先生の意地悪。
恋愛感たっぷりですね(笑)
バレンタイン。
2月14日。
君に想いを伝えたい...なんて
願ったりするけれどそんなの無理なのは分かってる。
「はい、あげる。」
「まじで?くれんの?」
「うん、先生のために...ね。」
「ありがとー!」
「いーえ。」
そんな単純な話をして終わるんだ。
現実のバレンタインは。
告白して付き合えました!
なーんてことは私にはありえないんだ。
ただなんの偶然か、今日は一緒に帰れちゃったり。
そんな偶然に勇気をもらってみる。
「...先生はバレンタインのお返しとかくれる...?」
「んーあげるけど...。」
「じゃあさ...アドちょーだい♪」
私がずっと聞けなかった言葉。
先生は絶対に嫌だっていうと思って聞けなかった言葉。
ドキドキしながら私は先生を見て言った。
「それだけ?」
「へ?」
思いがけない返事に戸惑う。
「いや、別にあげるけど。
塾やめてからでよければ。」
「じゃあちょーだい。」
「わかった。」
そういって返事をしてくれた先生。
「んじゃ、ばいばい。」
「ば、ばいばい...。」
少し動揺しながらも先生の後ろ姿を見て
歩きだす。
「...え?」
信じられなくて。
いいよって言われると思ってなくて。
手で顔を覆う。
「...うわー・・・。」
歩きながらも密かに言葉を漏らす。
いつまでその状態で歩いたことだろう。
人気が少ない道に入った瞬間、
気が抜けて小さく笑いだす。
「あはははは...。」
周りの人には聞こえないくらいの小さな声で。
「なんだろ...これ...。ははっ...。」
頬にはあたたかい何かが零れていた。
「嬉し泣きってあるんだなぁー・・・。」
そういいながらも涙は止まらなくて。
ただひたすらに笑いながら泣いていた。
先生は分かんないだろうけど
好きな人の一言でこんなにも幸せになれるんだよ。
"いいよ"なんていうちっぽけな言葉一言で
泣けちゃうんだ。
あーあ、やっぱ先生が好きだなぁ。
立場上無理だってみんな言うけど
諦めたくないよ。
どんなに可能性がなくても
頑張りたいんだ。
努力なんて私が一番嫌いなことなのに。
先生はやっぱ意地悪だね。
私が嫌いなことをさせるなんて。
でも頑張るよ。
先生のために...。
はは(笑)
これはノンフィクションだったりなかったり(笑)