7話 勇者の弟子と異国の食べ物
魔王探索は聖女ミアさんがパーティーに加わって5人で行く事になった。
王宮から外に出た私たちは王都の町を歩いていた。
「わあ!嗅いだ事の無いおいしそうなにおいがたくさん漂ってます!」
鼻の利く私は異国のおいしそうな食べ物のにおいをいくつも嗅ぎ取っていた。
「ちょうどお腹も空いたし、何か食べて行こうよ!」
セナ様が提案してくれた。
「私、あそこのお店がいいです!」
さっきから一番おいしそうな臭いを漂わせているお店を指さした。
「さすがですね、この王都でも一番と評判のお店ですよ」
ミアさんも勧めてくれたので、私たちはその店に入る事にした。
「わあ!すごい賑わってますね!」
店に入ると結構混雑していた。
私たちは何とか席に着くと料理を注文した。
私がなるべく色々な料理を見たかったのでみんなそれぞれ別の料理を注文してもらった。
料理がテーブルに届くとそれぞれの料理からおいしそうなにおいが漂ってきた。
「「「「「いただきます!」」」」」
私は自分の料理を一口食べた。
「うわー!おいっしい!」
初めての味覚だった。
いくつかの知らない香辛料が含まれている。
それらが絶妙に影響しあって、不思議な味を作り出していた。
私は頭の中で使われている香辛料の風味と種類を分析する。
(後で香辛料をお店で探してみよう)
「ララ、俺のも少し食べてみるか?」
ジオ様が自分の料理を少し切り分けてくれた。
「ジオ様!ありがとうございます。私のもどうぞ!」
テーブルマナー的にはあまり好ましくないのだが、私とジオ様はあまり気にしていない。
ジオ様からもらった料理も絶品だった。
「おいしいです! 帰ったら早速再現してみますね」
「ああ、ララが作るともっといしくなるだろうから楽しみにしている」
「はい!ジオ様のために頑張ります!」
そんなやりとりをしている私たちをミアさんが眺めていた。
「お二人は恋人同士なんですか?」
ずっと私たちのやり取りを眺めていたミアさんが聞いてきた。
「そっ!それは・・・」
そういえば、お互いの気持ちは確かめ合ったけど、明確に恋人になるとは言ってなかったような?
「ララは俺にとって一番大切な人だ」
(ジオ様!?)
「まぁ!はっきり認められるんですね」
ミア様は驚きながらも微笑んでいる。
「ではジオ様、ララさんと世界のどちらか一つを選ばなければいけなくなったら、あなたはどちらを選びますか?」
(ミアさん!?なんて質問を!)
ジオ様は無言だ。
(ジオ様、何て答えるんだろう? いや、聞きたくない!)
「ふふっ、やっぱり答えられませんよね? ごめんなさい。仲のいい二人がうらやましくて、つい意地悪な質問をしてしまいました」
その時、店の入り口の方で騒ぎが始まった。




