第二章─終焉?
まだまだ物語ははじまりません
それで、そんなこんなあって、あれから響と別れて、
別れて、別れて…
「…なんでいる」
「なんでいるって言われてもな…それはこの地球に生を受けたからであって…」
「僕が言っているのはそんな根本的な事でも原始的な事でもない!
…僕は今から家に入るつもりなんだが?」
「うん、そりゃそうだろ、見りゃ嫌でも分かる」
「そこに何故お前があたかも当然かの様に付いてきているのかきいているんだ」
「いや、そりゃ悠んの家に今から行くからだけど?」
当たり前だろ?と悪びれる風もなく言う響…少しは悪びれろ
「はあ…別にそれ自体は構わないけどよ…いつもいつも急なんだよお前は…」
「ああ、それに関しては俺も悪いと思って無いよ」
「いや思ってる思って無いじゃなく…って思ってねえの!?」
「思うわけがないだろ?全く相変わらず悠は俺の事を理解してないな、いいかげんにしろよ?」
「あ、うんごめん…ってなんで僕が謝らされてるんだよ!」
ついノリで謝っちまったじゃねえか!
「まあまあ、いいじゃん。で?結局行っていいんだな?」
「いや、まあいいけどよ…」
「よし、決まり!それじゃ行くか!」
「なんでお前が主導権握ってるんだよ…」
「うるせえな…全くカッターの替刃20本セットで投げつけるぞ?」
「怖っ!てか20本って!どこでそんなの売ってるんだよ!」
「いや案外売ってるもんだよ?ダ○ソーとかに」
「マジか!?怖っ!」
「まあとにかく投げつけられたくなかったら余計なことを言わなーい」
「あ、はい…ってだからなんで僕が下みたいになってるんだよ!」
こいつはこいつでなんか上から目線だし
「とにかく行くぞー」
「いや、って言うかお前が先に行っても家の鍵無いだろうに」
「ああ、それなら大丈夫だ…えっと、ほら」
とかなんとか言って、僕に何かを突き出してきた……オイ
「なんで僕の家の鍵をお前が持ってるんだよ…!」
「何でって…合鍵?」
「いやいやいや、なんでお前が僕の家の合鍵を持っているんだよ!」
「何でって…作ったから?」
「いやいやいやいや、なんでお前が合鍵を作れるんだよ!!」
「何でって…俺が作れるわけないだろ。まあ、業者に頼んだから?」
「いやいやいやいやいや、なんでお前が合鍵を作るために必要なマスターキーを持ってるんだよ!!!」
「何でって…先月パクったから?」
「鍵がなくなってたのはそのせいか!!!
そのせいで僕がどれだけ探す羽目になったと思ってるんだよ!」
「そんなものは知らん!」
「知らん!っておまっ……はぁ…もういいから返せよ、それ」
「やだ」
…即答だった
「だってこれがなかったらお前の家に盗みに入れ無いじゃん」
「盗み…って!オイ!最近なんか部屋が片付いた気がしたらお前の所為か!あれは!」
「あれ?気づいてなかったの?」
「当たり前だ!ってか少しは悪びれろ!」
「やだ」
そして即答
「…はぁ…もういいよ
とりあえず合鍵にはやるからさ、マスターの方返せ」
「しゃーねえなあ、ったくほらよ」
とかなんとか言って僕に鍵を投げてきた
…だからなんでお前はそんなに上から目線なんだよ…!
「ま、そんなわけで早く入ろうぜー」
「だからなんで勝手に入ろうとするんだよ…」
「ま、気にしない、気にしない」
と、その瞬間、つまり響がドアノブに手を掛け、ドアを開けた瞬間だった
目の前が強烈な光で覆われた、いや、正確には目の前だけでは無い
僕の体も、響の体も、全てに例外なく、光が襲っていた
そして、それは一瞬だった。もしくは一瞬ではなかったのかもしれない
どちらにせよ、僕にそれを確認する術はもう無い
…なぜなら、僕、霧島悠と言う存在は、この世界に別れを告げていたからである
次回より、ようやくスタートしそうな予感、
果たしてどうなることやら