13.信じることに意味はない
本当にすぐに完結しそうです…。
前回も今回も、塗色視点のような感じです。
朝。
いつもより早く塗色は目を覚ました。
昨日話した、女の子のことを思い出す。
(あの子、見つけちゃうって言ってたな。現れるものなのか…。だとしたらいつ…?だけどあの紙には裏山、と場所が書いてあった。)
いろいろと考えながら、上体を起こす。
「母さん…」
母のことを思い出せば、必ず飛彗の顔と重なってしまう。
2人は似ているのだ。
あの微笑み、声。
そして、自分を愛してくれているところが。
塗色は、怖くなるときがある。
飛彗と過ごしていれば、いつかまた同じことを起こしてしまうのではないかと。
「塗色ー?起きていますか。手が離せないので、自分で起きてきてくださいね」
台所から、飛彗の声がした。
また、思い出す。
飛彗の顔と重なる、あの笑顔。
もう、見ることはできない。
そして、それを奪ったのは…、俺。
あいつは悪くないんだから。俺は我慢しなくちゃいけない。
何を言われようと耐えなくちゃいけない。
だけど。
もう、
疲れたんだ。
生きたくないけど、本当は生きていたい。
あの言葉を信じてる。だからまだ、期待してしまっている。
『生きていれば、いつか必ず』
『良いことがある。信じているだけでもいいのよ?』
―だから、何があっても生きてね、塗色。
約束よ?
ごめん、母さん。
約束は守れそうにないよ。
読んでくださった方、ありがとうございます!!
毎日、短いです…<(_ _*)>
信じることに意味はない
―それでも私は信じてる。あなたの幸せを、祈ってるのよ。




