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知多星ゴヨウ  作者: MIROKU
元年
4/100

隻眼の男、梁山泊で修行す



 七郎という人物が「梁山泊」へ修行に向かった。


 「無刀取り」なる武術を極めんがための武者修行との事だ。


「ぬおー!」


 七郎は己の右腕を、肘を曲げた状態にして、さらしを用いて胴体に巻きつける。


 これで右腕は使えない。この状態から勝機を得んとする。


「狂ってやがる」


 畳敷きの道場で七郎を迎え撃たんとするのは天暗星だ。


 が、ここはやはり「急先鋒」の異名を持つ天空星が出てきた。大抵の戦いは、彼が出てくれば終わってしまう。


「いざ!」


 胴着に着替えた天空星。身長は約百九十センチ、体重は百十キロ。彼が得物の大斧を振り回しただけで、降伏する者も少なくない。


 しかし七郎は怯まない。無刀取りを極めようとするあまり「少し気が変になってる」と噂される七郎は、開始の合図と共に突き進む。


 そして僅かに天空星の左手側に回りこんだ。天空星が向き直った瞬間に、七郎は踏みこみ左手を伸ばしている。


「おお!」


 叫んだのは天空星だ。ダアン!と彼は背中から畳に落ちた。


 刹那の間に天空星は右手を引かれ、更に七郎の腰に担がれ、回転の動きを利用して投げられたのだ。


 これは左手一本でしかけた変形の体落だ。


 円の動きと回転の力。


 左手の引き、腰のキレ。


 更に刹那のタイミング……


 様々な条件が一つとなり、天空星は片腕の七郎に投げられた。


 力業、早業、軽業、大業おおわざ小業こわざ、裏技……


 それらが一つになった時、神業と成るのだ。


「はっはっは、これは一本取られた!」


 天空星は大笑いしていた。七郎の技に感心したらしい。ダメージもほとんどない。実戦であれば、負けるのは七郎だろう。


「よし、次は俺だ」


「待て、酔いが冷めた」


 天暗星を制して、天雄星が出てきた。百八の魔星の中でも、一、二を争う実力者だ。


「むっまー!」


 七郎は興奮から冷めていない。普段はともかく今は少々落ち着かない。


 新選組の沖田総司も稽古の際には別人のように厳しかった(怖かった)というから、似たようなものだろう。


 さて、七郎は天雄星と対峙したが、


 ーーダアン!


 と畳に仰向けに倒れたのは七郎であった。


(な、何が起きた?)


 わけもわからず七郎は畳の上で冷や汗をかく。天雄星は七郎にタイミングを合わせ、軽く掌で打ったのだ。


 いうなれば絶妙のカウンターだ。


 天雄星は得物なくとも、やはり元八十万天軍武術教頭であった。


「まだまだだな」


 それだけ言って天雄星は道場から出ていった。眉目秀麗の優男に見えるが、その実態は武の体現だ。


「も、もう一度願いたい!」


「うるせえ、次は俺だ!」


 七郎が天雄星に呼び掛けるのへ、天暗星は「無影脚」で襲いかかった。





「うるさいのう、男ども」


 レオタード姿の天魁星(銀髪の美女)はトレーニングルームで、お腹引き締めエクササイズに専念していた。


「溜まったものを発散してんでしょ」


 天魁星の隣では同じく天威星(長身スレンダー美人)が引き締めエクササイズをしていた。


「全く男ってバカだよなー」


 更に天殺星(雌虎のようなワイルド美女)もレオタードでエクササイズだ。美女三人がレオタードでエクササイズしている様を見れば、男はみんなイチコロ(死語)だ。


「それにしても、なぜレオタード?」


 天魁星は少し恥ずかしそうだ。


「キャッ●アイも復活するからねー」


「シティハ●ターもねー」


 天威星と天殺星はシティ●ンターの復活を楽しみにしているようだった。

※七郎は別の作品である「無明を断つ」に登場するキャラクターです。お遊びです。

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