プロローグ
惑星エヴァーレ。
ここは、かつて人間が支配した惑星だ。
しかし、ある時を境に人間は衰退の一途をたどっている。イクタ―ヴィアと呼ばれる毒を吐く植物がエヴァーレ中に繁殖。
そのイクタ―ヴィアを守るように魔獣とよばれる4足歩行の猪のような動物が現れ、人間は植物の毒と魔獣がいない土地に追いやられていった。
住める場所が少なくなるにつれて、人間たち同士での土地の奪い合いが発生し、人間はその数を減らしていった。
住める土地同士の間には、イクタ―ヴィアが生息する森に挟まれ、海も毒で汚染され、土地同士での交易はなくなった。
人間たちは生きるためにそれまで発展させていた文明を放棄し、原子的な農業と毒のないところでの狩猟で食料を確保するしかなくなっていた。
人間たちは自分たちの衰退原因であるイクタ―ヴィアの出現をこう呼んでいた。
『エヴァーレからの罰』と。
そんなエヴァーレにあるカルクという村で、奇跡の子とよばれる女の子が誕生した。
彼女の名はオリヴィエ。
彼女は、イクタ―ヴィアの毒に耐性を持つ子だった。
イクタ―ヴィアの毒は、人間が吸い込むと内臓が溶けていくというもの。
幼いころオリヴィエは森に近づき、毒を吸い込んだ。
しかし、彼女はなんの症状も出ることなく、16歳になる今でもカルクで暮らしている。
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