24.死ぬために
本当にもうすぐ完結です。
わかりにくい表現がたくさんあります。毎度のことながら、申し訳ないです。m(_ _)m
短いです。
「俺は…」
飛彗はいつもの優しい顔で、塗色を見つめている。
「…俺は死にたかった。家族と、家族の大事なものを奪った自分が許せなかった。俺のことを、いつも一番に考えてくれる人…。その人の命を…、俺は母さんを殺してしまったんだ。
母さんが死んだあとも、俺は普通に生きていた。
学校の友達と笑い転げる日もあった。些細なことで、ケンカした日もあった。
その間、俺も誰も、母さんのことを考えてないような気がしたんだ…。そのことが、俺は怖く感じられた。
母さんのことは忘れない。だけど、あの声、あの目、あの温かさは忘れてしまいそうだった…!
…俺は、俺の罪を忘れてしまうんじゃないかと思った。自分だけが楽しく笑って暮らしていてはいけない。
そんなとき、母さんがしてくれた忘却花葬の話を思い出したんだ。
俺は…、忘れようと思った。母さんを殺したことを、じゃない。
それ以外の楽しい記憶を。
そして、死のうと思った。自分の罪を、心に刻み付けて。
…俺の生の全てを捧げて、弟が…っ斗庵が幸せになってくれればいい…。そう思ったのに…!忘却花葬に会って、怖かった。死にたくない、忘れたくないと思ってしまった…。
俺は…、まだ…、生きていたい。
生きているのも辛いよ。だけど死ぬのも辛い。
本当にっ…、兄として失格だ…。
どうしたらいいんだろう…。もう…、わからないよっ…」
涙が止まらない。
俯いている塗色を、優しい優しい目で、飛彗は見つめる。
ありがとうございます。
小さく、そう呟いた。
そして、塗色を抱きしめる。
ベットの脇で中腰だった塗色は、バランスを崩してしまう。
が、顔にすぐ温もり。
飛彗は自分の胸で泣き続けている塗色に、話しかける。
「…忘れても、いいんですよ」
「え…?」
読んでくださった方、ありがとうございます!!
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