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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第5章 魔法士講座
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5話 勇者の弟子と討伐実習

「今度魔法講座で魔物討伐の実習があるんです」


 夕食を食べながらジオ様とお話をする。

 私にとっては一日のご褒美みたいな時間だ。


「前に剣術講座でやったのと同じような物か?」


「そうですね。それで、私も護衛役も兼ねて参加する事になりました」


「また、前みたいな事にならないといいが・・・俺もララの護衛として同行しようか?」


「護衛に護衛つけてどうするんですか? ジオ様が私の事を大事にしてくれるのはうれしいですけど、過保護すぎです」


 この前からジオ様の過保護ぶりが増してる気がする。

 師匠って弟子をだんだん突き放すものじゃないのかな?

 突き放されるのもやだけど。


「今回は念のため『附加装備』を偽装して装備して行こうかと思います」


「それなら大丈夫か」


 『附加装備』使用時の私はすでに剣技だけならジオ様やゼト様と近いレベルになっている。

 中級の魔物が現れても一人で討伐可能だ。


 前回の『魔力封じ』は人間の精神に作用して魔力を使えなくするものだったので、『附加装備』は問題なく使えるとの事だった。


「だが最近は前例のない事例が増えている。注意は怠るなよ」


「はい、わかってます」




 魔法講座では翌日の討伐実習の説明を行なっていた。


「今回の討伐実習ではララ先生他数名の剣士の方々が一緒に同行して下さいます。基本的に魔物の討伐を魔法士が単身で行う事は有りません。剣士の方と連携して討伐します」


「剣士2名、魔法士2名でパーティを構成して実習を行います」


 私はルナと、同じく中級魔法士のレン、剣術の教官の4名でパーティーを組むことになった。

 剣術の教官は、以前剣術講座の討伐実習の時にも一緒だった教官だ。


「ララ君、あの時は助かった。今回も微力ながら手伝わせてもらうよ」

「いえ先生、こちらこそよろしくお願いします」


 ミト先生が実習の説明を始めた。


「魔法士の実習ですので、剣士の方々はあくまでもサポートと護衛に徹してもらいます。あなた方魔法士がメインで魔物を討伐して下さい」


「パーティーの魔法士2名は攻撃担当と防御・回復担当など役割をあらかじめ考えておくように!」


 この講座は全員が中級魔法士だ。


 この国では中級の魔力量を持つものは必ずこの学院などの魔法士講座を受講する事が義務付けられている。


 この講座で一定の魔法制御技術を身に着けると『中級魔法士』の資格が与えられ、魔法に関する仕事につくことができる。


 13歳以上で中級の魔力量を持つ者は『中級魔法士』の資格をとるまで身柄を拘束される。

 暴発や犯罪の危険があるからだ。


 冒険者のケイさんはおそらく13歳までに自力で『中級魔法士』を取得したのだろう。




「ララと一緒に討伐実習に行けるなんて思わなかったよ」


 レンが話しかけてきた。

 レンは基本教室のクラスメートだ。

 講座が別だったので、教室以外で顔を合わせるのは初めてだ。


 クラスの男子たちは私と話をする時は舞い上がってしまって落ち着きが無いのだが、レンはわりと冷静に接してくれるので話しやすい。


「先日の剣士講座の一件があったから実施訓練は不安だったんだけど、ララと一緒なら安心だよ」

「私はサポートだからね!いざという時以外は助けないよ」

「いざという時は頼りにしてます」


「レン、役割分担だけど、わたしが攻撃担当で、レンが防御担当でいいかな?」


 ルナがレンに話しかけた。


「ああそれでいいよ。僕は防御魔法や結界魔法の方が得意だし」

「うん、レンの防御魔法は強力だから頼りにしてるよ」


(ルナとレンって仲が良いんだな)


 昔の友達と今の友達が話してるのってちょっと不思議な感覚だ。


「私は前衛で壁として魔物と食い止めるから、その間に魔法を発動してね」

「了解! 僕もララみたいに速く魔法陣が描けたらいいんだけどね」

「それは練習するしかないんじゃないかな?」


「わたしはだいぶ速くなったよ。ララを目標に猛練習したからね!」

「すごいじゃないルナ!明日が楽しみね!」




 私は友達とのたわいもない会話を楽しんだ。


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