第三話 異世界でお祭りだ!③
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アンナから逃げてきたエイドは、ある人物に会うために森の奥に進んだ。俺のスキル人物探索に間違いがなければある人物はこの森の先にいるはずだ。人物探索は、一度会ったことのある人の居場所が、頭の中に流れ込んでくるスキルだ。しかし欠点もある。1日に一度しか使えないことだが、有効性が高い為エイドはよく使用している。
「まだつかないのか?人物探索は間違ってないはずだぞ。」
いや、ここはただの森じゃない。この世界の大物である初代勇者が住んでいるんだ。すぐに見つけられる場所に家を構えるはずがない。俺なら初代勇者の立場に立ったらどうするか...。そうだ!結界だ!俺が勇者に与えた加護は結界の加護だ!つまりなんらかの結界を張っているんだ!
「そうとわかれば簡単だ!スキル消滅で、その結界を消滅させればいい!」
エイドはそう言うと、スキル消滅を発動させた。つぎの瞬間、目の前に神転輪に似たようなゲートが出現した。しかし神転輪は金色だ。このゲートは赤色だ。つまり、
「別次元へ通じるゲートか、この魔法は神話級の魔法、俺の結界の加護の力だな。やはり初代勇者か、」
さあて!文句を言いに行こうか!初代勇者アイゼル=ロッドにな!!
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俺の目の前には若々しい青年が、土下座をしている。俺は無意識的に人の悪い笑みを浮かべていた。何があったのかというと...。それは1時間前まで遡る。
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「へー。ここがゲートの中か、幻想的だな。」
エイドは神界で美しい景色をたくさん見てきたが、それらに負けない美しさだ。カラフルな花が均等に植えられていて、全てがキラキラ輝いている。そんな幻想的な風景の道を歩いていると一軒の家が見えてきた。鍵は...かかってない。入っても良かったが,やはり不法侵入してしまったと言う罪悪感に浸りたくなかったから少し待ってみることにした。10分ほど待っていてもこない。いい加減腹が立って
「おいゴラ!いい加減出てこい!いるのはわかってるんだよ!」
と、ドアを蹴りでぶち壊して侵入した。するとドアの前に腰を抜かして座っている男の姿があった。するとその青年は
「申し訳ありません!どうかお許しを!エイド様!」
と言って土下座した。
そうして今に至る。
「え?あ、え?お前が...初代勇者アイゼル=ロッド?」
「は、はい...。」
エイドは困惑した。目の前にいる男はどう見てもお爺さんに見えないからだ。エイドは、
「なんで土下座してるかは置いておいて、なんで若い姿のままなの?あんた、もっとおじさんでしょ。年齢的に。」
目の前の男、ロッドは少し驚いた顔をして
「エイド様も昔と変わらぬ姿じゃないですか。それと同じですよ。」
と言った。エイドは、めちゃくちゃ驚いて
「え!?お前、次元生命体になったのか!?」
エイドが驚いたのは次元生命体になったロッドではなく、どうやって次元生命体になったのか、その方法だ。エイドが知っている中で、人間のような物質生命体から、次元生命体になった人を見たことがないからだ。
「この空間で過ごしていると、不思議と体が造り替えられていく感覚に襲われることがたまにあるのです。そして気がついたら、エイド様が仰った次元生命体とやらになっていたと言うわけです。私も今の今まで私が成った種族のことは知りませんでしたが、」
なるほど、理解はできたが,納得はできない。恐らく俺が与えた加護の力もあるんだろうと言うことにしておいた。
「で、よ。お前さ...。」
俺の顔を後代に伝えるなよ!と言う前に予想外の言葉によって遮られた。
「断罪はお待ちください!魔王を倒しきれていないことはアンナの責任ではありません!私がケジメをつけるので、どうかお待ちを...!」
「え?あ、魔王を倒しきれていなかったってマジなの?」
「はい。本当です。あの時の私では魔王を相手に互角の戦いを繰り広げておりましたが徐々に劣勢になり、MPとSPを使い果たす前に結界で無限結界に閉じ込めました。しかし、私の力量が足らず、封印にも時間制限ができてしまいました。魔王を封印した直後は鑑定をするSPもなく、倒しきれたと錯覚していました。神界の方達が帰って約十年後に2代目勇者によってわかりました。情けない話です。その場にいた人には口止めしたのですがね、」
「待ってつまり、お前がその魔王を殺す力が今はもうないから俺に任せると?」
俺がそう尋ねると、ロッドは首を縦に振った。最悪だ...。せっかくの休暇が...。しかし、全世界の調和者として、見逃せない事態だ。
「お前、俺がここに来ることをわかって居留守使ってたが、誰かに聞いたのか?」
「ミカエル様のお告げです。『じきにエイド様がそちらに向かわれる。イヤイヤでもやってくれるはずだから事情を話せ。』と仰っていました。」
ミカエルゥゥゥゥゥゥ!!お前、帰ったら絶対に締める...!
「ミカエルは動けないのか?」
「ミカエル様は今別世界の戦争の後始末に出向いております。この世界に来ることはできないと思います。」
うわ、そうだ。あいつも調和者だから世界を正しい方向へ導かないといけないんだった。
「わかった。俺がこの世界に関与しすぎると俺のエネルギーに耐えられず崩壊する可能性もあるから。ミカエルがやったことを俺がやるか、」
「アンナに、エイド様直々にご教授するのですか!」
キラキラした目でエイドを見てくるが、ロッドはもう
「勇者って先代の力を継承しながら戦うんだろ?お前に与えた加護もかなりの力を後代の勇者に継承したろ。俺はお前に教えれないぜ。」
また結界の加護を再付与すれば良いだけなのだが、教える相手が1人と2人では効率の違いがありすぎる。と、自分を納得させた。本当は与えるのが面倒なだけなんだが...。
「俺は5日後にまたここにくる。結界は壊しちゃったから後でスキル巻き戻しで5日後に壊れるようにするな」
「わかりました。その5日間でエイド様は何を?」
「そんなの決まってるじゃないか!せっかく神の仕事から解放されたんだぞ!?ここにきた目的はせっかく仕事の合間にできた休暇を楽しむことなんだよ!」
俺は心の中で
(ちっ、なんで魔王如きが俺の邪魔をするんだよ。こうなったら徹底的アンナを鍛え上げて魔王を殺させる!!)
エイドは少し落ち着いて
「ちなみに、魔王の封印が解かれるのはいつ?」
と尋ねた。ロッドは少し考えて
「恐らく14日後でしょうか、」
「よし、わかった。5日後にまたくる。その時までにアンナもここに連れてくるように。」
そう言ってエイドは瞬間移動でその場から街の入り口まで移動した。
「5日後までに祭りを楽しむか...。」
と言い残し、エイドは街の人混みの中に姿を消した。
次元生命体とは、原始や分子で構成されている物質生命体ではなく、自身の意思に合わせてその形を変化させられる生命体のこと。




