10.私はあなたの家族だから
最初は考えていなかった、ねじ込み話①
会話が多いです。
「オムライスでも、作りましょうか」
台所で、飛彗はそう言った。
「えっ。和食以外も作れるの…?」
和食以外の、飛彗の料理を食べたことがない塗色は驚いている。
それを聞いた飛彗は、一瞬きょとん、としたあと笑う。
「ふふ。もちろん作れますよ」
「そうなんだ…」
「面白い子ですねぇ」
「これを切ってください」
「わかった」
黙々と料理をしている2人。
飛彗は塗色を横目で見たあと、口を開いた。
「…塗色」
「ん?なに」
「あなたのお父さんは、あなたに暴力でも振るっているのですか?」
「え?どうして…?」
「お父さんの話になったとき、ひどく辛そうな顔をしていました」
「…。別に…、何もないよ」
「本当ですか?」
飛彗も塗色も、手は止めないまま会話を続ける。
「暴力は無いけど…。暴言…、みたいなのはよく言われる」
「そう…ですか。私にできることがあれば言ってください。ひどいものであれば、警察にも言わなければ…」
「ないよ」
「え?」
「ばあちゃんにできることなんか」
飛彗は手を止めて、塗色を見た。
塗色も驚いたように手を止め、飛彗を見る。
「あっ…。ごめん…」
咄嗟に出てしまった言葉のようだ。
飛彗も驚いたようだが、塗色が一番驚いている。
飛彗は黙ったまま、少し俯く。
どうしようか、と塗色が悩むなか、すぐに顔を上げた。
そして、料理を再開する。
「いつでも言ってくださいね」
塗色とは目を合わせず、飛彗は言う。
塗色は嬉しかった。
飛彗の優しさが、声からだけで伝わってくる。
あぁ、この人は、自分の全てを受け入れてくれる人なんだ。
読んでくださった方、ありがとうございます!
ヽ(*´∀`*)ノ




