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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第14章 大河の女王
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1話 勇者の弟子と決心

第二部 第14章 開始します。

 魔法を使う時、黒目黒髪になる。


 魔法を無手順で発動できる。


 不老不死。




 ・・・ジオ様はこれら『魔女』の特徴をすべて満たしてしまった。




 さらに、一般的な魔法には存在しない時を操る魔法を使い事が出来る。


 これって、ジオ様が本当に魔女になってしまったって事なんだろうか?

 単に条件が一致しているだけで、勇者の能力の延長なのかもしれないけど・・・


 もう、元の姿に戻れないって事は無いよね?

 っていうか、本当に魔女になってしまったのなら性別や年齢は自在に変える事が出来るんだけどさっ!




「どうしたんだ?ララ」


 一人でパニクってる私を見てジオ様が不思議に思ったらしい。


「ジオ様!魔法を使う時、瞳が黒くなってました!」


「それは・・・どういう事だ?」


「つまり今のジオ様は魔女の特徴をすべて満たしているんです」


「そうなのか?・・・特に変わった感じは無いんだが?」


 ・・・女の子の体になって、年をとらなくなって、時を操る魔法が使える様になって・・・それだけでもう十二分に変わってるんですけど!


「赤んぼうの次は魔女になったって事か・・・だが、俺が俺である事に変わりは無い」


「それはそうですね、赤ちゃんのジオ様も、魔女のジオ様も、それぞれとても可愛くて愛おしい事に変わりは無いです」


「少なくとも赤ん坊のままでいるよりは都合がいい。当面はこのままでも構わない」


 ジオ様、最初は女性の体に戸惑ってたけど、すっかり今の体に馴染んでしまったみたい。


「元の体に戻る方法を一緒に考えましょう!」


「ああ、だが焦る必要も無いだろう」


 今のところ、私の魔法でも姿を変える事が出来ないし、ジオ様自身でも姿を変える事は出来ない。

 でも、もしジオ様が本当に魔女になったのだとしたら、いずれ能力が全て覚醒して、姿を変える事は出来るだろうし、魔女でなかったとしたら、何か元に戻す方法があるはずだ。


 まあ、確かに二人とも先は長いし、ゆっくり探していけばいい。


 ・・・問題は王国の人たちにどうやって報告するかだけどね。




「それよりもララ、これから帝国に行ってシンに会う事になるが、決心はついたのだろう?」


 ・・・やっぱり、ジオ様にも気づかれていたみたいだった。


「はい、決心というか、私がそうしたいっていうか・・・」


 そう、私は、ついにシンの子供を産む事を決心したのだ。


 ・・・というか、とにかく赤ちゃんが欲しい!


 ラルたちに会えなくなった心の隙間を埋めたくて仕方ないのだ!

 もちろんルルはいるけれど、たくさんの子供達に囲まれた生活がしたい!


 ジオ様と子作りが出来るなら今すぐにだってしたいけど、ジオ様が男性に戻っても大人になるまでにはまだ時間がかかりそうだし、シンの子供はいずれ生むつもりだったから、この機会にシンと子供を作る事を決心をしたのだ。


「ジオ様、勝手に決めてしまったけど、いいですか?」


「元々ララがシンの子供を産む事には賛成だった。俺の事は気にしなくていい」


「ごめんなさい。ジオ様」


「謝る必要はない。俺も自分で子供を産んでみてわかったのだが、自分の産んだ子供というのは本当に愛おしいものだ。もちろんララが産んだ子は、俺にとっては自分の子と同然だ。ラルの事もジルと同じ様に愛おしいと感じたし、シンの子も同じ様に愛せる自信がある」


「ジオ様・・・ありがとうございます」


 私もジルの事はルルやラルと同じくらい愛している。

 ジオ様も同じ考えでいてくれたのが本当に嬉しい。


「だが、それでもララに後ろめたさが残るというなら・・・俺も・・・ララと一緒にシンの子を産んでもいいのだぞ」


 そっか、今のジオ様ならシンの子供を身籠る事も出来るんだ!


 確かにジオ様も一緒にシンと関係を持って子供を授かるのなら、確かに私一人がジオ様以外の人と関係を持つ事への罪悪感は薄れる気がするし、この前みたいに二人で一緒に妊婦になって一緒に出産してくれるというのは本当に心強い・・・


 ・・・でも、ちょっと待って!


 何かちょっと変じゃない?


「ジオ様!ジオ様はシンと・・・その関係を持つ事に抵抗は無いのですか?」


「シンの事は信頼してるし、気を許せる数少ない友人だ。それにララが関係を持つ事を許容できる相手なら俺も関係を持つ事に抵抗はない」


 いや、待って!シンとジオ様は元々男同士だし・・・いや、男同士の時から親密すぎる雰囲気があったのだけど、いざ体が男女になった時に関係を持つ事に抵抗が無いって、それはどうなの?


 ・・・むしろジオ様がそれを望んでいるのではないかと勘繰ってしまう。


 まさかシンの方もそれを望んでたりして!


 しかも今のジオ様は私でも負けを認めそうになるくらいの絶世の美女なのだ。

 シンが普通に出会ったら恋に落ちてしまってもおかしくない。


 むしろ禁断の愛に目覚めていたかもしれない二人が、正常な恋に落ちてしまう可能性は十分にある。

 以前にも懸念していた、ジオ様とシンが恋に落ちて私が捨てられるという構図が実現してしまうかもしれない!


「やっぱり大丈夫です!シンの子供は私一人が産みます!ジオ様まで無理をする事はありません!」


 うん、今のジオ様とシンの関係がこれ以上親密にならない様にしないと、取り返しのつかない事になってしまう気がする。


「そうか、別に無理しているわけではないのだが?」


 無理してない!?・・・だとしたらなおさら問題じゃない!


 ジオ様にその気があるって事だよね?


「とにかく!今回は私だけがシンの子を身籠りますから、ジオ様まで付き合って頂かなくても大丈夫です!」


 なんかちょっときつ言い方になっちゃったかな?


 でも、ここで釘を刺しておかないと、歯止めが効かなくなって、取り返しのつかない事になってしまうかもしれないのだ!


「そうか・・・残念だが、ララがそこまで言うのなら諦めよう」


 ・・・って、ジオ様、今、残念って言いましたよね?

 実際ジオ様が少しがっかりしてる様にみえる。

 それって、やっぱりシンと関係を持ちたかったって事ですよね!


「はい、今回はジオ様は見守って頂けるだけで充分です」


「わかった。それでは以前取り決めた通り、ララがシンと子作りをする時に一緒に立ち会うだけにしておこう」




 あっ!そうだった。




 もしシンと関係を結ぶ日が来たとしても、ジオ様への愛は変わらない証として、その時にはジオ様にもその場に立ち会って欲しいと約束してたのだった。

 それもちょっとどうかとは思ってたんだけど、私のせめてもの誠意を示すつもりだったのだ。

 



 でも・・ジオ様が女性の体になった今となっては、少し意味合いが違ってしまうんじゃないのかな?


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