表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
知多星ゴヨウ  作者: MIROKU
二年
42/100

帝都を覆う混沌1

 この宇宙に在る「概念」や「存在の意義」を守る者ーー


 それは「守護者ガーディアン」と呼ばれていた。


 百八の魔星の一人、知多星ゴヨウは何を守ろうとしているのかーー



   **



 知多星ゴヨウは守護神チョウガイと共に「混沌カオス」との戦いに身を投じる。


 戦場に赴いたゴヨウとチョウガイを待っていたのは、理解に苦しむ現象の嵐だ。


「これは多層の次元が重なりあった虚無の世界だ」


 守護神チョウガイですらが、困惑の表情を浮かべていた。


 深夜だというのに陽は高く照りつけ、陽光が注がれているというのに厳冬のような寒さなのだ。


 それだけではない。上下左右の感覚すらおかしい。無重力の宇宙空間のような不安定さを感じている。


 世界に満ちたものは暖かい闇、冷たい光。


 ゴヨウは上下逆さになったチョウガイを見つめた。


「お前が逆さになっておるのだ…… いや、わしかもな」


 チョウガイは苦笑した。彼ですらが、この混沌に対処しかねていた。


 理の違う多層の次元が重なりあった空間においては、もはや敵がなんであるのか、自身が何のために戦うのか、それすらもわからなくなっていく。


 ゴヨウですら心中に走る不安を押さえられぬ。だから彼は目を閉じた。


「ノーマク、サンマンダー、バーザラダン……」


 ゴヨウは視覚を遮断し、不動明王真言を唱え始めた。


 魔を降伏する降魔の利剣を手にした不動明王を心中に描く。


 そのはずだが、ゴヨウの脳裏に浮かぶのは違う存在であった。


「虚空蔵菩薩か、なるほど……」


 チョウガイの声が遠くなっていく。ゴヨウが目を見開くと、チョウガイの姿は強い日差しと凍った世界のどこにもない。


「ゴヨウ、虚空蔵菩薩の知恵を借りるのだ…… お前は知多星なのだから」


 チョウガイの気配は虚空に消えた。


 存在が消失したわけではないが、チョウガイも混沌に対処しかねるようだ。


 ゴヨウは聖剣「花鳥風月」を手にして、混沌に支配された街中を進む。


 見慣れた場所が彼方の幻影に思われた。


「こわいんじゃないのかい? どうでえ?」


 ゴヨウが振り返った先には異形の姿があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ