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目が覚めたら、女子にされていた俺。  作者: ねこた まこと


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11 広島へレッツゴー にゃんこと一緒に

いよいよ、世間では夏休み到来。とは言っても、6月から、ほとんど入院してた俺には、実感がわかないんだな。

それはともかく、今日は、平原の家に行く日だ。

平原の家があるのは、広島のとある田舎町。だから、泊まりがけになる。

その為、俺は、数日分の着替えがの入った鞄を下げて、待ち合わせ場所に指定された、旭ヶ丘駅の前で、待っていたんだ。


「 お早う、拓人さん、どうしたん? ビミョーな顔して?」

「 いやあのな」


待ち合わせ時間十分前にやってきた拓人さんは、肩から提げてるを鞄を困ったような怒ったような顔で、睨んでいるんだよな。その鞄が、ゴソゴソ動き出したよ。おっお化け? お化けでもいるの?



「 んな~んなな~」


可愛い鳴き声を発しながら、鞄からひょっこり顔を出したのは、グレーと黒いしましま模様の猫だ。

とってもご機嫌なのか、喉をゴロゴロ鳴らしてる。



「 にゃんこだぁ~ ぶり(すごい)可愛い~ 連れてきたん?」

「 違う。勝手について来ちゃったんだ。鞄に入ってたから、一度出したんだけど、僕が忘れ物に気づいて取りに行ってる間にまた入ったみたいなんだ。……不覚だったよ」

「 ほうなん( そうなん )」


このにゃんこ、よっぽど拓人さんの事好きなんだな。勝手について来ちゃうくらい。

でも、拓人さんは迷惑そうだ。


「 おにゃんこさん。頼むから、帰ってくれ! 理緒に迎えにこさせるから」

「 んな~ 」

「 嫌じゃないよ! 遊びに行くんじゃないんだ! 昨日も話しただろ」

「 んな~んななん」

「 あのねぇ」



拓人さんは、にゃんこと本気で、やり取りしてるけど、すごく目立ってるんだよね。周りの人が何事かと見てるんだよ。


拓人さん、いっそのこと連れて行こうよ。俺は、そう言おうとしたら、眼鏡をかけた男の人が声をかけてきた。


「 拓、外でもおにゃんこさんとケンカしょうるんか? (してるのか?)彼女にこれ以上恥かかせたくなかったら、はよ(早く)車に乗れや」

「 茂先生、お久しぶりです」

「 久しぶり、拓。挨拶はあとにして、早く車に乗れ」


そう促されて、拓人さんは茂兄さんの車七人乗りのミニバンに乗る。俺も続けて、車に乗り込んだ。

俺が乗り込むと、ミニバンは、広島へ向けて出発した。広島までは、高速道路を使って、数時間かかる。



「 改めて、お久しぶりです。茂先生」

「 久しぶり。ひなや瞳子さんから、話聞いた時は、嘘かと思うたけど、ほんま(本当)じゃったんじゃの。拓が夕陽の彼氏とはの」

「 ええまあ」


拓人さんと話している男の人は、ひなちゃんのお兄さんの服部茂さん。年齢は、俺の兄貴と同い年だ。


「 ねぇ、茂兄さんと拓人さんって、知り合い? 茂兄さんの事『先生』って呼んどるけど」

「 拓はの、オレが学生時代に家庭教師のアルバイトしとった時の教え子なんよ」

「 そうなん 」


茂兄さんと拓人さんの過去話を聞いてる間にも、車は、広島へ向けて進んでいた。 ちなみに、ひなちゃんは、ここ数日とある用事で、忙しくて疲れてるみたいで、拓人さんの飼い猫のおにゃんこさんと、一番後ろの座席で爆睡中だ。



「 …陽、おーい夕陽。着いたよ」

「 あれもう?」


隣に座っていた、拓人さんに、頬っぺたツンツンされて起きた。

降りる前に、寝てる間にぐちゃぐちゃになった髪と着ているグレーのワンピースを整えてから降りた。

先に降りた拓人さんが、スマホを見てにやけてるし。


なん見よん?」

「 おにゃんこさんと眠る夕陽」

「はあ? あ~ちょっと、いつの間に撮ったんね~、そんな間抜け面の写真なんか撮らんといてや~」


途中休憩の為に寄ったパーキングエリアで、復活したひなちゃんが、俺と拓人さんが、二人になれるようにって、一番後ろの座席を譲ってくれたんだ。

だけど、道中はしゃ過ぎたせいか、疲れた俺は、おにゃんこさんを抱えたまま、寝ちゃったんだよな。

その寝顔を拓人さんは、スマホで撮ったらしい。


「 その画像消してや。でないと口きかん」

「 え~ せっかく撮ったのになー」


拓人さんは、不満そうに言って消してた。

その時俺は、スマホから画像が消されたのを確認したはずだった。

けれど、俺の間抜け面画像は、ひなちゃんのスマホや拓人さんの家のパソコンに送られ何枚もキープされてる事を知るのは、後々の事だったりするのだった。

次がシリアスになりそうな感じなので、その前におばかな話にしてみました。

次からは、いよいよ病気の謎に迫ります。

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