1.再会
1年以上前に書いていた話です。下手ですみませんm(_ _)m
知ってる?この世で一番美しい花。その花はね、不思議な能力をもっているの。記憶を消す……。そんな恐ろしい能力をもっているのに、どうして美しいのかしら?いらないわよね、そんな能力。だって記憶は……
全身黒の服装で、畑だらけの人気がない田舎道を歩いている14歳の少年。
赤茶の髪にくっきりとした二重の瞳をもつその少年は、立派な門のある木造の家の前で立ち止まった。
門をくぐり、玄関の戸を開けながら声を掛ける。
「こんにちはー。飛彗ばあちゃん、いる?」
少年の声が家に響き、少ししてから
「はい、はい。いますよ」
と白髪に着物姿の老婆が出てきた。
笑顔のその顔は優しさで溢れている。
「どうぞ、上がってください」
手招きしながら少年に言う。
「おじゃまします」
廊下を少し歩いて、木でできた机と棚だけがある、広い畳の部屋に案内された。
少年は座り、辺りを見渡す。
(全然変わってないな……)
のどかな田舎の雰囲気が、家の中にいる少年にまで伝わってくる。
「お茶とお菓子を持ってきましたよ」
静かだった部屋に静かに声が響く。
飛彗は机の向こう側に座り、2人は向かい合った。
「ありがとう」
「久しぶりですね。元気でしたか、塗色」
お茶を汲みながら、飛彗は声を掛ける。
「うん。元気だったよ。ばあちゃんは?」
塗色と呼ばれた少年は、お菓子を手に取りながら答える。
「私も見ての通り元気です。」
腕を持ち上げながら笑顔で元気アピールをする姿を見て、塗色も自然と笑顔になる。
しかし、飛彗の腕にアザがあるのを見つけ、笑顔が消える。
「それ、どうしたの?」
心配そうに聞く塗色。
そんな心配をかき消すように、飛彗は声のトーンを上げた。
「夜中に起きたときにぶつけてしまったんですよ。暗くて何も見えなかったんです」
あきれたように
「電気付けなよ」
と言いつつ笑顔が戻った少年に、飛彗も笑顔で答える。
「ふふ。今度からそうします」