三日目.16 洗髪
「さっきも説明した通り、お湯を作りたいんです」
「お湯など、厨房で沸かせば良いのではないかね?」
「もう少し言うと、お風呂に入りたいんです。この街には無いみたいですので、魔法でなんとかしたいなって思ったんです」
オラシオ先生は僕とマコがどれだけお風呂に入りたいと言ってもなかなか理解してもらえなかった。入浴に必要なお湯を厨房で用意してもらっても、冷めてしまえば全然追いつかないと思う。だから自分で作り出したかった。そうすれば魔力のある限り扱えるはずだと。
「お湯は判ったとしよう、では風は何に使うのかね?」
「風は飛行魔法を考えるのに、役に立つかなと思ったんです」
僕はレナトにお願いして粗紙を一枚貰うと、イカ型紙飛行機を作る。折り紙を知っているレイナとテクラは凄く楽しそうに見ているけど、他の人達は何をしているのか不思議そうだ。
「これは紙飛行機って言うんですけど、これを飛ばします」
一度目は直ぐに落ちてしまったけど、折り目をしっかりつけ直すと、今度はちゃんと飛んでくれた。もっと軽い紙だったら舞い上がるような紙飛行機も出来るけど、厚みがあるからこの形が一番飛んでくれると思う。
紙飛行機は数十秒滞空し、一〇メートルぐらいは飛んでくれたみたいだ。
「これを魔法を使ってもっと飛ばせるようにします」
――風よ運べ
高くは上がらないけど、紙飛行機は魔法の風に乗り、中庭を長い時間滑空してくれた。魔力を止めなければいつまでも飛んでいたかもしれない。
「人を乗せて飛ばすのに粗紙では無理ですけど、何か方法は無いかなと、試してみたかったんです」
テクラが興味を持ったみたいで、マコと一緒に僕の傍にやって来ていた。テクラに紙飛行機の投げ方を教えると、魔法を使わずに飛ばしてもらった。その紙飛行機をマコが追いかけていく。落ちてきた紙飛行機を掴むと、今度はマコからテクラに向かって飛ばし、テクラがそれを追いかけていく。
マコとテクラの飛ばし合いを見ていて、オラシオ先生に聞かれていたのをすっかり忘れていた。
「あ、えっと、こんな感じに飛ばせる事で、何か参考にならないかなと思ったんです」
「……それは既に飛行魔法ではないのかね?」
「これは紙飛行機が風を受けて浮いてるだけです。飛行と言うには上昇したり、旋回したり自由に動かせないと駄目だと思います」
僕が飛行魔法を考えるのは、マコが飛ぶ魔法を使えるようにアドバイスするため。ジェット機のような飛行魔法を思いつくわけもないけど、風を受けて飛ぶ方法なら何か思いつくかもしれない。マコはどんな風に飛びたいんだろう? やっぱり、箒かな?
マコに確認する前に、魔法を教えてもらったお礼を言っていない。オラシオ先生は毎日会えるけど、セベリアノさんは次いつ会えるかは聞いていない。
「すみません、お礼を言うのを忘れていました。オラシオ先生、セベリアノさん、魔法を教えて下さってありがとうございます。お陰でお湯も使えるようになりそうです」
「せ、先生、セベリアノさん、ありがとうございます!」
僕の声が聞こえていたのか、マコが紙飛行機を抱えて走って来て、ペコリとお礼をしてる。
「あ、あぁ、お礼には及ばない。我々で協力できることがあれば、なんでも相談してくれて構わない」
「……勿論だ。リョウマ様、マコト様のお話は最優先で聞かせていただくことを約束しよう」
「マコト様、いつでも治癒院へ来て下さいね。院の皆も喜びます。リョウマ様もよろしくね」
「リョウさん、マコさん、学舎はいつ使ってもらっても構いません。魔法や勉強されたい事があれば、ご自由にいらしてください」
それぞれの先生が、魔法術師の二人が、まるで初めて会ったかのように挨拶をしてくれる。
マコやテクラを見ても何も変わってない。レイナとノエリア、ベルタはちょっと戸惑ってるみたいだけど、セベロやレナトは見る目が完全に変わってしまっている。尊敬だけじゃなく、怯えてるみたいに見えるのは何故だろう?
「あの……僕がまた何かしたんでしょうか?」
これは演説をした後の気まずさだ。今回は誰もフォローしてくれないから、静まり返ってしまってる。
何が原因か判れば、謝るなり言葉を続ければ理解してもらえると思うんだけど、紙飛行機の話だろうか、それとも飛行魔法の事だろうか、まさかお風呂の話ではないと思う。
「……すみません、なんだか場にそぐわない事を言ってしまったようです。相談するのはもう少し話を纏めてからにしますね」
「ちょっ、ちょっとリョウマ様、帰るなんて言わないわよね⁉︎」
まだ魔力について教えて貰ってない!とカミラさんが訴えてきた。
そう言えば、先に魔法を教えて貰っていたから、魔力の話をしていなかった。どうしたものか……
「マコ、ゆっくりでいいから内臓の話出来る? 僕もフォローするから」
「何を話せば良いのかわからないよ」
突然話を振っても、僕の考えを全部理解なんて出来ないよなぁ。
僕が説明したいことは二つ。そのうち一つは内臓の役割と魔力が発生する仕組み、もう一つは今日買ってきたオイル等を使った美容について。前者は魔力を扱う人は聞きたいと思うし、後者は女の子達が聞きたがっていた。
「カミラさん、僕の実験に付き合ってくれたら、終わったらすぐに魔力についてお話します。どうでしょう?」
「リョウマ様、それはずるいわ。その実験がすぐに終わるものじゃ無かったら、ずっと待ちぼうけじゃない」
……何をするか説明してないから、カミラさんも返事は出来ない。それはそうだ。焦ったのかな、随分と空回りしてる気がする。
「すみません、説明不足でした。今日、レイナ達と買ってきたものがあるんです、それを試させて欲しいんです。失敗はないと思いますけど、テクラの髪をもっと綺麗にする実験、練習なんです。髪を何回か洗うだけなので、そんなに時間はかからないと思いますよ」
「髪を洗うの? 本当にそれだけかしら?」
まあいいわ、とおざなりだけど同意を貰えた。
今回はテクラやレイナにマッサージの仕方やリンスの作り方を教えて覚えてもらうのが大事だから、本人達で試す訳にはいかない。マコか誰かを被験者にするつもりだったけど、カミラさんが居てくれて良かったとも言える。
一度教室に戻ると、レイナには買ってきたものを広げて準備と、ベルタには桶と手拭いを幾つか持ってきてもらうようにお願いした。マコには僕の助手を、ノエリアにはレイナと一緒に見た事を記録して貰うようにお願いした。テクラは文字を書くのが遅いから見学係だ。
男性達は何か話し合っているようだし、あまり興味はないと思うから見学はご自由にとだけ言ってある。
「普段自分がしているようなことをされるのは、なんだか怖いわね」
「カミラさんも実験をするんですか?」
背凭れのある椅子に深く腰を掛けてもらって、後ろからカミラさんの髪を解していく。髪の長さは肩ほどで今のテクラと同じような長さで説明にも丁度いい。髪の色は濃い栗毛色で、大人の女性として手入れはしているみたいだけど、ミレイア先生ほど整えられてはいない。
「怪我をした人をどうやって治すのか、いつもの手順で本当に良いのか、今回は違う手順でしてみようか、って色々考えながら治療しているの。たまに治りが遅いこととかあるのは、許してもらっているわ」
「症状によって、治し方が違うのはこちらの世界も同じなんですね。テクラ、髪を洗う前には手で絡まりを解いて、その後にブラッシングをして、良く髪を梳いておくと良いよ。目に見えないような汚れでも梳いておくと浮き上がって汚れが落としやすくなるからね」
マコにオリーブオイルを取って貰うと、少し手に取り指に馴染ませる。オリーブオイルにはビタミンEが多く含まれてるから身体に良いらしい。
「全てが同じ魔法だけで元の状態に回復させられるのなら便利なんだけど、そうもいかないから治癒魔法術師と言っても経験が必要なのよね。若い子には血を見るのが駄目な子もいるから、けっこう大変よ」
「熟練の治療魔法術師って、響きは凄い格好いいですけど、それだけ色んな症状を見てるんでしょうね。僕は自分の痛みは我慢できても、人の痛みはなんか辛そうで見ていられないです。テクラ、二〜三週間とか、一ヶ月に一回で良いんだけど、余裕がある時にオリーブオイルを使って頭皮を指の腹で揉むように擦り付けるんだ。あんまり強くしなくていいからね。そうするとオリーブオイルに含まれてる栄養が頭皮に伝わって、髪がだんだん強くなる。おまけに汚れも落ちやすくなるよ」
テクラは僕の横に椅子置いて、その上に立って様子を見ている。時々手が揉むような動きをしているのは僕の真似をしているのかもしれない。
「マコ、水をお湯に出来る?」
「操水で溜めた水を、焚き火で温めたら良い?」
「そうだね。指を使ってもいいよ」
マコは機嫌良くはーいと応えると、左手で水を溜めよを発現させ、右手の操水を使って溢れないように移していく。五リットルぐらい移したぐらいで、右手の人差し指から焚き火を発現させてしまう。
いつの間にそんな器用なことが出来るようになっていたんだろう。水と火の魔法が片手で出せるのは、出来たら良いなと話したことはあったけど、既に出来るようになっていると思わなかった。僕も後で練習しよう。
少し待つと、右手の水の塊が湯気を出し始めている。マコは左手で水に指を当て、表面の温度で適温かをみているようだ。
「マコ、温め終わったら一度桶に入れて、手拭いを沈めておいて。あ、ちょっと熱めがいい」
「お兄様。今、マコ姉様は凄いことをしていませんか?」
「うん、こんなに使いこなしているなんて思わなかったよ。マコは凄いよね」
沈めた手拭いを搾り、蒸しタオルの代わりにしてカミラさんの髪に巻きつける。オイルが染み込みやすいように少しだけ待とう。
「カミラさん、熱くないですか?」
「……気持ちが良いわ。でも、何をしているのか後で教えてね」
「判ってますよ。ミレイア先生も見てくれていますから、確認して下さい。テクラ、これは蒸しタオルって、言ってマッサージした後に栄養を染み込ませやすくするためにするんだ」
さて、ここまでは準備段階だ。次は洗髪なんだけど――
「リョウさん、その蒸しタオルは熱いお湯じゃないと駄目かしら?」
「頭皮を柔らかくして汚れを浮かしやすくするためですから、熱いほうが良いです」
「そうなのね……ありがとう。邪魔してごめんなさい」
「僕も慣れているわけじゃないので、ゆっくりやりますから声をかけてもらうのはいつでも大丈夫です。カミラさん、髪はいつもどうやって洗っています?」
「…ぃ…っ……ょ」
はっきり言うカミラさんらしくない小さな声だ。聞き取れなかったので、もう一度お願いする。
「臭いが気になった時ぐらいよ!」
「ごめんなさい! えっと……そういう時は石鹸で洗っていますか? 何か他に薬草とか使っています?」
カミラさんは石鹸で洗った後は、薬草を漬け込んだお湯で洗い流すらしい。石鹸だけだと軋むので薬草のお湯だとブラシの通りは良くなるみたいだ。
「今から髪を洗いますけど、好みがあれば匂いを付けることも出来ます。マコ、並べてある植物油取ってくれる?」
カミラさんに匂いを嗅いでもらうと、ハーブを漬け込んだ物が選ばれた。ミントみたいなスッキリする匂いだ。これはレイナが選んだものだから、どんな植物なのか知らないけど、匂いだけだから大丈夫だろう。
「それじゃ、洗い流しますね。首を後ろに反らして下さい。マコもう一度お湯の準備よろしく。今度は多めにね」
机の上に桶を置き、髪の下に持って来る。多少低いけど洗い流したお湯を受け止めるだけだから余り気にしなくていいだろう。
カミラさんの顔に手拭いを乗せると、マコの指先からお湯がシャワーのように放出されてくる。湯を気にせずに使えるのってやっぱり良いなぁ。
「カミラさん、熱くないですか?」
「丁度いいわ。ねぇ……このお湯、粒になってるわよね。どうやってるの?」
「それも後からです。頭皮を揉んだあとはオイルを洗い流すので頭からかぶれるようにお湯の量は多く用意して下さい」
テクラ以外にも真剣に聞いてくれてるから、皆に向けて話した方が良いだろう。
説明は良いとして、シャワーの魔法、マコからみんなに教えて貰った方がいいのだろうか? 湯の使う量を考えたら、シャワーの方が当てたい所に当てやすいと思う。
「次は石鹸を泡立てて、髪を洗います。髪と言っても洗うのは頭皮です。さっきと同じように揉むように洗って頭についた皮脂を落とします。髪は石鹸の泡が流れるぐらいで十分汚れが落ちるので、直接洗わなくても大丈夫です。すすぐ時は石鹸が全部流れるまでしっかりすすがないと石鹸が残って、白い粉になるから気を付けて下さい」
マコから渡された固形の石鹸を泡立てると、いい香りがする。レイナに任せて買ってきてもらったけど、結構良いものかもしれない。
すすぎまで終わると、次はリンスを作る。石鹸はアルカリ性だから、そのままだと髪が軋んだままになってしまうので、酸性のレモンで中和させる必要がある、らしい。
「次はリンスを作ります。多分、これが一番大事になると思います。小さい桶にお湯を八分目ぐらいまで入れて……レイナごめん、レモンを薄く一切れ切ってもらえないかな? ありがとう。このレモンを搾って数滴混ぜます。レモンは石鹸で洗った後の軋みを防いでくれるので、忘れないようにして下さい。乾いた後はブラシを通しやすくなりますよ。後はお好みで香付けします。今回はハーブの浸した植物油を数滴……五滴ぐらいにしましょうか。匂いがキツイなら、量を減らして下さい」
桶から手でリンスを掬うと髪全体に馴染むように行き渡らせる。ハーブの匂いのお陰か、レモンの匂いは全然気にならない。お湯で薄まっているけど、これで効果があるのか。ちょっと不思議だ。
「後はもう一度髪を洗い流して、拭き上げたら終了です。髪を乾かすのは乱暴にしてしまうと髪を痛めてしまうので、弱い乾燥で良いかもしれません」
マコにシャワーを出して貰い、リンスを洗い流す。これもしっかりやった方が良いらしい。日本人の洗髪ってお湯を本当にたくさん使うな……
手拭いで髪を挟むようにして水分を拭き取ると、次は乾燥だ。お湯はマコが出してくれたので、乾燥ぐらいは自分でやろう。
「カミラさん、ちょっと魔法の実験してもいいですか?」
「もうここまで来たら好きにしていいわよ」
マコは水と火の両方の魔法を維持しながら使っていた。つまり、魔力は掌から先でも対象とする原素を選べるってことだ。
――焚き火
掌で火の魔法を発現させる。魔力を弱めて蝋燭より少し大きな火が出る程度だ。
――風よ運べ
今度は指先で風の魔法を発現させる。風にさらされると伝わる温度が低い。もう少し火の原素に魔力を注いで、蝋燭三本分ぐらいの炎にする。
今度は三〇センチメートルぐらいでも温かいと思えるぐらいの風になったので、ドライヤー代わりにするには良い温度になったと思う。
「髪を乾燥させるのに、温かい風を送っています。あまり熱いと折角ここまで手を入れたのが無駄になってしまうので、温かい程度で十分です。普通の風でも良いですよ。ただ洗髪の後はちゃんと髪を乾かして下さい」
カミラさんの髪を広げ、頭皮から順に乾かしていく。髪の長さがノエリア程あると大変だと思うけど、肩ぐらいまでならすぐだ。
そのままストレートにしても良いけど、母さんみたいにボブにしてみよう。好きにしていいって言ってたから怒られないと思う。熱を当ててもいいブラシがないから手櫛になってしまうけど、それっぽく見えたらいいかな?
カミラさんには髪の毛を先から一五センチメートルで猫……キャットみたいに手を丸めながら内側に引いてもらう。初めはぎこちなかったけど、何度かやって貰ううちに慣れてくれたらしい。それよりもツルツルになっていく髪が面白いらしく、温風を当ててないのに何度も梳いていた。
乾燥が終わったら温まってしまった髪を冷ますのに火の魔法を止め、風だけを送る。
最後はマコにブラシを借りて、髪を梳いていく。指の通りも良いし、他の植物油は使わなくても良かったかな。
「頭皮と髪が乾いたと思えば、温風は終わりです。最後は熱を取るのに風を当てました。これで洗髪は終わりです。後は髪の毛の先から順番にブラッシングをして髪型を整えたら終了ですね」
カミラさんの洗髪は凡そ八分刻ぐらいかかったけど、お湯の魔法、シャワーの魔法、ドライヤーの魔法がスムーズに出来る様になると、もっと短縮できると思う。
「ミレイア、私どんな風になってるの? 鏡は無いの?」
女の子達はカミラさんの髪を見て、可愛いとか素敵と言う声が聞こえて来る。カミラさんも気になったんだろう、ミレイア先生に詰め寄らんばかりだ。
「え、ええ。詰所にあるわ。行ってらっしゃい」
カミラさんはミントのような匂いを振りまきながら教室を出ていった。
「お湯を出せる魔法を聞いた理由がわかりましたわ」
「リョウさん、チキュウではこの洗髪は特別なのですか?」
「いえ、殆ど日常だと思います。詳しくはマコに聞いて貰った方が――」
「先生、わたしの場合は、シャンプーして、トリートメントして、コンディショナーです。髪が長いので、乾かすのはちょっと時間がかかります!」
マコの綺麗な黒髪はお婆ちゃん譲りらしいから、手入れには気を使ってるらしい。ドライシャンプーを嫌がったのも、いつもと違うことをするのが怖かったのかもしれない。結果は気に入ってくれたようだから、あれも悪くないと思う。ちゃんとお風呂に入れさえすれば、もっと快適なんだけど、次の問題はお湯に浸かれるかどうかだ。お風呂があればシャンプーセットを持ってきているはずだから、自前でリンスを用意する必要もない。
ミレイア先生にはマコの言葉の意味が良く判らなかったようで、一つずつ説明していた。探せばこの世界でも似たような素材を使って手入れできるようになると思うけど、トリートメントとコンディショナーの作り方なんてサッパリだ。石鹸で洗わないといけないかもしれないから、リンスの作り方は覚えてきたけど、これ以上は欲張りかな。
今度はマコを中心に洗髪の話が盛り上がってる。僕もここまでするのは初めてで緊張したから、少し休ませてもらえるのはありがたい。
その輪の中からノエリアが離れ、僕の所にやって来た。
「お、お兄様! わ、わたしもお願い――!」
ノエリアの言葉に被せるように、カミラさんの悲鳴のような声と、七の刻を告げる鐘が鳴った。




