登録しておくためだ。


 そこは、アルスの冒険者組合でのモヒカンさんたちと違って、悪意に満ちた荒くれたちに因縁をつけられるか、理由もなく喧嘩を売られる可能性は200%以上。

 協会内で絡まれて、協会を出てから違う人に絡まれる確率のどちらもが100%ずつという計算だ。


 さらに、搾り取れる余地があれば、更に絡まれる可能性もある。

 そんな洗礼というか理不尽に、私たちも悪魔族の流儀で挑むことになる。

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