5.行こう
塗色は、4人家族です。弟がいます。
現在は、3人暮らし。
都会に住んでいて、飛彗(祖母)に会う機会も少ないです。今回は、電車などに乗って一人でやって来ました。
今回も短いですm(_ _)m
朝。
温かみのある声と暖かい日の光で、塗色は目を覚ました。
「朝ですよ。起きてください」
「…」
まだ完全に目が覚めていないのか、塗色は黙ったままで反応しない。
少ししてから起き上がった塗色は、そばで見ている飛彗に声をかける。
「…おはよう」
「おはようございます。ふふ、朝は弱いみたいですね」
飛彗は子供のような無邪気な顔で笑っている。塗色の意外な一面を見つけ、嬉しいのだろう。
「朝ごはんができていますからね。布団をちゃんとしまって、着替えてから来てください」
「うん、わかった」
飛彗は塗色を残して部屋を出ていく。
塗色は大きくあくびをしたあと、寝巻きのボタンに手をかけた。
美味しい朝ごはんを食べて、ゆっくりとしようかと思っていると、飛彗はどこかに出かけるようだ。支度をしている。
「どこか行くの?」
「はい。村の集まりに行ってきます」
まだ朝の10時にもなっていない時間。
飛彗を見送ろうと、塗色は玄関まで来ていた。
「では、行ってきますね」
飛彗はいつも通りの着物に、薄い紫色のストールを羽織っている。
「うん、行ってらっしゃい」
塗色の言葉に微笑んで、飛彗は歩き出した。
「そうだ、塗色。昼には帰ってきますから、それまで外で遊んでいても良いですよ。そのときは、鍵を閉めるのを忘れずに」
立ち止まってこちらを振り返った飛彗に、塗色は笑顔で返した。
「わかってるよ。気をつけてね」
塗色は片手を上げて手を振る。
それを見て、飛彗は今度こそ出かけて行った。
塗色は、飛彗が見えなくなったところで、片手を上げたままの姿勢で立ち尽くした。
その瞳に先程までの光が灯っていない。
手を下ろし、家の中に入る。
木々の揺れる音はもう、塗色の耳に届いていない。
読んでくださった方、ありがとうございます!
わかりにくい文章、面白味がなくてすみません(⌒-⌒; )