異星からのプレゼント
弘樹は望遠鏡で星空観測していた。
真冬の空には冬のダイヤモンドや冬の大三角といった主に一等星で構成された星座が見られる。その中のオリオン座は肉眼でも捜すのが容易だが、望遠鏡で見ると、一つ一つの恒星が力強く輝いているのが見えた。
ヒュー。
星空を横切って、飛行物体が光った。
「ISSかなんかかな?」
弘樹が首をかしげていると、光はだんだん大きくなってこっちへ向かってきているようだった。
「わあ!」
シュルシュル。
上空で一時停止して、回転しながら降りてくる。
がしょん。
ドアが開いて階段が出てきた。
「レトロやな……」
弘樹は冷や汗混じりに思った。
カタカタカタ。
中から奇妙な形のロボットが降りてきた。
「こんばんは。……通じますか?」
「はい」
「地球と友好関係を持ちたい星があります」
「ええと、俺一人の一存ではお返事できかねます」
「そうですか。では、これはどなたにお渡しすればいいのでしょう」
「これ?」
鳥かごみたいないれものに、透明な羽根の生えたちっちゃな人間が入っていた。
「これ、妖精じゃないの?リリスとか?」
「?わが星の愛玩動物です」
「かわいいしきれいだし、わかるけど、地球につれてきたらかわいそうかもな。食われたりもするかもしれないし」
「では、お試しであなたに一週間預けて様子をみることにしましょう」
「え?」
カタカタカタ。ロボットは有無を言わせずかごを弘樹に託して去って行った。
ワンダユー!!!!
辺りにこだまが響いた。
「ちょっと待ってくれー!一週間も自信ないよ!」
異星の愛玩動物は妖艶な女性の姿だった。