9.彼女によく似た
毎回短いですが気にしないでください…。
塗色は、ずっと家の前で立ち止まっている。
あの日の記憶が、頭の中でぐるぐると回り続ける。
(俺が、自分のことしか考えれなかったから…)
母は自分のせいで死んでしまったのだと、塗色は思う。
「塗色?」
後ろから声をかけられ、塗色は振り返った。
そこには、大好きな人によく似た微笑みを浮かべる人。
「飛彗ばあちゃん」
「どこかに行っていたのですか?」
「うん…。ちょっと散歩」
飛彗は、そうでしたか、とつぶやきながら塗色に近づいていく。
塗色の両手をとり、軽く握る。
「あまり危ないことをしてはいけませんよ。命は一つ。人生も一つ。…どう生きるかは自由ですが、大切にしてくだいね」
塗色は、自分のしようとしていることが見透かされてるのかと思い、驚いた。
しかし飛彗は、すぐにいつもの笑顔に戻り
「もうすぐお昼ですね。支度をしますから、手伝ってください」
と言った。
「飛彗ばあちゃん。俺…、」
塗色は躊躇うように何かを言おうとする。
だが。
「どうしましたか?」
綺麗な笑顔。
それを見て、
やめた。
「ううん、何でもないよ」
自分も精いっぱいの笑顔を向けた。
共通語で書こうと頑張っていますが、方言がでてしまっているかもしれません。
ありましたら、教えてくださるとありがたいです。
読んでくださった方、ありがとうございます!