ふぁすげーげんみ× SSそのさん
SS3つ目!
突然生まれました。理由は不明。
SS1,2のその先。捏造しました。
みんなはあんまり出ません。
最近気づいたことがある。というよりは自覚することにした、と言った方が正しいか。
柏木双葉を主犯とする一連の事件の後処理がようやく済み、警察組織の運営は安定しつつある。そんな中、俺含む元・斑目班は未だ捜査一課に籍を置いていた。これだけでも十分おかしな話だが、まぁまだいい。問題は何故か俺が班長までやることになって、事態収束まで忙殺されていたこと。
いや、仕方がないのは分かっている。捜査一課も大きな被害を受けたからね。「いなくなった」のは斑目慶次だけではなかったという簡単な話。複数の班が統廃合され、新たに班が組まれた。まぁその代表例が元DAP達なわけだけど。目立つ彼らに隠れるように、ひっそりと班を構成し直したのが我々元・斑目班。今まで以上に堂々と一課を仕切るようになった黒田君がそう采配したのは意外だったけど、こちらとしては動きやすくてありがたかった。……まぁ意外でもないか。
なんにせよ、問題は単に忙殺されたせいで余裕がなかった、とこれに尽きる。それもようやく一息つける段階になった。事件は収束、元・斑目班の今後も安定、広角君とも話したいことは話せた。ここからは通常運行。
そのはずだった。
身体が熱い。疲労の蓄積はもちろんあるんだろうけどそんな意味ではなく、不必要な熱が内側にずっとある。
自覚することさえ億劫な、できるものなら「分からないもの」として囲っておきたいなにか。
こんなにも、ただただ「イライラする」とはいつぶりのことか。
そう、気づいた。斑目慶次が死んだと聞いたその瞬間から、缶航平はずっとキレている。斑目を殺したDAPなぞ本当に心底どうでもいい。もちろん感謝はしているが。
曰く、「ふざけるなよ斑目慶次」と。
気づかず本部を離れた自分たちにも、気づくのが遅かった黒田君にももちろんムカつくけどね。仲間だのなんだの言ってた割に、自分のことになった途端に何にも頼らず為す術もなく敵の手中に落ちたとか。笑えないにも程がある。
どこの誰に言う意味も必要も一切なく、なんらかの原動力になる訳でもない死者への怒り。ただ「熱」という形で残ったそれは今のところ消えそうにない。事態直後の虚無感も、後処理中の感情を置いていく忙殺具合も消えた今、熱を誤魔化す方法さえない。
しばらくは熱い日々が続くのだろう。嫌気が差す。
横から声がかかる。
「あの……缶さん?」
青凪はおずおずと名前を呼び、続きを言いあぐねている。ただ、その態度と目線はこちらへの心配やら恐怖やらを如実に物語っていた。あの人がいなくなった今、青凪は周囲の変化に鋭敏になりすぎている。
……当面は、班員にこの熱が気づかれないようにしないとね。
あの人みたく支配されただとかではないが、自分が怒りに飲まれて機嫌が悪いなど、普段から考えればありえないことだ。不安がらせるだけだろう。
「あついね」
軽くワイシャツで扇ぐようにすれば、温度下げてきますっ、と声を残して青凪はエアコンの操作盤へと向かっていった。
「ほとぎ暑いの〜? お茶飲む?」
「いらない」
「え〜」
「運動して汗をかけばさっぱりするぞ!」
「さらに暑くなるのが先でしょそれ」
……全く暑苦しい。
まぁもちろん、この熱よりはマシだけど。
さて、君らに気づかれるのはいつになるだろうね。気づかれるまでか熱が消えるまで、あの人のことでも追ってやろうか。
黒田君にはもう気づかれるかな。広角君は……気づけるようになったら上々。元DAPは多分気づかないでしょ。
自覚の後、男は熱を燻らせて嗤う。
これが単なる男自身の変化なのか、なにかに巻き込まれたのかはまた別の話。
ひどいおわりかたになっちゃった……
NOMELON NOLEMONの「焦熱」を聞いてください。




