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僕は君が嫌いだ。  作者: りっちゃん
3/9

君の名は・・・。

誤字・脱字があったらすみません。

多分、いやきっとばれていないだろう。


 僕が藤川颯太であることを―――。



    ■



 「君どうかしたの?」


 そのまま素通りしてくれたらどれだけありがたかったか。僕は複雑な心境を抱きながら軌塔を見上げた。

 僕は自分が藤川颯太であることがばれないように細心の注意をしながら話し始めた。


 「あのぅ・・・迷子になってしまって」


 ありのままを話す。


 「何処に行きたいの?」


 軌塔は聞き返す。


 「オーディション会場なのですが・・・」


 そう答えると軌塔は柔らかく微笑んだ。僕が今まで見たことのない笑顔というものだろうか・・・僕は軌塔に嫌われているので笑顔に動揺する。


 「俺もその会場に行く予定だったから連れて行ってあげるよ」


 そんな言葉をかけられても軌塔に苦手意識をもっている僕は。


 「行き方を教えてくれるだけで大丈夫ですから・・・」


 と返答する。しかし軌塔は僕の手を掴んで歩き始めた。


 「一緒ならもう迷わないだろ?」


 そう言うと僕の手を引きながら会場の場所まで連れてきてくれた。


 「もう・・・もう大丈夫だから・・・」


 僕は身長が小さい。軌塔とは歩幅が違うので早歩きするしかなく息があがっていた。

 その声に軌塔は気づき、少しすまなそうな顔をした。


 「ごめん。大丈夫だった?」


 「うん・・・」


 僕が知っている軌塔と天と地ほどに違いに内心驚きを隠せない僕に軌塔は質問してきた。


 

 「俺の事覚えてる?」


 「?」


 突然の質問。


 「俺!君にハンカチ借りたんだ!」


 なぜか顔を赤らめる軌塔。

 そのせいか手に力がはいっていた。


 「痛い・・・」


 「ごめん!」


 そう言うと軌塔は慌てて手を放す。


 ハンカチ・・・ハンカチ・・・女装・・・ハンカチ・・・あぁ。


 「覚えてる・・・軌塔泣いてた」


 それは単に遊びのつもりだった・・・と後に『S科』の全クラスメイトに謝罪された日の出来事だった。


 「颯太は女装したら可愛いかもな」


 クラスメイトの何気ない一言が大事件の引き金になった日。僕はクラスメイト達に乗せられ女子用の制服を着てカツラを被せられ、化粧までされた。

 あまりの恥ずかしさに教室を脱走している最中に男子生徒を見かけた。その生徒はなぜか泣いているようで、女装をしていることを忘れて僕は声をかけてしまった。

 よく見ると泣いていた男子生徒は軌塔だったことに驚いたことを覚えている。


 問題はその後だった。

 軌塔に驚いた僕は走り去る最中、階段を踏み外し転げながら転倒。そして色々な所を骨折+αで3カ月入院した。

 転げて大怪我したせいかすっつかりそんなこと忘れてたことに気づく。+αの事で最近ずっと落ち込んでたものだから仕方ないよね。


 1人思考を完結させると目の前の軌塔がハンカチをさし出していた。


 「あの時は・・・ありがとう」


 僕は少し躊躇しながらハンカチを受け取る。


 「こちらこそ・・・ありがとう」


 そう言って僕は立ち去ろうとする。しかし軌塔の手が僕の腕を掴みそれを遮る。


 「君!名前は?」


 僕は少し考えて答える。


 

 『かなで』


 そう答えると軌塔は微笑んでこう言った。


 「オーディション頑張れよ!」


 その笑顔を見て僕は赤面する。

 

 答えは簡単。


 かっこよかったからだ。


 「ありがとう」


 そう言って僕は凛の所まで猛ダッシュした。






 「おかえり颯ちゃん・・・・?どうかしたの?」


 僕は顔を赤面させ答えた。


 「軌塔に会ったよ」


 その時の凛の顔は絶対零度の表情をした。


 「そう。胸くそ悪いわね」


 そう言うと再度自分の写真を見始める。


 

 ばれてはいけない。



 僕が藤川颯太であることを・・・。

いつになったらほのぼのラブになるのやら。


修正しました→偽名のほうを。

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