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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第14章 大河の女王
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8話 勇者の弟子と女王の一夜

 宴の後は、お風呂の用意が出来ているというので、浴場に向かった。


 浴場は男女に分かれていたのだけど、ジオ様が自然な流れでシンと一緒に男風呂の方に向かったので慌てて連れ戻した!


「ジオ様!ジオ様は女風呂ですよ!」


「ああそうか、シンとはいつも一緒に風呂に入っていたから気が付かなかった」


「俺もだ、そういえばジオ殿は今は女性の体だったな」


 ・・・二人とも・・・確信犯じゃないよね?


 この二人、男性同士の時もちょっと親密すぎるんじゃないかと思ってたけど、今は体が男女だからね!

 うっかりしたら、私より先にジオ様がシンの子供を妊娠しちゃうんじゃないかって心配しちゃうよ!


「女性の体のジオ殿にも興味があったが、今日は女風呂の方に入るといい」


「シン!まさか!」


「ははっ、冗談だよ」


 ・・・冗談に聞こえなかったんですけど!




 お風呂で体をきれいにした後は、いよいよシス女王の寝室へ向かった。


 シス女王は毎晩数人の妃の相手をしているそうだけど、今晩の相手は私一人だけにすると言っていた。


「ララ様、どうぞお入りください。陛下がお待ちです」


 女王の寝室の前では一人の女性が待機していて、私を案内してくれた。

 落ち着いた雰囲気のきれいな人で、確か女王の妃の一人だったんじゃないかな?


 こういうのって普通は侍女がするものだと思うけど?・・・


 気にせず中に入ると女王はすでに全裸でベッドに寝そべっていた。


「よく来てくれた!ララ殿!今宵は目いっぱい楽しもうではないか!さあ、ララ殿も服を脱ぎ捨ててこちらへ!」


 女王の肌の色は褐色だが、この大陸の人の中では比較的白い方だ。

 自ら戦場を駆け回ってるから傷跡はたくさん残っているが、それでも美しい体をしている。

 女の私から見てもドキッとする美しさなのだから、男性が見たらたまらないだろう?

 女王さえその気になれば相手は引く手あまたなんだろうけどね。


 ここまで来たら覚悟を決めるしかないよね?


 私もガウンを脱ぎ下着を脱ぎ捨てて全裸になった。


「おお!これは美しい!予想以上だ!」


 私の体を見て女王が目を見開いた。


「シス女王もお美しいです」


「ふふっ、さあ、こちらに来ておくれ」


 私はベッドの方に歩み寄り、女王の隣に身を横たえた。


 私は女王と見つめ合う。


「良いか?」


「はい」


 するとおもむろに、女王は私を抱き寄せて唇を重ねた。

 私の胸と女王の放漫な胸がお互いを押しつぶし合う。






 ・・・そして私は、目くるめく快楽の渦の中に沈んでいった・・・






「・・・最高だったぞ、ララ殿」


「・・・恐れ入ります・・・陛下」


「初めての夜に、我の技をの全てを受け切ったのはララ殿が初めてだ。さすが大聖女といったところか」


 ・・・そう、シス女王は様々な方法で私に快楽を与え続けたのだ。

 女性の体同士で、これほど無数に愛しあうための技があるのかといくらい、私の知らなかった方法で私を興奮させた。


 それも、どの技も単に快楽を呼び起こすだけでなく、ちゃんと女王の私への愛情が伝わってくるのだ。

 女王が単なる子作りの為だけでなく、私を本気で愛してくれている事をまさに肌で感じる事が出来き、それがなんとも心地よいのだ。


 そして、目くるめく快感の中で何とか気を失わずに正気を保っていられたのは、他ならぬ剣の修行で鍛えた精神力があってこそだった。


 とにかく、確かにここまでやったら女性同士でも本当に妊娠しちゃうんじゃないかってくらい、濃密に体を重ね合ったのだ!

 男性の頃のジオ様とだってここまで濃密にした事はなかった。


 早速あとでジオ様といろいろ試してみよう!



 ・・・でも、残念ながら、それでも私がシス女王の子供を妊娠する事はありえないのだ。



「すまなかったな、我のわがままに付き合ってくれて」


「いえ、まだダメと決まったわけでは・・・」


「いや、こんな事で万が一にも子を授かる事など無いというのはわかっておるのだ・・・ただ、この行き場のない憤りをこうやって紛らしているだけなのだ」


「シス女王・・・」


「ララ殿は自分の身を犠牲にしてでもジル殿の貞操を守りたかったのであろう?」


「それはっ!」


「隠さずとも我にはわかる。数多くのおなごを抱いてきた我は、おなごの匂いには敏感なのだ。ララ殿の体には隅の隅までジル殿の匂いが染みついておる。ジル殿に抱き上げられた時に嗅いだ匂いがララ殿の匂いであった事も今確信できた。二人は毎晩体を重ねる様な親密な関係なのだろう?」


 ・・・シス女王には全てお見通しだった。


「・・・・・はい・・・私とジルは深く愛し合っています」


「ふふっ、ついに白状しおった・・・・・・すまなかったな、こんな事をさせてしまって」


「いえ、自分で決めた事ですから、これで少しでもシス女王の気が紛れれば幸いです」


「いや、さすがに潮時かもしれん。今回の件が片付いたら、王配を設けて本気で世継ぎを作ろうと思う」


 王配っていうのは女王の夫って事だよね?

 嫌悪感を我慢して男性と子供を作ろうって事?


「そんな!、そこまで無理をしなくても」


「いや、我は無理をしなければいけない立場なのだ。今まで甘えすぎていた」


「・・・でも・・・」


「最後にララ殿を抱く事が出来て良かった。できればジル殿も抱きたかったがそれは贅沢というものだな」


「・・・シス女王・・・」


「ささっ、ララ殿はジル殿の元へ帰って今からでも愛し合うとよい。さすれば我もジル殿と間接的に愛し合った事になるからな」


「・・・わかりました」


「そうだ、帰る時に部屋の外にいるアヌに一声かけてくれぬか?」


「アヌというのは部屋の前にいたお妃様ですか?」


「そうだ、アヌは我の正室で幼馴染でな、毎晩、事が済んで眠りにつく時は必ずアヌに隣で寝てもらうのだ。我はそうしないと安眠できぬのだ」


「わかりました。お声がけしておきます」


 私は身なりを整えて女王の寝室を出た。


「お勤めご苦労様です」


 そこには両手を床につき頭を下げた姿勢でアヌが待機していた。


「女王があなたを待ってるよ。後はよろしくね」


「かしこまりました」


 アヌはそう言って寝室に入っていった。




 ・・・そっか・・・シス女王はアヌの事を一番愛してるんだね。


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