帝都を覆う混沌25 ~隻眼の剣士、無明を断つ~
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世界を覆う病魔を相手に、戦乙女の新たな精鋭ーー
グレース、フォンテーヌ、スパークルの三人は立ち向かう。
「善き癒し」の彼女達が、このタイミングで現れたのは、決して偶然ではあるまい。
宇宙の意思ーー宇宙を創造したのは女神であるーーを反映したプリティーでキュアな彼女達もまた、概念や存在の意義を守る「守護者」なのだ。
また、日曜朝のスーパーヒーロータイムの「剣隊シリーズ」と「柳生十兵衛シリーズ」も忘れてはいけない。
時代を越えて語り継がれる彼らもまた「守護者」なのだ。
そして十兵衛も混沌の渦に身を投じていく。
「是非もなし」
混沌の闇を前にして、十兵衛は愛刀である三池典太を抜いた。
「お相手つかまつる」
閃いた三池典太の刃、それを構える柳生十兵衛。
八相に構えられた三池典太の鋭い切っ先が天を衝く。
混沌を見据える柳生十兵衛に、恐れも迷いもない。
死を覚悟した十兵衛は、無の境地にーー
菩提の境地へと到っていたのだ。
ーーオオオ~
混沌の闇が形を為した。
人間の心から産まれた悪意が、狂暴な獣のような形を為して十兵衛に襲いかかる。
「ーー無明を断つ!」
十兵衛は混沌の闇に刃を打ちこんだ。
閃いた一閃が、混沌の闇を斬り裂いた。
その果てに現れたのは金色の光ーー
光と共に速き風が解放され、世界を覆っていく。
「俺は勝った…… だが大局的にはどうであるか…… そして魔性は必ず甦る!」




