表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第7章 勇者と魔王
90/317

12話 勇者様と魔王の目的

 次の『終焉の魔物』の出現が半年後


 つまりそれはジオ様の寿命があと半年という事を意味する。


「そんな・・・あと半年だなんて・・・」


 


「・・・そこで相談だが・・・お前たちにとっても悪い話ではない」


「勇者への頼み事・・・ですか?」


「そうだ。先ほども言ったように今から半年後に『終焉の魔物』が出現する。 だが、『終焉の魔物』が現れても討伐しないでくれないか?」


「それは!どういう事ですか?」


「『終焉の魔物』は世界中の人間を殺し尽くす。それはこの世界から人間がいなくなるまで終わらない。だが、お前たち二人なら、『終焉の魔物』から逃げ続ける事が出来るのではないか?」


「戦わずに逃げ続けると・・・どうなるというのですか?」


「『終焉の魔物』は殺した人間の魔力を吸収して活動を続けるが、世界中の人間を殺し尽くしてしまえば魔力が補充できなくなりやがて消滅する。お前たち二人はそれまで逃げ続ければいい」


「あなたも、そうするのですか?」


「そうだ!この世界にはくだらない人間が増え過ぎた!下等な人間どもを一掃し、我々だけの世界を作るのだ。ララ、お前と勇者は新しい世界にふさわしい人間だ。共に新世界を作ろうではないか!」


「ふざけないでください!」


「この世界に死んでもいい人間なんて一人もいません。全ての人に生きる権利があるんです。あなたの考えは傲慢です」


「ふふっ、確かにそうかもしれん。だが本当にそれでいいのか?」


「お前は、『勇者』と『世界』のどちらかを選べと言われたら『勇者』を切り捨てると言うのだな?」


「っ! それは・・・」


 私は・・・どうしたいんだろう?


「お前の母親はなりふり構わず『勇者』だけを求めたぞ? 『世界』も、娘であるお前の事も切り捨ててな。 もっとも、それでも失敗したがな」


 私だって!一番大切なのはジオ様だ!それは間違いない!

 でも、だからと言って他の人たちも切り捨てられない。




「私は・・・両方救います!『勇者様』も、『世界中の人々』も全てを助ける方法を見つけだします!」


「はっはっはっ! 強欲だなお前は? そんな事が本当に可能だと思うのか?」

「どんなに不可能に思える事でも、絶対に解決策はあるはずです!私は最後まであきらめません!」



「交渉は決裂だな。まあいい、今回は諦めるとしよう」


「待って下さい! あなたは、あなたたちは、お母さんは何者なんですか?」


「交渉が決裂した以上、答える義務はない」




 その言葉を最後に、『魔王』の姿はすぅっと透き通り、消えてしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ