サモニャン、リングに立つ
※短いです。
サモニャン・ニャンポーは猫ムエタイの王者だ。
得意技は首相撲からのニャランボ(膝蹴り)。
「ニャランボー、ニャランボー」
今もリングの上で対戦猫にニャランボを叩きこむサモニャン。
強い。強すぎる。
サモニャンは猫ムエタイの無敵の王者であった。
「ニャランボ~♪」
試合を終えたサモニャンは、通りすがりの美猫マドンニャにときめいた。
英雄、色を好む。
その言葉通り、サモニャンはメス猫に弱かった。
「ニャ、ニャランボ~♪」
幸せそうな顔でマドンニャに歩み寄るサモニャンだったが、
「ウニャー!」
マドンニャの前足の爪で引っかかれるサモニャン。更に、マドンニャによってボコボコにされるサモニャン……
「ニャ…… ニャランボ……」
バーのカウンターでうずくまるサモニャン。彼は強いがメスにはもてなかった……
「ニャ……」
右隣に座った友人、ニャッキー・ニャンが慰めた。
「ニャン……」
左隣に座ったニャン・ピョウもまたサモニャンを慰めた。サモニャンは二人に感謝しつつ、もう一杯酒を飲み、毛繕いをした。
明日はリー・ニャンチェイとの試合が彼を待っている。