Reflected
水面に全部色がうつった
いつも眺めていた景色が今
荒波をたてて歪ます
朽ち果てた小舟を移動手段として
漕ぎ出して揺られる
振り返ってもそこは青いだけで
無邪気に笑う悪戯が過ぎたよう
眩暈がしそうな目の前は
どこをどう行けばいいのかも分からず
帆先を合わせた目的地も
遠くに伸びた
捻れた動かない時
指にそっと冷えた水が触れる
そういえば掠めて消えた
あの小さな声は
強く手を引きたいがために
発せられたのかな
ほんの少しだけ進んでいる
どれだけ時間が過ぎたとしても
うつるものは見ることしかできない