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忘却花葬  作者: 涙紫月
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2.これから

ただただ日常…。つまらなくてすみません(^ω^)

この家に来て、1時間くらい経っただろうか。塗色は縁側でくつろいでいる。


庭のハナミズキに目を向ける。



今は冬。花はなく、枝が剥き出しの状態である。



「桜の季節が終わる頃に花を咲かせるんですよ」


いつの間にか横に来ていた飛彗が、懐かしそうに目を細めながら言う。


飛彗を見て、また、ハナミズキに目を向けた塗色は

「知ってるよ。一回見たことあるから。すごく綺麗だったな…」

同じように懐かしそうに言う。


「あのときはみんな一緒でしたね。そういえば、お父さんは元気ですか?」

2人ともハナミズキを見つめたまま会話を続ける。

「相変わらず……って感じかな」

悲しそうにも嬉しそうにも見える表情で塗色は言った。


2人の間に、少しだけ沈黙が流れる。


飛彗が何かを言おうとするより先に、塗色が口を開いた。


「あのさ……」

少し間をおいてから続ける。


「俺、今日からここに住んでいい?」


思いがけない言葉に飛彗は驚く。


「えっ、それはどういう……」

「ダメかな?」


飛彗は、自分を見つめ真剣な顔で聞いてくる塗色に迷いながらも答えを告げる。


「いいですけど、何故?それに、荷物とかは良いのですか?」


それを聞いて、嬉しさが隠しきれない塗色。


「やったー。俺、飛彗ばあちゃんと一緒に暮らしてみたいと思ってたんだよね。あっ、実は荷物届けてもらうようにしてるんだ」

「そうでしたか。突然でびっくりしましたが、可愛い孫と暮らすことができて嬉しいです」


飛彗はまだ落ち着いていない様子だが、とても嬉しそうだ。



「本当に……ありがとう」



顔に影を落として礼を言う塗色に違和感を覚えつつも


「これから楽しみです」


と飛彗は笑顔で言った。


「さぁ、晩ご飯は何が良いですか?買い物に行きましょう」

「俺、ハンバーグがいい」

「ではそうしましょう。手伝ってくださいね」

「うん!」



2人の明るい声は、天まで届くようだった。


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