帝都を覆う混沌42 ~機械の要塞~
帝都を覆う病魔によって人々の生活はあっという間に変わってしまった。
この唐突に現れた変化は、元には戻らぬ。
病魔の蔓延する中で命がけで生きる者たちは、この現実をひしひしと感じていた。
ある者は光に目覚め、日々を悔いなく生きようとする。秩序の導きである。
またある者は闇に目覚め、我欲のままに生きようとする。混沌の導きである。
その道に己が命を懸けるなら、正道となるだろう。
自分で自分を裏切る者には相応の報いがある。
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鬼道界へ突入したゴヨウとヘッドガン。
彼らはたどり着いた機械の要塞で、新たな戦場に臨んだ。
「ここが鬼道界?」
“混沌の影響によって他の世界が混じりあっている模様”
ヘッドガンのAIブルックリンは答えた。
また、ヘッドガンは今や戦車形態に変形し、機械の要塞の通路を進んでいた。
そんな彼らに、前方から巨大な物体が近づいてきた。
それは箱形のボディーに巨大なパワーアームを持つ、エアロボットと呼ばれる黄巾力士であった。
現在ではデータだけが存在を確認される機体だ。こんなものまで出てくるとは、鬼道界すら混沌の波に呑まれて歪んでいるのだ。
エアロボットの三連センサーが深紅の輝きを放つ。
「突撃(チャ~ジ)!」
ゴヨウはヘッドガンで応戦した。ガンランチャーが火を吹き、プラズマキャノンがエアロボットに命中する。
それでもエアロボットは効いた様子はない。三本のパワーアームを振り回してヘッドガンに襲いかかる。
戦力差は絶望的だ。しかし、この先にしか明日はないのだ。
病魔を打ち払い、希望に満ちた未来を迎えるには、この戦いに勝利する以外ない。




