第4話 〈提督(アドミラル)〉スキル起動
これ、加筆修正したら、結構重要な話しになっていました。
次話を更新出来ず、ちまちま加筆修正して布石をまくなか、
アクセスしてくれる方々に感謝を。
1700アクセスを超えていて、とても嬉しいです。
「……醜態をお見せしてしまい、誠に申し訳ないっ」
スキルのやろうを黙らせ、頭が冷静になり、姫様の方を見れば、
プルプルと、木々の間で震えていた。
当然、土下座。
一応、スキルが喋ってきた、とダメ元で言ってみると、
どうやら一部のスキルは自我を持つことがあるらしい。
とても稀であるらしいが、なんでも
長い年月をかけて自我を持つスキルも多いらしい。
「(要するに、付喪神か……)」
「あと、神さまが、たわむれでスキルをゲートにして語りかけてくることもあるそうです」
………そっちじゃね…?
「けど、それはとても、まれだそうですよ」
「ホントに?」
「ホントにまれだそうです」
「……そうか…」
今日はこれで勘弁してやる、と少し圧を込めてステータスを睨む。
…で、ステータスがその時ビクッ!と震えたのは気のせいだろう。
「(姫様に、何かお礼しないと……)」
ステータスを閉じて、少し思案する。
仲間にするのは、お礼とは違うと思うしなぁ。
うーん、女の子が喜ぶものとはなんだ…?
姫様の顔を見る……あっ!
「ねぇ、少し目を閉じて貰える?」
「えっ……はい」
姫様は、一瞬驚いた顔をしたが、顔を赤らめては、目を閉じる。
彼女が、目を閉じてる間に起動済みの〈提督〉を使って
今手に持っている物が強化できるか調べる。
「よし、上手くいきそうだ」
「…?」
姫様の頭に触れ、彼女の今付けている髪に触れ
「はわわわっ」
髪飾りに、スキルを使って常時回復魔法:乙を付与する。
普通なら、ここまで上級の付与は出来ないらしい(ヘルプ参照)が、
さすが名家、良い品質だ。
「よし、もういいよ」
「…えっ、あれぇー」
その後、姫様がしばらく不機嫌だったのは、また別のお話。
~天界~
「もうっ、勘が鋭い子だなぁ」
手足をバタバタさせ一段落すると、彼女は徐ろに2つのものを見る。
片方は、リアルタイムで映されているイオリと、桜。
先程までの子供っぽさの無い、大人の貫禄ある瞳で、慈しむように。
…ほんのちょっと、過去の〈私たち〉と重ねて。
そして、もう片方は、とても古い写真。
色褪せて黄ばんだそれに映るのは…。
ドクンッ!
「かっがはっ?!!」
(しまっ、た!〈ボク〉ももう持たないのかっ)
頭に流れ込んでくるそれは、彼女の精神を瞬く間に侵食していく。
侵食してくるソレは、今までに、
ボクたちの指揮で死んだ敵の怨念と、味方の無念。
『あぁ、弱っちまって情けねぇ』
『ほらほら、抵抗しないとこの身体、支配しちゃいますわよ♪』
そんな亡霊達の声が聞こえるが、それどころではない。
〈ボク〉がもう持たないのは分かっていた、
だからこそ後継が見つかり嬉しかった。
問題は、タイミングが最悪なのだ。
今、〈ボク〉が乗っ取られた場合っ!
(まっずいッ!一柱が乗っ取られんのは、まだ良いとしても…〈提督〉を介してイオリまで乗っ取られるッ!)
…それ…だけは、させてはならない!
あの子に、〈私たち〉と同じ目に合わせては、ならない!
火事場のバカちからならぬ、精神力で亡霊達を押さえ込み、
〈提督〉に現在与えられる権能をダウングレードさせ、能力にし、〈提督〉に
送り込む。
いつまで持つか分からないが、しないよりはマシと、ロックをかける。
「あとはっ、これ、で!!」
なけなしの、魔力を振り絞り、ある魔法を実行し。
〈ボク〉は、意識を深淵に委ねた………。
ピコンッ!
-メッセージが、転送されました-
一柱が乗っ取られるのがまだ良いなんて言えるのは中々すごいと思う(当時の自分の考えが理解できない)