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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第5章 魔法士講座
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9話 勇者の弟子と救助活動

 女性は山の向こうの村から逃げてきたという。


「村が魔物に襲われています。助けて下さい」


 女性は助けを求めて馬で山を越えてきたが、途中で馬が力尽き、そこから山の中を走ってここまでたどり着いたらしい。


「魔物は何体ぐらいですか?」

「中級の魔物が3~4体はいました。村には簡素な城壁がありますが長くはもちません」


「私が行ってきます。みんなは戻ってこの事をミト先生と騎士団に伝えて下さい」

「中級の魔物相手にララ一人でどうするのよ?」

「様子を見てくるだけだよ。危なくなったら逃げるから」

「ララは逃げるなんてできないよね? 襲われてる人がいたら」


「とにかく、一刻を争うから行くよ!」


「あ!待ってよ!ララ! えっ!もう見えない!?」




 私は、女の人が教えてくれた方角に走りだした。


(中級の魔物4体程度なら一人で何とかなる)


 今回は偽装した『附加装備』を付けている。

 よほどの事が無ければ対処可能だ。

 それよりも人命の方が大事だ。


 附加装備のブーツの最大加速で森の中を駆け抜ける。


 今の私は馬の速度よりもはるかに速い。

 女の人が来た時間より速く着けるはずだ。




 山の中を30分ぐらい走り、峠を越えて下りに入ると谷あいの村が見えてきた。

 村の入り口では谷に作られた城門のところに魔物が集まっていた。


 よく見るとまさに城門が破壊されるところだ。


「急がなきゃ!」



 私は城門に向かって谷を一気に駆け下りた。


 谷間の道は狭く、中級の魔物は一列に並んでひしめき合っていた。


 先頭は『山羊頭』だ。


「『山羊頭』の魔結晶はうなじね!」


 私は谷を駆け下りながら、弓矢を構える。


 矢は破壊力強化型の対魔物用の矢だ。


 ヒュン!


 『山羊頭』の上からうなじを狙って矢を放つ。


 矢はうなじに命中し、山羊頭のうなじは粉砕して魔結晶があらわになった。


「よし!命中!」


 私はそのまま山羊頭の背中に飛び降りつつ、レイピアを抜いて『山羊頭』の魔結晶を切り落とした。


 ズゥゥゥゥゥゥゥン!!!


 魔結晶を失った山羊頭は轟音を立てて地面に倒れた。



「どうした!何が起きたんだ!」


 城門を守っていた自警団の人たちが混乱している。


「応援に来ました!私が時間を稼ぎますから、今のうちに城門を補強して下さい!」


「応援ってお嬢ちゃん一人かい?」

「女の子が一人で中級を倒したってのか?そんな馬鹿な?なにものなんだあの子は?」

「いや、もしかして例の勇者パーティーの女剣士じゃないのか?」

「ばかいえ!噂の剣士は巨乳のエルフって話だぞ!」

「ああ、確かにそうだな、人違いか?」


「ああ!もぅ!そんな事はどうでもいいですから!早く城門をお願いします!」



(レィア様!噂がおかしな事になってるんですけど!)


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