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帝都を覆う混沌28 ~明日への一矢~
ラグナロクの鎖は物理的限界を越えて伸びる。
その先端の角は、時空をも越えて敵を追跡する。
たとえ敵が何光年の彼方にいようともーー
ラグナロクの角鎖は空間を越え、混沌へと襲いかかった。
「何い!」
座していた混沌が瞬間、茫然とした。
まさかゴヨウの一撃がーー
伝説の兵器ラグナロクを手にしていたとはいえ、混沌自身を探り当て、一矢報いてくるとは。
「おのれ知多星ゴヨウ、ただの人間と思い甘く見ていたが…… もはや容赦せん!」
混沌が玉座から立ち上がった時、不思議な声が彼の心に響いた。
“止さないか! ここはお前の負けだ……”
それは何者の声であったのか。
ゴヨウは天母様より秩序と混沌は双子の兄弟と聞かされているがーー
「く…… なるほど、敵ながら見事だ知多星ゴヨウ」
混沌は忌々しげにーー
そしてどこか愉しげに笑った。
以前も混沌はゴヨウを殺すチャンスがあったのに、殺さなかった。
それはなぜなのか理由はわからないが。
「だが心するがいい…… 因果応報、自業自得、それは定められた宇宙の真理なのだ……」




