第五章─反則?
さて、今回でとりあえず元の世界とはおわかれです
ようやくって感じですかね?
「つまり、条件が良かったから、僕を計画に参加させ、能力を与えた、と」
『そういうことだね』
「では…拒否権は?」
『無い、とは言わないけど、拒否したら、ずっとこの何も無い空間だよ?
死ぬまで、なんて甘い事は無い、だって君はもう死んでいるんだからね』
勝手だ…
「…了解しました、行かない選択肢は無いんでしょうしね
それじゃ、多分ここでの最後の質問です、これは興味みたいなものなので、答えても答えなくても結構です」
『なんだい?』
「その計画の目的はなんですか?」
『…そうだね、さっきも言った通り、マルクトは人が増えすぎた、
そこで、神達は、多すぎる人間を、滅亡しかけの世界に移して、バランスを取らせればいいのでは?
ってことになったんだ。
だけど、いきなり大量に動かすわけには行かない、
移民した人間がちゃんとやっていけるか分からないからね』
「それで、試験的に僕を送る、と」
『そういうこと、これが上手く行けば、移民もできるし、
そうすれば、世界も救われるしね』
「分かりました」
『あと、君に行ってもらう世界は、さっきも言ったけど、魔物が増えた世界、アルフヘイムだ
その世界で、君には生活を送ってもらうんだ』
「なぜアルフヘイムなんですか?別に、えっと、コクマーでも構わないのでは?」
『別にそれでもいいんだけど、氷河期の世界に行きたいのかい?』
「アルフヘイムでお願いします」
当然である、誰が氷河期なんかに望んで行くものか
『ま、そりゃそうだよね。
あと、アルフヘイムでは、ただ生活するだけじゃなくて、やって欲しい事があるんだよ』
「やってほしいこと?」
『うん、アルフヘイムには魔物が増えたせいで、人類滅亡の危機、って言ったでしょ?』
「ええ」
『だから、その魔物を狩ったりしてほしいんだよ
計画が完了する前に滅亡しちゃったらどうしようもないでしょ』
それはそうだ
「分かりました、けど、僕にそんな魔物なんか狩れるんですか?」
はっきり言って、自信など皆無だ
『まあ、普通の人間には無理だね、だからアルフヘイムのエルフ達は滅亡しかけてるんだからね』
「エルフ?」
『ああ、言ってなかったっけ?
アルフヘイムにはエルフって人種がいてね、っていうかエルフしかいないんだけどさ
特徴としては、耳が長くて、長寿で、魔術が使える種族だよ』
「まんまエルフですね…」
『ん?ああ、そうか、マルクトでのゲームとかで出てくるか、そういえば』
「ええ、教えてもらった情報そのままですよ」
『そりゃそうだよ、そういうのを作った人達は、異世界からの情報を無意識に受けて思いつくんだからさ』
「そうなんですか?」
『うん、シンってのは発信が強い人と受信が強い人がいてね、
そういうファンタジーみたいなものを書いてる人は、受信派が多いね』
「へぇー」
『ま、そんな感じで、魔物ってのは強いんだ、エルフでも勝て無いくらいにね』
「そんなやつらに僕が勝てるんですか?」
『うん、むしろ余裕、
さっきも言った通り、君には神の力が宿っているんだよ?それだけでも十分最強だよ
それにね、シンってのは、人間の力を勝手に抑えたりする、厄介者でさ、
君達の世界みたいにシンが大量だと、本来の力の1万分の1も発揮できないんだよ
そんな中できみは普通に生活を送っていたんだよ?
そんな人間が、シンがほとんど発されない世界にいったらさ、いままで発揮できなかった
1万分の9999が発揮できるようになるわけさ。最強だろう?』
「もはやそれは最強じゃなくて、チートって言うと思います」
『まあ、そうなんだけど、あ、プラス、もう二つチートをつけておいたから』
「?なんですか?」
『普通、魔法ってのはエルフかハーフエルフしか使えないんだけどさ、
君は人間なのにも関わらす使えるから、魔法』
「本気でチートじゃないですか…」
『ていうか、魔法に限らなくとも、ぶっちゃけ頭で考えた事、大半はできるようになるよ』
「もうチートのレベルすら超えた…」
『あと、魔力なんだけど、…分かりやすく言うとMPね』
「オーディンってゲーム好きですよね?」
『うん、大好き』
「やっぱりですか…」
『ま、それはさておき、MPは、普通のエルフが1だとすると、君は3万5千くらいだから』
「そこまでいくと、むしろ清々しいですね…」
『ちなみにエルフの魔力でも、それなりの魔法を30発は余裕で打てるから』
「エルフがすでにチート!?」
『それに、刀の才能も神レベルにしておいた』
「最強っていうか…もう反則ですね」
『ま、そんなわけで、君が魔物にやられる心配は無いよ』
「それは分かりましたけど…」
『あ、あと、君のお友達、響君だっけ?彼も一緒に送るから』
「へ?なんであいつまで?」
『ほら、君の死に彼も巻き込んじゃったじゃない?だからさ、彼も君と同じように、
何も無い空間にいるんだよ、だから、代理で別の神、ヴィリとヴェーってのを送って、説明してるから
さっき彼も承諾したらしいしね、』
「…またあいつと一緒なのか…」
『ありゃ?落胆?喜ぶかと思ったのに、
まあ、君の意思はともかく、そろそろ時間だから、はい、これ刀
それじゃ行ってらっしゃーい』
そう言って僕に渡されたのは、一振りの刀だった
それを受け取った瞬間、僕の意識は、再び無くなった
さて、チート要素が主人公に追加されたことで、次回より悠と響の異世界での生活スタートです!
そんなわけでコメントプリーズ!