5話 勇者様と妊娠
ジオ様を跨ぐ形でジオ様の腰の上に降りた神様は、ジオ様のお腹に両手を当てた。
ジオ様の顔が次第に赤くなっていく。
「なっ!なんだこれは?何かが体の中に入って来たような感覚がする」
・・・うん、男性のジオ様にとっては初めての経験だよね?
「!・・・この感じは!」
神様が魔法でジオ様の体に快感を与えているところだよね?
それによって体の中で赤ちゃんを作るための準備が整っていくんだ。
「ジオ様、それは・・・行為の時に女性が感じる快感です」
「そうか、こういう感覚だったのか・・・うっ!・・・ああっ!」
ジオ様、思わずかわいい声を出しちゃったよ!
あの声って、女性の体だとつい出ちゃうものなんだね。
「あっ!・・・あっ!・・・ああんっ!・・・」
・・・ジオ様の声がだんだん色っぽくなっていくんですけど!
「あっ!・・・ララ・・・これは・・・何とか、ならないのか?・・・・あんっ!」
「我慢して下さい・・・ジオ様。赤ちゃんを妊娠するために必要なのです」
「そうじゃ!まだまだ行くぞ!それっ!それっ!それっ!」
「あ!・・・あっ!・・・あんっ!・・・ああんっ!」
・・・神様・・・ジオ様の反応が見たくてわざとやってるよね?
でも、色っぽいジオ様をもう少し見たくって、私もあえて止めさせなかったよ。
・・・ごめんなさい。ジオ様。
「よしっ!これでしまいじゃ!」
「ああああああああああんっ!」
最後はジオ様も思いっきり女の子っぽい声を上げてしまったよ!
神様は何気に『勇者』の精神防御をかい潜ってジオ様に快感を与えていたのだった。
「これで、そなたも子を身籠った。生まれるのが楽しみじゃ!」
ジオ様は快感と疲労のあまり、ぐったりしている。
こんなジオ様は珍しいな。
「おぬしらの赤子は通常よりも速く成長する様にしておいた。しばらくしたらまたここに来るが良い」
神様はそう言って部屋から出て行ってしまった。
「はあ、はあ、ララは・・・その・・・これを感じていたのか?・・・」
「はい、多分・・・ジオ様との時と同じ感覚だったと思います」
「そうか・・・こんな感覚だったとは・・・」
ジオ様・・・初めて女性の体での快感に混乱しているみたいだな。
「あの・・・ジオ様、とりあえず足を閉じた方が良いかと・・・」
「なっ!これは!」
自分の体勢に気が付いたジオ様は慌てて足をぴったりと閉じた!
そう・・・ジオ様は快感のあまり、無意識に足を開いてしまっていたのだ!
まあ、私もそうだったけどね・・・
「俺とした事が・・・あのような格好をするなど・・・」
無意識とはいえ、自分が足を開いていた事が結構ショックだったらしい。
どうやら体が女性になると無意識の反応も女性的になるみたいだね。
「仕方ないですよ。女の子の体って気持ちよくなるとそういう反応をしちゃうんです。そうしたのが神様だったっていうのがちょっと悔しいですけど!」
うん、女の子バージョンのジオ様の初めてを神様に持っていかれたみたいでちょっと悔しいな。
どうせなら私がやりたかったよ!
それにしてもさっきから恥ずかしそうな仕草のジオ様が滅茶苦茶かわいいんですけど!
なんか、だんだん表情や仕草の女の子らしさが増してきてる気がするんだよね?
やっぱり体が女性になると精神もそっちに引っ張られてくるのかな?
そんなジオ様は自分のお腹を撫でていた。
「俺の腹の中に子供が出来たんだな。なんだか不思議な気分だ」
「ふふっ、まさかジオ様とママ友になるなんて思いもしませんでした」
私は自分のお腹を撫でながら、そう言いつつ、ジオ様にキスをした。
「全くだ。赤ん坊になったと思ったら今度は女性になって子供を産む事になるとはな」
ジオ様はそう言うと今度はジオ様の方から私にキスをして私を抱きしめた。
確かにジオ様の人生は本当に波乱万丈だな・・・まあ、私も人の事は言えないけどね!
私もさっきからのジオ様の様子を見ている内に体が火照って来ていたところに、ジオ様とキスをして抱き合ったので、このままジオ様とエッチな事をしたい気分になりかけてしまっていたのだ。
でも、ここでそれを始める訳にもいかないので、名残惜しいけど今は我慢した。
「さっ、ジオ様、とにかく服を着て下さい。みんなのところに戻りましょう」
「ああ、そうだな」
ジオ様はそう言って下着を着け始めた。
ジオ様もだいぶ女ん子の下着を着けるのに慣れてきたみたいだね。
下着を身に付ける仕草もなぜか女の子っぽくなってきている気がするよ!
みんなのところに戻って事情を説明するとみんな一斉に驚いた。
・・・まあ、当然だよね?
「ええっ!ジオ君、赤ちゃんで男の子なのにママになるってこと?」
「それにララも子供を妊娠していたなんて」
「ジオを元に戻してこの国から出るためにはこうするしかなかったんだよ!」
「ララ様・・・昨日の時点で黙っていたって事は、こっそり生むつもりでしたね?」
シィラってば鋭い。
「だって!みんなに言ったら堕ろせって言われるかもしれないし・・・でもほら!結果的にこれで解決するわけだから!」
「まあ、一月程度なら大丈夫かもしれませんが・・・ララ様はそれで良いのですか?」
「良いって?」
「生まれた子をこの国に残して離れられるのかって事です」
「・・・多分、無理かな?」
・・・だって!普通の赤ちゃんじゃないにしても私の子である事に変わりは無いもの!
おいていけるわけないじゃない!
「やっぱり!・・・どうするつもりですか!」
「・・・それは・・・その時考えるよ!」
その時が来たら・・・もう一度神様と対決する事になるかもしれないね。




