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新生活



―――

 「ポポちゃん、改めてまして。今日からここが新しいお家です。そして、私のこともよろしくね。」


 ハコから出てきて、周りを見渡すポポにそう声をかけると、オドオドとしながら手作りハウスの中に入っていった。

 ここに来るまでにポポ自身には沢山の出来事があり疲れも溜まっているだろうから今日は少しでもゆっくりしてもらいたい。

 ハウスの上から3分の2程の高さまでタオルケットをかけ周りとの距離をとった。けれど、ポポの行動範囲を減らすことはしたくなかった為扉は締めずに電気の明るさを薄めにし、私は隣の部屋に移動した。


 一先ず、もう一度ココアを淹れて一服。

 時刻は20時30分を回っていた。


 <今から、ご飯はなぁ…仕方ない>

 

 ソファから立ち上がり冷凍庫を開いた。

 特性の冷凍弁当を取り出しレンジにかける。

 今回の冷凍庫弁当は、鳥ご飯に茄子とひき肉炒め、ブロッコリーにふかしたじゃがいも。そして、今朝冷蔵した半熟卵をトッピングして今夜のご飯が完成。


 <手間をかけたくないときはこれに限る!>


 時間がある時に、作りおきして弁当にし冷凍しておけば時間がないとき等には凄く助かるご飯となる。

 私は何気にこのご飯スタイルが大好き。


 リビングに運びデザートにシュークリームを並べて。

 <頂きます!>


 <あー、この鳥ご飯の甘醤油味が良い!>

 <茄子やじゃがいもも良い具合のふわとろになって…>

 <シュークリームは今日美味しそうだったから買っちゃったけど美味しいなぁ>


 すると、ぽぽの扉からカリカリと音がした。


 <ん?匂いにそそられたかな?>


 扉をカラカラと開けると、ビクッとしたぽぽがお家の前まで走りこちらを向いてちょこんと座る。

 その様子を見て茉莉亜は、ぽぽの部屋に入り扉を閉めた。そしてその場に座り、ぽぽの様子を再び窺った。

 ぽぽは、手を洗うような仕草をして顔や耳までも手で触り始めた。緊張を解しているようだ。

 それが終わると周りをキョロキョロし、お家の周りをぐるぐると3周程した後、オズオズとこちらに寄ってきてくれた。

 茉莉亜は、両方の手のひらをゆっくりとぽぽに差し出し、匂いを嗅がせた。ぽぽはクンクンとして、顔を左手に擦り寄せてくれた。


「ポポ、おいでっ」


 そう声をかけると、前進して両手にお尻を乗せてくれた。そのまま軽く包み込んで自分の方に引き寄せると少しビクッとしたポポだったが大人しく抱かせてくれた。右手でお尻を支え左手を腰や背中辺りに添え赤ちゃんを抱くようなかたちになった。

 ポポは顔を私の胸に寄せて落ち着いた素振りを見せてくれ私は気づかず左手をポン、ポンと赤子をあやすような状態をとっていた。プクプクと鼻を鳴らしていたポポだったが、聞こえなくなったので顔を覗くとスヤスヤと眠るポポの姿。


<今日は疲れたね。ゆっくりおやすみなさい>


 と言っても、このまま降ろすと折角寝ていたポポも起きてしまうだろう。何か良い策はないか…。そんなことを考えながら近くの壁に寄りかかり考え込んでいる内に眠気に襲われ…


ペロペロペロッ

<んっ、あー肩が痛いっ>


「あっ、ポポおはよう」


先に起きていたポポは、茉莉亜の手の中に丸く収まっていた。手首の辺りをペロペロとした後、自分の毛繕いや顔洗を始めた。

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