14話 勇者様と性欲
ジオ様から、私が男性の体になって愛し合う事を提案された!
それはちょうど私も同じ事を思いついたところで、奇しくも同時にジオ様も同じ事を考えていたらしい。
「ジオ様?・・・ジオ様は、それもありなんですか?」
「折角女性の体になれたのだから、ララが経験した事は俺も出来るだけ体感したいと以前から考えていた」
「私もです!ジオ様が私と愛し合ってる時ってどんな風に感じてるんだろうって、ずっと気になっていたんです!」
私とジオ様はおかしな話で共感して盛り上がってしまった。
「でも、ジオ様は大丈夫なんですか?男としての尊厳とかそういうのってやっぱりあるんじゃないでしょうか?」
「確かに全く無い訳ではなかった。だが、赤ん坊になった時点で尊厳などと言っている状況ではなくなっていたし、さらに女性の体になって、妊娠、出産まで経験した時点で男の尊厳など意味が無くなっている」
そうだよね・・・ジオ様が赤ちゃんの時は散々赤ちゃん扱いしちゃったもんね。
「それに、このところ毎日のララとの行為に、この体の性欲が次第に強くなってしまって・・・・・恥ずかしい話なのだが、女性として男性と関係を持ちたいという衝動に苛まされていたのだ」
あのジオ様がこれほど強い欲求を抱く様になったなんて!
かつては勇者の特性で精神防御が強すぎて、あらゆる事に感情が動かなかったジオ様が、こんなに自分の要求を持つ様になったのは・・・やっぱり私の影響なのかな?
「それって、やっぱり私の・・・『強欲の魔女』の影響を受けているって事なのかな?」
「それはあるかもしれんな。明らかにララと出会ってから、自分の欲求を満たしたいという衝動が強くなった気がする」
「あはは・・・やっぱりそうですよね?」
『魔女』って周りに対してそういう効果も発してたりするものなのかな?
今までの『強欲の魔女』の人生の中ではあまり意識した事は無かったけど・・・
でも『魔女』として覚醒した後にここまで誰かと親密に過ごした事って今までなかったから気が付かなかっただけなのかもしれないね。
もしかしたら『魔女』が覚醒後は孤独を好むのはそういう理由もあるのかもしれない。
「ただ、この女性の体になってからというもの、『強欲』というよりは、どちらかというと『色欲』が強くなっている気がするのだが・・・気のせいだろうか?」
「それは私も感じてました!時々自分が『強欲の魔女』じゃなくて『色欲の魔女』なんじゃないかなって思う時があります!」
まあ『色欲の魔女』が私とは別に存在しているのは間違いないんだけど・・・
「そうだな、以前のララは今ほど性欲が強くは無かった気がする」
「・・・すみません・・・なんか、淫乱な女になってしまって・・・」
「いや!悪い意味ではないのだ!・・・その・・・俺も淫乱になってしまって、ララを求めて我慢できなくなる事があるのだ・・・それどころかシンにまでそれを求める様になってしまった」
「私もです!私もジオ様だけでなくシンにまで性欲を感じてしまいました・・・でも、わたしがそういう感情を持っているのは今のところジオ様とシンだけです!」
「俺もそうだ。ララとシン以外には何も感じていない」
「それって・・・つまり、私もジオ様も、本気で愛している相手にだけ性欲を感じてるって事でしょうか?」
「・・・そうだな・・・俺は、ララだけでなく、シンの事も友人という関係以上に愛しているという事なのかもしれないな」
ついに!ジオ様がシンとの関係を認めたよ!
「それって、シンも同じようにジオ様を愛してるんでしょうか?」
「ああ、はっきりと聞いたわけではないが、お互いにそうだろうと察し合っていたと思う」
「・・・・・もしかして、男同士の時からですよね?」
「・・・そうだ・・・あのハプニングがあった時に、それは確信に変わった」
やっぱりそうだよね?
同性どうしても普通はあそこ同士が触れるなんて気持ち悪い!ってなるはずだもの!
あの時の二人は、嫌悪感どころか、驚きの中にほんの少し喜びを感じている様にも見えてたからね!
それって心が惹かれ合っている証拠だよ!
「・・・すまない、ララの好きになった相手を横取りする様な事になってしまった・・・この事はララには隠し通すつもりだったのだが・・・」
「何言ってるんですか!そんなのお互い様じゃないですか!っていうかそもそも私だって浮気してるわけだし!むしろこれで対等な関係になれました!」
「対等な関係?」
「そうですよ!私とジオ様とシンは、それぞれが他の二人を愛している完璧な三角関係になれたんです!」
「完璧な三角関係か・・・この帝国ではそれもありなのだな?」
「帝国じゃなくったって、人を愛する事が悪い事であるはずがありません!」
・・・思わず力説しちゃったけど・・・これって完全に『色欲の魔女』の考え方だよね?
やっぱり、ジオ様だけでなく私も何かしら『色欲の魔女』の影響を受けている気がする。
・・・これってどういう事なんだろう?
現在に『色欲の魔女』が誕生していて、意外と私たちの身近にいたりするなんて事は・・・まさかね?




