表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘却花葬  作者: 涙紫月
22/26

22.行方 〈不安のなかで〉

更新、遅くなりました…。

スランプです。

朝。

カーテンの隙間から入ってきた光で、塗色は目を覚ました。

ゆっくりと体を起こす。

その顔は、何故か顰められている。

どうやら、悪い夢でも見たようだ。

(…記憶、か…。母さんが死ぬ前と死んだときの)

手を顔にやり、はぁと息を吐く。

少しして、塗色は立ち上がる。

廊下に出てみると、何か、違和感を感じる。

静かなのだ。いつもより。

もちろん、いつも静かだ。

ただ、今日は不自然。

人の気配が全くしない。

飛彗が居るはずなのに。

塗色は、台所へと足を進める。

いつもなら、食事の良い香りが。今日はしない。

のれんをめくり、台所を覗く。

飛彗はいない。

今度は居間へ。

障子を開ける。

だが、飛彗はいない。

塗色は焦った様子が隠せない。

(ばあちゃん…どこに…?)




塗色は、家中を探し回ったが飛彗は居なかった。

外に出て、飛彗を探し始める。

家の周りにはいないようだ。

門をくぐって、塗色は立ち止まる。

「くそっ…。どこ行ったんだよ…」

心配と不安、そして苛立ちがこみ上げる。

「あっ。あんた、飛彗さんのお孫さんかい?」

右から声がして、塗色はそちらを向く。

立っていたのは、黒髪に白髪が混じった、60代くらいの男。

「え…、はい。そうですけど…」

突然のことに驚く塗色。

何しろ、ここに来て飛彗以外の人に会っていないのだ。

「やっぱりそうか。あんたんとこの飛彗さんな、今…」

「ばあちゃんがどこに行ったか知ってるんですか!?」

飛彗の名前が出たことで、塗色は喰いつく。

しかし、相手は突然声を上げた塗色に驚いているようだ。

「あっ…。すみません…」

「いや、いいんじゃ、いいんじゃ。飛彗さんがいなくなってびっくりしたんじゃろう。…飛彗さんな、隣町の方まで行っとったらしいぞ。今は、そこの病院におる」

「病院…?それに隣町って…」

意味がわからない、というような顔を塗色はしている。

「詳しいことは、わしも知らん。病院の住所は聞いとるから、今から行ったらいい。そんなに遠くない」

「わかりました…。ありがとうございます」

「うん。気ぃつけてな」

(なんで隣町なんか…。しかも病院ってどういうことなんだ…?何かあったのか…)

塗色は、戸惑いが続くなか、足を進めた。

読んでくだった方、ありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ