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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第12章 天空の竜
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5話 勇者の弟子とゲート探し

 第二階層の海底探索は順調に進んでいるのだが、第三階層へのゲートが中々見つからない。


「下側の海はほとんど調べ尽くしたから、今日はもう終わりにしよう。明日からは上側の海を探索するよ!」



 その日の迷宮探索を終えて、別荘に戻った。

 仕事を終えた後の一番の楽しみは、何と言っても赤ちゃん達の顔を見る事だよね!


「お帰りなさいませ、ララ様」


 いつも通り、シィラがラルをだっこしてお出迎えしてくれた。


 ・・・相変わらずラルだけ落ち着きが無いみたいだよ・・・


「ラルは元気そうだね、他の子たちは?」


「他の子たちはよく眠っております」


 私はシィラからラルを受け取った。


 ラルは嬉しそうにきゃっきゃと笑いながら私の顔をぺちぺちと叩いた。

 その動きと表情が何とも愛くるしいのだ!


 赤ちゃんって寝てる時の方が手がかからなくて楽だけど、やっぱり起きてる時の方がかわいいよね!

 とにかくラルってめちゃくちゃかわいいっ!


 ・・・って自分なんだけどさっ!


 ・・・でも、活発な赤ちゃんとは言っても、さすがに普通は生まれてからこの日数では、こんなには動かない。


「やっぱりこの子たち、生まれてからの成長も早いよね?」


「はい、神様の話では一定の年齢に達するまでは成長が早いそうです」


 この国では、全員がシングルマザーだからね。

 妊娠期間もそうだけど、赤ちゃんの手のかかる時期をできるだけ短く抑える様に神様が調整しているみたいなのだ。


「わたくしたちの子供は特に最短で成長するように設定しているとおっしゃってました」


「あんまり成長が早いと寿命が短くなっちゃうんじゃないの?」


「一定の年齢に達したら、逆に成長が遅くなるそうです」


 一応ちゃんと考えてあるんだ?


「シィラはここ最近は神様とずっと一緒にいるんだよね?」


「そうですね、このところ毎日来ていますから」


「神様は普段どんな感じなの?」


「普通に赤ちゃんのお世話をしたり可愛がったりしていますよ。まさに孫の世話をしてるおばあちゃんって感じです」


 ・・・見た目は子供なんだけどね。


「赤ちゃん達はどんな感じ?」


「すっかり神様になついているみたいですよ。神様は結構子供の扱いには慣れているみたいです」


 ・・・うーん、まあ、元々子供は好きなんだろうね。全国民の子供を一人で産ませてるくらいだし・・・

 私の赤ちゃん達がなついてるっていうのはちょっと微妙だけど・・・まあ、しかたないか。


 でも、完全に気を許すのはちょっと怖いかな?


「シィラ、神様の動向には注意を続けてね」


「はい、承知しております」


「魔物討伐までもう少しかかりそうだけど、それまでお願いね!」




 翌日は第二階層の上側の海の調査を始めた。


 上側の海の中は、下側の海と全く同じ雰囲気で、出没する魔物も同じだ。

 私とジオ様でウィンドブレードでサクサクと魔物を倒していく。


 ミラとレダもだいぶ水中戦に慣れてきたみたいで、水中でも安定して魔物を倒せる様になっていた。


 頑張って海底を全て調査するぞと、意気込んでいたのだが、意外とあっさりとゲートが見つかってしまったのだ!


 最初から上の海を探せばよかった。

 完全に探す順番を間違えたよ。

 これまでの数日はすっかり無駄な時間だった。


 まあ、おかげで人魚生活をエンジョイする事は出来たけどね!




 ゲートのある洞窟の中入ると、中には水が入って来ない様になっており普通に空気があった。


 人魚の姿のままでは行動しづらいので、魔法を解いて人の姿に戻った。


 一瞬下半身が裸になってしまうが、荷物の中にしまっていた下着と装備をみんなでそそくさと装着した。

 ジオ様とミラたちはそれぞれ後ろ向きで着替えるのがすっかり定番になってしまったよ。


 私だけは遠慮なくどっちも見ちゃうけどね!




 着替えが終わった私たちは、魔法でゲートを開いて先に進んだ。



 

「さあ、いよいよ第三階層に挑むよ!」




 ゲートを抜けた先は、やはり洞窟になっており、そこを抜けると青空の広がる開けた場所に出た。


 今までと同じ様に狭いステージがあり、その先には何も無い。


 ステージの端まで行くと、第二階層と同じ様にいくつもの浮島が見える。


「あれ?第二階層と同じ作りなのかな?」


「ララ!下に何も無いよ!」


 ステージの下を覗き込んだレダが教えてくれた。


「えっ?何も無いってどういう事?」


 そう言って私もステージの端から下を覗き込む。


 すると、下方にも何層にも渡って浮島が浮いているのだが、その下には地面も海もなく、どこまでも空間が続いていたのだ。


「どうなってるの?これ?」


「下の方に降りて行けばわかるのではないですか?」


 ミラがそう言ったのだが・・・その前にやる事がありそうだよ。


「その前に・・・あれを何とかしないといけないかもね」



 私たちが立っている浮島よりも高い高度には浮島が存在しない。


 しかし、私たちの上空に島の様な大きな影があった。




 ・・・そう、とてつもなく巨大な魔物が、上空を飛んでいたのだ!




「わあ!おっきい!」


 通常の上級の魔物の三倍以上の大きさはありそうだ。


 巨大な胴体に長く伸びた首、太く長い尻尾の先端には大きなひれが付いている。


 そしてそれぞれ形の違う三対の大きな翼を・・・優雅にゆったりとはためかせていた。




「『竜』・・・だね」




 そう、その姿は伝説の中に登場する『竜』の姿だった。


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