第二話 異世界でお祭りだ!②
街に降り立ったエイドは想像以上の街の賑やかさに驚いた。
『この世界は初めてだな。いやー、楽しそうだ!』
エイドは、この世界には一度も来たことがないのである。
(確か、ミカエルが来たことあるとかなんとか...)
あぁ、そうそう。情報や噂話を集めるのに1番役立つのは冒険者ギルドとか酒場とかだっていってたな。そうと決まれば!
↓
うん、気まずい。無事に酒場に着いたわけだけど、周りには冒険者パーティーやら酔っ払ったオッサンどもが楽しく話しているが,俺の周りには誰もいない。話し相手がいねーじゃねえか!くっ、このスキルは罪悪感しかないけど仕方ない!スキル盗聴発動!
(なぁ、最近の話なんだが,昔勇者、アイゼル=ロッドが魔王を倒したじゃんか。その魔王って倒されたんじゃなくて封印されたらしく、その封印が弱まってきているらしいぞ!)
(そんなバカなwそんなことなんてないさ。今の馬鹿騒ぎを見てみろよ!魔王討伐記念祭だぜ?討伐されたから今の祭りがあるんだろうが!)
エイドは考えた。
(そんなバカな。この世界担当のミカエルが直々に育てた勇者だぞ?そんな撃ち漏らしみたいなことがあるか?いやわからない。あくまで噂話だ。気にとられていてはせっかくの休暇が台無しになる。)
『あのー、あの!聞いてますか!?』
『うわ!誰だよ!』
エイドが前を見ると赤色の髪色をした20代半ばの美しい女性が立っていた。その女性は
『この前の席、座ってもいいですかって聞いてるんですよ!』
『あぁすまん。少し考え事をしていて気付かなくて...』
く、また悪い癖が出てしまった。すぐに謝ってしまう。
『もちろん座ってもいいよ。』
『あ、ありがと、』
『なんて呼べばいいかな?名前を教えてくれないか?俺の名前はシュンだよ。』
エイドはこちらの世界の神話にもなっている為日本人だった頃の名前を使う。一応エイドはこの女性の名前を聞いておく。もしエイドの勘が外れていなければこの女性は...。突如、3枚の結界が張られた。エイドはスキル鑑定を使う。鑑定結果は防音結界、スキル使用不可結界、視認阻害結界らしい。やはりこのような高等結界を張れるのはいつの時代も1人しかいない。頼む、外れていてくれ!
『ここから話すことは機密情報です、が、私も名乗らねば失礼に当たりますからね。私の名前はアイゼル=アンナ。第5代目、つまり当代の勇者です!』
グワァァォァ!最悪だ!なんでよりにもよって勇者が!しかもミカエルが教えた勇者の5代目が!俺の席の椅子に座ってくるんだよ!待って、もしかしたらバレるかも...。ミカエルが昔、初代勇者に加護を与えてくれとか言って神界に連れてきた時に顔を見られている!
『また考え事ですか?一応聞きますけど、神、とかではないですよね?』
ギクッ!いや、平常心。平常心。ここで焦ってはダメだ!焦ったら俺が神ってことがバレてしまう。
『いやいやw神が、こんな酒場に来るとでも?そんなことあるわけないでしょ!』
来てるんだけどねぇ!
『そうかもしれませんが,しかし初代勇者、ひいお爺様が言っていた神様の容姿がまさにあなたそっくりなんですよ。仕事中だったから顔はあまり見れなかったらしいですが』
初代勇者!!何をしてるんだよ!て言うかよりにもよって仕事中かよ!仕事中は没頭しすぎて周りが一切見えないんだよ!
『さっきも言ったけど、神がこんな酒場に来るわけないだろ。て言うか神様が休暇だとしてもたくさんある世界のうちのこの世界に来るか?』
『この世界の他に別世界があることは国家機密ですよ。なぜあなたが知っているのですか?』
しまったッ!失言だった!かくなる上は...
『スキル、スキル消滅!存在秘匿!認識阻害!スキル使用不可!瞬間移動!同時併用使用!』
次の瞬間、3枚の結界が消滅する!勇者はやはりこの突然の状況でも冷静にスキルを発動させようとする。が、スキル使用不可によりスキルの使用が出来なくなる。
『じゃあな!スキルは1分後ぐらいには使えるようになると思うぜ?俺を見つけようなんて思うんじゃねーぞ!』
次の瞬間、エイドは瞬間移動によって、その場から離れる。瞬間移動先は街の入り口だ。
『まちなさ...!』
何か言いかけていたがエイドにとっては些細なことだ。そうして、エイドは街の入り口に戻ってきた。
『あぶな、予め座標を調べといてよかったぜ。認識阻害のスキルも発動させたし、もう会うことはないだろ。俺は厄介ごとには巻き込まれたくないんでね。せっかくの休暇が台無しになる。』
そう言うと、この騒ぎの戦犯のある人物に会いに行くことにした。
スキル同時併用は、理論上不可能ですがそこは、ほら、神のルール改変ですよ...。




