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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第14章 大河の女王
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3話 勇者の弟子と大河の国

「魔物の大群ですか?それは大変です!」


「今夜はララとジオ殿にゆっくり旅の話でも聞かせてもらおうと思っていたのだが、話は帰ってからでもいいだろうか?だが、時間がかかるかもしれないから、もし待てない様なら先に王国に帰っても構わない」


「何言ってるんですか!魔物の大群が出たのなら、私たちの仕事です!私達も同行します!」


「いや、旅から帰ったばかりで疲れている二人にそれは申し訳ない・・・それに二人のその姿・・・今夜は二人で夜を過ごすつもりだったのだろう?」


 シンがわたしとジオ様の姿を見て、少しだけ顔を赤らめ目を逸らした。



 ・・・そう、私は今夜、覚悟を決めていたので、勝負ネグリジェに勝負下着だったのだ!



 ・・・そして、その場に立ち会う事になっていたジオ様は、どのような格好でその場にいたらいいのか悩んだ結果、私の勝負ネグリジェと下着の予備を着てもらう事にしたのだ。


 いや、私一人が気合の入った格好で、ジオ様が落ち着いた格好で傍にいられてもなんだか変だし、私が勝負下着を着けるのに少し抵抗があって躊躇してたら、ジオ様が同じものを着ると言い出したのだ。


 お言葉に甘えて、一緒に勝負下着と勝負ネグリジェを着たのだけど・・・よく考えたらこれって・・・


「申し訳ない、二人のそんな姿を見たら思わず欲情してしまいそうだ。とにかく、今回は無理をしなくていい」


 って、シンってば、私とジオ様が女の子同士で夜の営みに励むつもりだと思ったって事だよね?

 ・・・そして、私はともかく、ジオ様の体にも欲情したって事?


「いや、俺たちもすぐに行く。すぐ着替えるから待たせる事は無い」


 ジオ様はそう言うと同時にネグリジェを脱ぎ捨てた。


 そして腰の下着に手をかけて、それを下げようとしていたのだ。


「わわっ!ジオ様、ここで脱いではだめです!」


 ジオ様は勇者の習性で、魔物が出た時の緊急対応のモードに入ってしまっていた。


「どうした?シンとは前にも裸を見せ合っているし、ここで着替えても問題無いだろう?」


「問題大ありですよ!ジオ様は今女の子の体なんですから!」


「・・・ああ、そうか」


 ジオ様がシンの方を見たので私も見たら、シンが顔を真っ赤にして目を逸らしていた。


 ジオ様は下着が半分脱げかかって、足の間から女の子の大事な部分が見えるか見えないかの際どい状態だった。


 ちなみに胸は、ネグリジェの下に何もつけていなかったので、私よりほんの少し大きい、かわいらしい膨らみが丸見えになっていた。


「わかった!俺は外で待っているから、準備が終わったら出て来てくれ!」


 シンはそう言うとそそくさと出て行ってしまった。



 ・・・今のって、どう見てもシンは私よりジオ様の方を意識してたよね?



 ・・・なんか私が完全に空気になっていた気がするんですけど!



 って、今はそんなこと気にしてる場合じゃなかったよ!

 一刻も早く行かないと魔物の被害が増大しちゃうよ!


 シンが部屋から出ていくと私も遠慮なくネグリジェと下着を脱ぎすてて全裸になった。


 隣では既に全裸になっていたジオ様が装備を取り出して装着し始めようとしているところだった。


 そう、ジオ様は純粋に勇者として行動していただけで、たまたま、そのタイミングでシンが居合わせていただけなのだ。


 私が変な嫉妬を感じている場合じゃなかった。

 私もジオ様に負けじと素早く装備を装着して、ジオ様と一緒に外に出た。


「早かったな、二人とも」


 私達があまりにもすぐに出てきたのでシンは驚いていた。


「ほう、ジオ殿は装備も一新したのか」


 そう、ジオ様は当分の間、女の子の姿で活動する事になりそうなので、勇者の装備をリニューアルしておいたのだ。


 基本は私の附加装備とおそろいの形状で、色が私のピンクと白を基調にしたデザインに対し、ジオ様の附加装備は以前の男性タイプと同じ、青と黒を基調としたデザインなのだ。


 ジオ様の長くてきれいな黒髪とマッチして、すごく落ち着いた印象にまとまっている。


 私のピンクと白を基調とした色合いは、もう少し年齢が上がるとちょっと着るのが恥ずかしいけど、私は大人になりきる直前の、ほんの少しだけ少女の雰囲気を残した外観で成長が止まってるからギリセーフかなって思ってる。


 まあ、既に子供を三人も産んでいて、どうかなって思う時もあるけど、見た目的に似合っていれば問題ないよね!


 ジオ様の剣はレイピアではなく、以前から愛用しているロングソードなので、今の体形で腰にさすと引きずってしまうので背中に背負っている。

 華奢な美少女がアンバランスな大剣を背中に背負ってるのってかっこいいよね。


「よく似合っているな」


 シンはさりげなくジオ様を褒めていた。


「そんな事より、魔物はどこに出たのだ」


「ああ、そうだ、この国より南東の大河の流れる国だ」


「あの女王のいる国ですね?」


 前に立ち寄った女王の治める国だ。


「そうだ、川の中から大量の魔物が上陸してきているらしい」


 また水中型の魔物だろうか?


「急いで行きましょう!魔動馬車を出します!」


「助かる、俺は兵に指示を出して、一緒に魔動馬車で先に行こう」


 シンは兵たちに指示を与えに戻った。


 すると、入れ違いでテンちゃんがやって来た。


「ララ様、竜になって運びましょうか?」


 確かに竜の姿のテンちゃんに乗って行けば、あっという間に大河の国に到着できる。


「ありがとう。でも、大勢の人が見ている前で竜の姿を見せる訳にはいかないからね。今回は魔動馬車で行くよ」


「わかりました、ではこの姿でお供します」


「うん、テンちゃんがいるといざという時助かるからね、お願いするよ」



 こうして私とジオ様、そしてテンちゃんの三人はシンと一緒に大河の国に魔物の討伐に向かう事になったのだ。


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