第十九章─紹介?
さて、紹介、なんてタイトルですが、まあ、前回の続きですね。
では、どうぞ
アニルにガレル、よし、覚えた。こっちに来てしばらくしてから分かった事だけど、どうやら知能の方でも能力は上がっているらしい。
こんなかんじで覚えたい、と思った事は一瞬で覚えられるし、基本的に忘れないんだと思う。まあ、これもまた便利な能力だな。
さて、次は
「えー、次にスタル」
呼ばれて出てきたのはこれまた小柄の男だった。その上猫背なのでさらに小さく見える。
「…スタル=カルム…よろしく」
………え?終わり?
「スタルは内気でしてね、あまり人と話したがらないんですよ。」
なるほど、まあ、そういうこともあるだろう、しかしこの部隊は本当に個性派揃いだな。
「スタルの代わりに説明させていただきますと、彼は召喚、という特殊な技術を使います。」
「召喚?」
なんかこれも元の世界で良く聴いた言葉だが、同じようなものなのだろうか?
「ええ、簡単に言うと、魔物や、精霊などと契約して、召喚する、そういう技術です。
今では若干廃れ気味にありますので、彼は貴重な召喚士なのですよ。」
なるほどね…まあ、了解だ
「では、次にクラウム…はいないのですか?」
不在かよ!規律も無いのな、この部隊。
「はあ…全く、まあ、いいです、彼とはどうせ近いうちに会うことになるでしょうしね。」
近いうちに会う?どういうことだろう?
まあ、いいか、とくに気にしなくても会えるとのことだし。
「それでは、次に私たち、といいましても先程までで分かっておられるとは思いますが、
私はルー=ケルヴィン、武器は剣、特技は剣術と思考を練る事です。一応この部隊の隊長ですが、まあ、特に価値のある肩書きではありませんので、気にしないで下さい。」
おいおい…隊長がんなこと言って良いのかよ…ていうかもうちょい威張れよ
ま、やりやすいからいいけども。
「んじゃ、オレはデュオ=ルータルだ、武器は斧、特技は怪力、何気に副隊長だぜ。」
あれ?そうだったのか?あーでもまあ、ある程度の実力が無ければ試練なんか持たないか。
まあ、こんなわけでとりあえず僕達以外の近衛騎士については分かった。
クラウムって人がどんな人なのかは気になるけど、まあ、どうせいつか会うわけだし、今は良いだろう。
「では、最後に私がこの近衛騎士隊の主…のようなもののシャルライン=エル=アスタナシアです。
私の隊では、基本的に自由を信条としていますので、私かルーに許可を取れば、基本的に何をして頂いても結構です。
当然、この隊や、国に危害が加わるような事は許可しませんが、他の事なら大抵は大丈夫です。
まあ、そんなわけですので、これから、大変だとは思いますが、頑張って下さい。
では、私は仕事がありますので、城へ帰ります。」
そう言い残して身を翻したシャル
いまさらの事だが、世話になりっぱなしだな、僕達。
「さて、それでは、姫様も帰られましたので、これにて解散。
あ、ユウさん、ヒビキさん、それにアニルは残ってください。」
ん?なんだろう?
「お2人は、この塔について、御存知ないでしょう?なので、その説明を頼みます。」
「えーなんでアタシがー?
自分でやればいいじゃん」
思いっきり気だるそうな態度で応えるアニル。やる気ねえっていうか、組織としてそれどうなんだよ…
「私もそうしたいところではあるのですがね、何分、近衛騎士隊長ともなりますと、中間管理職としての仕事が多いのですよ。
それとも、あなたが代わりにやりますか?アニル?」
「うっ…それは勘弁…はぁ…しょうがないなぁ、分かったわよ、やればいいんでしょ、やれば。」
心底嫌そうに答えてるけど…そんなに大変なのか?その仕事って
「ええ、物分りが良くて助かります。見かけによらず、大人ですねえ」
「だからちっちゃい言うな!」
…新発見、ルーさんは人の扱いが上手い。んで、若干性格が悪い。
「やっぱ悠と似てるよな…」
「おい、どういう意味だよ」
僕があんな性格だと言いたいのか?
「いや、なんと言うか、自覚はねえのかもしれねえけどよ、たまに悠、すっげえ怖い時あるからな。」
「…まじで?」
「まじで。」
…気をつけよう。
「ま、そんなわけで、適当にこの塔について、説明しておいて下さい。
それが終わったら自由にして頂いて結構ですので。」
「ハイハイ、了解しましたよー」
やっぱりだるそうに言う、アニルだった。
さてさて、そんなわけで、今現在の登場すべき人物は全員、一人不在でしたが、紹介させて頂きました。
まあ、キャラクターも数が増えてくると分からなくなってくると思いますので、只今、絶賛キャラクター表を製作中です。キャラクター一覧プラス、各キャラの簡単なプロフィールも書いていく予定ですので、そちらも、乞う御期待です。