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13 覚醒

――第三者視点――

 赤竜アーサーは銀竜ミーティアに戦いを挑み、そして敗れた。


 古竜にとって、強者と戦うことは生きる喜びを感じられるもので、たとえ負けても、その結果死んだとしても、悔いることではない。

 むしろ、誇りにすら思うことである。


 しかし、ミーティアを強者として見ていなかったアーサーは、この結果を理解することができないでいた。



 とはいえ、いくらアーサーが勝負がついたとは思っていなくても、彼の意に反して体は動かず、ミーティアとの距離は離れていく。


 やがて、アーサーは大きな衝撃と共に大地にまで落ち、見上げた先の空で衝撃の光景を目にしてしまった。


 バケツを被っていた怪人が、ミーティアの頬に口づけしていたのだ。


 それを見てしまったアーサーの心中は、激しい無力感に苛まれ、同時に激しい嫉妬に荒れ狂った。



 アーサーは、嫉妬の対象であるそれを、呪い殺さんとばかりに憎悪を込めて睨みつける。


 そこで、それの未来が見通せないことに、今更ながらに気がついた。

 本来なら、ブレて見えるはずの未来のそれが存在していないのだ。


 強さの欠片も窺えないそれに《未来視》を無効化されたのは癪だが、《未来視》を無効化する能力の持ち主はそれなりにいたし、今更それで動揺することはない。


 何より、激しい怒りに支配されていたアーサーに、冷静な判断ができる余裕は無かった。


 今すぐにでも、身の程知らずな愚か者に制裁を加えたいのだが、彼の意に反して、竜眼も身体も言うことを聞かない。



 それでも、血を失いすぎていたことと、身体を動かす体力がなかったことが幸いしたのか、怒りを持続する体力もなかったアーサーは、《未来視》の特殊な使い方を思い出した。


 しかし、それに対して攻撃すればどうなる――という仮定に対して、《未来視》の竜眼で見える未来は無――闇に閉ざされていた。

 どんな仮定に対しても、同じ闇だけが映し出された。



 ここにきて、初めての経験に戸惑うアーサーが、その闇がそれの髪や翼と同じ色――いや、認識の追いつかない何かであることに気づけたのは、ただの偶然ではなかった。


 僅かとはいえ未来を見通す彼の眼は、光学的な現象を映すだけの器官には止まらない。


 それから改めてそれを見ると、朦朧とし始めた意識の中で、それはこの上なく尊いもののように映った。


 人型には興味が無く、美醜も分からないはずのアーサーをして美しいと思う――外見は当然として、その在り方の次元が違う、ひとつの完成された存在として、他人よりも視えるものが多い分、彼の心は強く囚われてしまった。



 それこそ、自身の傷のことも忘れて、ただただ彼女を見上げようとして、そして彼女と目が合った。


 アーサーには、彼と彼女とを残して、時間が止まったような気がした。


 彼の身体が、彼の物ではない――いくら動けと命じても指一本動かすことができない、それどころか、呼吸すらままならないもどかしさの中、それはアーサーに向けて何かを語りかけた。


 アーサーには、それが何かを喋っているのか、彼の心臓の音がうるさくてよく聞こえなかった。


 辛うじて聞き取れたのは、「次は――持っておいで」という部分だけ。



 何を持ってこいというのか。


 アーサーはそれを聞き質そうと必死に声を出そうとするが、あえなく力尽きてしまい、去っていくふたりを見送ることしかできなかった。


◇◇◇


 それからというもの、アーサーはずっとそれのことを考え続けた。


 少しばかり体力を回復して、落ち着きを取り戻した後も、あの現実離れした存在は彼の心を掴んだままだった。


 束の間の出来事だったが、頭の中でひたすら反復再生して、アーサーはそれに心を奪われてしまったのだと確信に至る。


 ミーティアに負けたことに対する様々な想いは、もう頭の片隅にすらなかった。


 力も美しさも人知を超えた存在。



 致命傷寸前の傷もいつの間にか塞がっていたのだが、アーサーはそれを根拠もなくそれがやったことだと、それの愛だと断定した。

 これは最早運命の出会いであり、彼女に逢うために自分は生まれてきたのだと、彼の気持ちは人知れず昂っていく。



 アーサーは考えた。

 今までのように力で屈服させることも当然考えたが、《未来視》などなくても、全く違う次元にある彼女に敵う気がしない。


 たとえ万全の状態で挑んだとしても、記憶に残れるかすら怪しい。


 しかし、万全でなければそれの前に立つ資格すらない。


 それにミーティアの邪魔が入ることも考えるべきだ。

 ミーティアが、彼女を背に乗せていた理由が、今となってはよく分かる。

 むしろ、今度はミーティアに対して激しい嫉妬を覚えていた。



 ではどうするか。


 本来回復に回すべきリソースを彼女の攻略の手段の構築に振り分ける。

 生まれてこの方使ったことのない《人化》の魔法も、記憶の底から引っ張り出した。


 ぶつけるべきは力ではなく、心――熱い気持ちだ。


 それを理解してもらうために、彼女に近い人型で挑む必要がある。

 本質的には竜型の方が近しい存在だとも思ったが、戦闘能力に特化した竜型だと、それだけで敵対していると受け止められかねない。

 そうなった時点で、彼の初恋と人生は終わってしまう。


 それに、あれほどの存在であれば、姿形の差のような小さなことに拘ったりはしないだろうと、都合の良い解釈に逃げていた。



 期待と不安にドキドキしながら、様々なシミュレーションと妄想を重ねた。

 対応を間違えば、大怪我では済まない。


 それに加えて、「持ってこい」と言った対象についても思索を巡らせる。

 普通に考えれば貢物だが――彼女のためなら、アーサーは彼の持っている金銀財宝を全てを差し出しても惜しくはないが、そんな紛い物で真の美しさを持つ彼女を飾れるとは思えなかった。


 いくら考えても、彼には何も思い当たるものがない。


 強大な力を持つ竜族、その中でも最上位の古竜であることに慢心していたが、いくら力があっても、こんな大事なことも分からないのかと自分に怒りを覚えるくらいにアーサーは壊れていた。



 そして、考え方を変えた。

 それが望む物ではなく、彼女が必要とする物。

 いや、彼に持ってこいと言っているのだから、彼と彼女に必要となる物ではないか――と。


 そうすると、すぐにピンときた。

 “コンイントドケ”。

 それがどんな物か、どこにあるのかさえ知らないが、愛するふたりを結びつける、古代のアーティファクトであったと記憶している。


 先史文明の遺産を持ってこいとはなかなかに無茶を言う――が、古竜の意地にかけても用意してみせよう! と、アーサーの瞳にヤル気の炎が灯る。


 だが、その前にプロポーズだ、と自らを戒めた。

 あれほど魅力的な存在が、いつ誰の物になるとも限らない。


 想像しただけで嫉妬で狂いそうになった。

 ミーティアの存在は、既に彼の中から抹消されていた。


 ふたりの将来を約束し、未来を安泰とした上で――いや、ふたりで一緒にコンイントドケを探しに行くのもいいかもしれない。



 ミーティアに受けた身体の傷と精神的な傷、そこへ追い打ちするようなユノの魅了で、アーサーの心は修復不能なレベルで壊れていた。

 それでも、今の彼はとても幸せだった。



 そうして、身体の傷はともかく、花束も指輪も用意して全ての準備が調った。

 重い身体を無理矢理動かし、一世一代の大勝負に向かう。



 すると、これぞ天の配剤というべきか、目的の存在がひとりで《転移》してきた。


 《転移》ですら美しい。

 いや、これはもう《転移》などではなく、天意である。


 ただ空に浮かんでいるだけで、世界にそうあるのが当然だといわんばかりの傲慢で淑やかな佇まいに、アーサーはそれに改めて惚れ直した。


 それは前回と同じくバケツを被っていたが、前回とは違ってこの世ならざる妖気を発しており、やはり実力行使は不可能であることを、竜眼の見せる未来と共に示していた。

 下手に抱きつこうとしたり、身体に触れようとすれば、翼や手足がもがれて血の海に沈む彼の未来の姿が見えた。


 わざわざ未来を見せてくれるのを彼女の優しさだと勘違いしたアーサーは、更に都合の良い妄想に走る。


(そういう関係ではない男には指一本触れさせないということか?)


 それをユノの身持ちの固さと勘違いしたアーサーは、《未来視》の竜眼をフルに活用しながら、命懸けの綱渡りの末に、会心の告白をやり遂げたのだった。



「イヤ」


 しかし返答はアーサーの予測――想像――願望とは違うものだった。


「なぜぇ!? ――そうか、焦りすぎたか! で、では、結婚を前提としたお付き合いを――」


「無理」


 アーサーの《未来視》には、音声情報は含まれていなかった。


 それでも、いつもであれば読唇術などで会話の内容を把握することもできたのだが、相手がバケツを被っていたのでは、唇の動きなど見えるはずもない。


 当然、それだけが理由ではない。



 彼は女心を理解していなかった。

 女心を理解していれば成功していたのかはまた別の話だが、イケメンが花と指輪を贈っておけば全て大丈夫などと、世の女性を舐めすぎていた。


「くはっ……! オレの一体何が無理なんですか!?」


「頭とかお尻が軽いのはちょっと……」


「ぐふっ……! そ、そんな!? 偽りの愛から真実の愛に目覚めただけなのに! それでは一体いつまで待てばいいのですか!?」


「最低4、500年? だから帰って」


「ああっ……! そんなに!? ――せめて、せめてお傍に! 2号、いやそれ以下でもそれはそれでご褒美ですので!」


 悲惨なやり取りとは裏腹に、アーサーの顔はどんどん上気し、呼吸は荒いものになっていく。



 アーサーは彼女にアタックするために、事あるごとに打ちのめされるシミュレートを、何度も何度もドキドキしながら繰り返した結果、真実の愛はさておき、吊り橋効果からか特殊な嗜好に目覚めていた。


 そして、その病状は想像以上に進行しており、治療は最早手遅れだった。


◇◇◇


――ユノ視点――

 土下座して縋りつこうとしてくる姿に、竜の威厳は微塵も無い。


 もちろん、顔を上げられるとパンツを覗かれるので、頭を上げられないように踏んでいるのだけれど、それがかえって赤竜を興奮させているようだ。


 ミーティアが言っていたほど、ルークさんには似ていない。

 むしろ、オリアーナさんの方が近いかな?


 それよりも、虐げられて息を荒くしている変態をどうするかが問題なのだけれど、こんな変態でも災厄の化身らしい。


 デメリットを考えると、独断で殺すのは止めておくべきだろう。


 どこかに捨ててくる――月とか、それ以上に遠い星でも可能だけれど、いずれパワーアップして帰ってきそうな気がする上に、最悪のタイミングとかで戻ってきそうな気がする。


 神隠しプランも、これを私の中に入れるのかと思うと、なぜか少し躊躇してしまう。


 だからといって侵食するほど罪深いわけでもない。


◇◇◇


『というわけで、ミーティアには悪いけど、うちで躾けようと思う』


 どうしたものか少々悩んだものの、こんな変態を世に放つわけにもいかず、かといって友人として側に置くと調子に乗りそうなので、期限付きで私専属のバトラーとして側に置くことにした。


 なぜバトラーなのかは、朔の提案で、本人が了承したからである。

 既に最低限の教育――躾は、なぜか朔が持っていた執事マニュアルによって修了している。

 期限――500年が過ぎたときのことはその時に考えればいいとして、その間にしっかり教育――治療していこうと思う。



「皆様、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。――さ、ユノ様、お座りください」


「また竜を拾ってきたんですか……」


 竜だけを選り好んで拾ってきているわけではないのだけれど、言い訳はできない。


「ううう〜〜」


 リリーがとても警戒している。

 まあ、どこからどう見ても変態だしね。

 その認識は忘れないでほしい。


「儂はお主が決めたことであれば構わんのじゃが……。それより貴様、古竜としてのプライドはどうしたのじゃ……?」


 理解があるのは助かるけれど、ミーティアがプライド云々を言うのはどうかと思う。


「ちょっとあんた、なんて格好してるのよ!? そんな位置で顔を上げられたら下着丸見えになっちゃうじゃないの!」


 ソフィアの指摘も今更すぎる。

 いつも痴女みたいな恰好をしているのに、何を言っているのだろうとしか思われないと思う。



「ミーティアよ、今の私は古竜ではなく、ユノ様のバトラーだ。間違えないでもらいたい。そして吸血鬼の娘よ、お前たちの下着になど何の興味も無い。安心するがいい」


 みんなの冷たい視線の中、四つん這いになったアーサーに腰掛けて、ホムンクルスが淹れ直してくれた紅茶を口に運ぶ。


 これは決して虐めや罰ゲームなどではない。

 躾けをきちんと理解して、実行したことへのご褒美なのだそうだ。


 バトラーとは一体何なのか、あのマニュアルは一体何だったのか。

 いろいろと疑問はあるけれど、これがマニュアル社会なのだ。



 なお、この契約と、当然ご褒美も、私以外に迷惑を掛けた時点で終わりにできるので、これが有効な間は、ミーティアやアイリスたちに迷惑が掛かることもない。

 また、ご褒美の内容が度を越した場合も同様に私が一方的に終わりにできるし、向こう500年は求婚の話は禁止している。


 ここまで一方的な契約でも、それでも私の側に置いてほしいと請われてしまうと断る術がなかった。

 断ったら最悪レベルのストーカーになることは間違いないし、それに、私が留守の間、お城を守らせるにはちょうどいい番犬になる。

 何より、やはり理由は分からないけれど、本気なのは伝わってきたし。

 そういうのはなぜか無視しにくいんだよね……。




「それで、何の話だったかな」


 せっかく来てくれたのにドン引きしているギルバートに、努めてにこやかに――バケツのせいで表情は見えないと思うけれど、雰囲気だけでも明るく話題を振ってみた。


「――町との関係の話ですね。町を支配していないという点については先ほどみなさんから説明を受けましたが、町で争いが起こったときや、外敵に襲われたときはどうされるつもりなのですか?」


『敵襲は――初動は彼らに任せるつもり。彼らだけで解決できそうなら手は出さないけど、まあ、頑張っていれば手助けしようかな? ってところ』


「町の住人同士の争いも、基本的には関与しないつもりです。自分たちの町は自分たちで守るという意識だけでも持っていてもらいたいですね」


「ユノさんは自主性を尊重してますから」


「最初から儂らが何とかしてくれるなどと思っておっては、成長はせんからのう」


「ユノはチャンスを与えてるだけ――こう表現した方が正確よね。でもそれって決して優しさなんかじゃなくて、終わることのない努力を強いられてるとも取れるのよね」


『どんな環境下でも、それに見合った努力は必要になると思うけどね。それに、成果を求めていないだけでも、ここは温い環境だと思うよ』


「自浄能力があるうちは見守るよ」


 どんなに頑張っても、万人に対して都合の良い町なんてできないと思う。

 むしろ、いろいろと問題があることが正常な状態であって、それを少しでも改善しようと努力して、その足を引っ張るような人に対して自浄能力を働かせてくれればいい。


 難しいとは思うけれど、だからこそ私の名前を使うことや神殿も許容しているのだ。

 そういうことにした。

 少しくらい頑張ってもらわないとやるせない。


「それは町の人を支配しない代わりに、責任というか義務を負わない、ということでしょうか? いや、それ以前に町の人たちに義務などはないのでしょうか?」


「そういうことではありません。先ほどソフィアが言ったとおり、チャンスは与えます。それを活かすも殺すも当人の自由ですが。義務は――今のところありませんね。将来的には、私たちの手伝いをしてくれる人が出てくればとは思っていますが」


 いや、正直にいうと、面倒なので責任とか義務は負いたくない。

 しかし、口にしたことくらいは実行しないと、リリーや妹たちに示しがつかない。


「普通の都市国家と同じ感覚では語れないのだよ。彼女を見たまえ、古竜ですらああだ。そんな彼女が、ただの亜人や魔物に期待することなど、それこそ彼らが努力している姿を見ることくらいなのだよ」


「普通の支配者なら、国を豊かにするために領土を広げたり、人を増やして生産力を上げたりするのだけれど、彼女はそれが必要無い――いえ、個で完結しているのよ」


 今まで沈黙を守っていたクリスとセイラが補足してくれた。

 ちょっと大袈裟な表現に思うけれど、何かの布石かもしれないので様子を見る。


「俺はもう古竜ではなくユノ様のバトラーだと言っただろう。だが小さき者よ、貴様らとユノ様では見ている世界が違うのだ」


 賢者を差し置いて口を開いたのはアーサーだった。

 いや、まあ、竜も長く生きている分知識は豊富なのだと思うけれど。


 とにかく、テーブルの下からの叱責にギルバートも困惑しているけれど、アーサーの言っていることにも一理ある。


 ギルバートが何を言いたいのかさっぱり分からない。

 自分の身や居場所を自分で守るのは普通のことではないのか?


 もちろん、私の身に降りかかったことまで押しつけるつもりもない。

 肩代わりしてくれるなら嬉しいけれど、アーサーの時のように、分不相応なやる気を見せられても困る。


「では仮定の話として――何者かに町が攻められ、ユノ様が加勢に行くとします。ですが同時に別の勢力が参戦して、どこかひとつしか助けられない場合――」

「なぜひとつだけ?」


 ギルバートの質問を遮って質問を返す。


 どちらかだけに加勢する。どちらにも加勢する。傍観する。

 別にどれを選択してもいいと思うのだけれど。


『ユノの能力を知ってれば、意味の無い質問だね』


「質問の意図が分からない。そんなことにならないように配慮しておくのが最善であって、それは町の住人の努力や選択次第でもあるんじゃない?」


「ユノがそんな正論を吐くとは――ですがユノの言うとおりですね。現在進行形で、そうならないように行動している最中ですし」


「優先順位や覚悟を聞きたかったのじゃろうが、前提を間違えておるとしか言えんのう」


「ユノさんはやると言ったらやります!」


「魔王なら『その大言壮語確かめてやる』ってなりそうなものなのに、よく我慢してるわね。もしかして、本体が弱いと呪いも弱いのかしら?」


 ソフィアの余計なひと言に、ギルバートがムッとしたようだけれど、それも一瞬のことで、どうにか耐え凌いだようだ。

 というか、私よりソフィアの方が、よほどトラブルメーカーではないだろうか?


『君の質問の意図は分かりかねるけど、君たちの目的は大体想像がつく。ユノの力が見たいかい?』


「――いえ」


 そう言って首を横に振ったギルバートは、今度は隣にいたオウルと頷き合い、再び私たちに向き直る。

 腹を決めたらしい。


 面倒くさい話でなければいいなあ。

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