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忘却花葬  作者: 涙紫月
16/26

16.沈黙は安らぎか

途中から飛彗視点。

また短いです!○| ̄|_

次からは、少し長くなると思います…。

2人で無言で歩き続ける。

足早な総次郎を塗色が追うように、山を下る。

小さい裏山だ。すぐに家が見えてきた。

「塗色っ!!」

名を呼びながら、飛彗がそばに駆け寄ってきた。

飛彗は塗色の両腕を掴み、見上げる。

「どこに行っていたんですか!?」

普段とは違う、焦った様子で飛彗が聞いてきた。

そんな様子の飛彗を見て驚く塗色。

答えようとするが、上手く言葉が出てこない。

それより先に、気になったこと。

「じいちゃんは…?」

言って辺りを見渡す。

いない。

「どうしました?」

辺りを見渡す塗色を不思議に思った飛彗が声をかける。

「…じいちゃんが…」

「じいちゃん?」

「…俺のじいちゃん。何年も前に死んだ」

「…。おじいさんが、どうしたんですか?」

塗色の言っている意味がわからず、飛彗は首を傾げる。

「いたんだよ。俺を助けてくれた」

飛彗から目を逸らし、遠くを見つめるように明るい声で言った。

「…」

2人の間に、沈黙が流れる。

今まで暗い表情をしていた飛彗は、いつもの笑顔に戻り、口を開いた。

「さぁ、入りましょう?昔話をしましょうね」


塗色は居間に入り、腰を下ろす。

しん、としている。

そして、どこからか足音が。

「お茶が入りましたよ」

おぼんを持って、飛彗がやって来た。

お茶を置いて、自分も座る。

「どうぞ」

「ありがとう」

また、沈黙。

今度は長く感じられた。

少しして、飛彗が口を開く。

「…少し、私の話を聞いていただけますか、塗色。そして、これが終わったら、今度はあなたの話を聞かせてください」

そう言って、飛彗は話し始めた。




…いいですか、塗色。これは本当の話です。私にとって、嬉しい話でもあるし、すごく悲しい話でもあります。昔の話です。…話しながら、泣いてしまうかもしれません。気にしないでくださいね。…ありがとう、塗色。あなたはやっぱり、優しい子ですね。

読んでくださった方、ありがとうございます!!( ˊᵕˋ )


次回からは、飛彗視点の過去の話。

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