かなしい竜は罪だろう。
湖には、竜がいました。
忘却は罪だろう
たとえばかなしい竜がいたとして。
湖の竜はともだちをみつけた。
にんげんのともだちだった。
くる日もくる日もあそんだ。
けれどともだちは来なくなった。
あたらしいともだちを見つけたから。
竜はともだちをいつまでもまった。
いつまでもいつまでも。
ある日竜は力つきた。
竜がすむ湖に 竜はなみだをながした。
友達は長い間竜を忘れた。
ある日竜に会いに行った。
でも もう竜はいなかった。
やがて 友達も死んだ。
湖のうえには 竜とともだちのおもいでが。
友だちがわすれたすべてを 竜がつつんで。
やがて湖もしずむ。
忘却のなかに。
罪だろうか
かなしい竜がいたことは
この作品のもとになっているのは、『Puff, the magic dragon』(パフ)という曲です。
実際の歌詞は、竜は海の近くにすんでいます。
パフという名の魔法の竜は人間の友達と遊び、その子が来なくなると、かなしみに暮れ、最後は自分のすみかに帰るという内容です。
こちらの曲は、ピーター・ポール & マリーというアメリカのフォークソンググループによる楽曲です。1960年代からアメリカや日本で知られたグループです。
『Puff, the magic dragon』は、日本では童謡として知られています。
この曲のCD付きの絵本が出版されたり、過去にCMでも使用されたことがありました。
出典: Peter, Paul and Mary『Puff, the magic dragon』
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