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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第10章 神の国
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7話 勇者の弟子と神の儀式

 私たちは受付を済ませると、まず有翼人のエリアに入る事が出来た。


 一般人のエリアと有翼人のエリアを隔てる高い城壁の向こうは広大な庭園になっており、中心には高い塔のある大きな城が立っていた。

 おそらくあれが『神城』だろう。


 城の周囲には、大きな屋敷が並んでいた。

 これらは有翼人の住む屋敷なのだろう。


 やはり、神都のこのエリアの構成は、私の住む王都の貴族エリアと同じみたいだ。

 一つだけ異なるとしたら、このエリアに入る門は普段閉ざされていて、有翼人が使う事は無いそうなのだ。

 なぜなら有翼人は空を飛べるので、一般人のエリアを飛び越えて有翼人のエリアに出入りしているからという事だった。


 有翼人のエリアに入ると、そこでは馬車が用意されていて、私たちはその馬車に乗せられて、王城へと向かった。


 広大な庭園は丁寧に手入れされて美しい花が咲き誇っていた。

 人工的に作られたと思われる池もあり、馬車はその水面を走って行った。


 この馬車も魔動馬車と同じ仕組みなのかな?




 池は神城を取り囲むように作られており、池を越えないと神城には辿り着けない様になっている。

 これも、有翼人なら空を飛べるので関係ないのだろう。


 神城とその周囲にある屋敷の周りは道が無く、池で仕切られていた。

 空を飛べないと神成と周囲の屋敷を行き来できないのだ。


 あるいは、この水の上を走る馬車が必要だ。


 馬車は神城の入り口の門の前の広場で止まり、私たちはそこで馬車を降ろされた。


 王城の門が開き、中に招き入れられると、そこはとんでもなく天井の高いホールだった。


「こちらでお待ちください。順番にお呼びします」


 案内の有翼人に案内された場所にはたくさんのお菓子や飲み物が用意されていた。


「わあ!おいしそう!」


 さっそく私はいくつかのお菓子を味見してみた。

 やはり食べた事のない味だったが、結構おいしかった。


 他の女性たちもお菓子を食べながら世間話をしていた。




 やがて、一人目の女性が呼ばれて、有翼人に連れていかれた。

 どうやら受付の順番に呼ばれるらしい。

 一番後ろに並んでいた私は最後まで待たなければいけない。


 15分ぐらいすると二人目が呼ばれた。


 それからしばらくして一人目の女性がホールに戻って来た。

 歩くのがやっとな程に疲れ果てている様で、両脇を有翼人に支えられていた。


 でも、疲労してはいるが、とても幸せそうな表情をしていた。


 他の何人かの女性が、戻ってきた女性に感想を聞いていた。


「はあ、思った以上の快感で立てなくなってしまいましたわ。これでわたくしも子供を授かる事が出来たのですね」


「かならず子供が出来るというわけではない。だめだった時はまた来なさい」


 有翼人が女性に説明していた。


「はい!こんなに気持ちの良い思いができるのでしたら何度でもお願いします!」


 その女性は、有翼人に連れられて帰って行った。



「ねえ、聞きました?やはり、とても気持ちがいいらしいですよ?」


 私の前に並んでいた女性が私に話しかけた。


「ええ、そうみたいですね」


「どれほどの快感なのでしょう?あたし、今から体が疼いてしまいそうです」


 女性は身もだえていた。


「あなたも初めてなのですよね?楽しみですね!」


「ええ・・・本当に楽しみです」




 ・・・実はその快感を思いっきり経験済みだとは言えなくなっちゃったよ!


 確かに、あの快感と幸福感は他では代えられないものだからね!


 でもそれって、最愛の人が相手だから得られる幸福感だよね?

 初めて会った『神様』にそこまでの愛情を感じられるものなのかな?


 『神様』がよほどのイケメンって事なのかもしれないけど・・・

 ジオ様以上のイケメンがそうそういるとも思えないし・・・



 でも、ここの人たちは、『神様』以外とそういう事が出来ないから、この神様の儀式だけが特別なんだよね?




 その後も、次々と儀式を終えた女性が戻って来た。


 皆、同じ様に恍惚とした表情で幸福感に満ちていた。


 中には完全に失神してしまった女性もいたが、その表情はやはり幸せそうな表情で固まっていた。


 ・・・そこまで強烈な快感って・・・さすがにジオ様との行為で失神するほどの快感ってまだ味わってないな・・・ちょっと気になるから、どうればいいのか研究していつか挑戦してみよう!


 神様にやり方だけでも聞いてみようかな?

 もちろん神様相手に実践はしないけどね!聞いてみるだけだよ!




 そんな事を考えていると、私の前に並んでいた女性の順番になった。


「いよいよあたしの番です!緊張します!」


 女性は見るからに緊張していた。


「大丈夫、こういうのはリラックスしていた方が痛みが少なくなるよ」


「そうなんですね?・・・でも、どうしてそんなこと知ってるんですか?」


「え?、ええと・・・さっき他の人に聞いたんだよ」


 ・・・自分の経験談と言う訳にはいかなかった。


「そうなのですね?神様を信頼してリラックスしてみます」


「うん!がんばってね!」




 そうしてその女性も神様の元へと連れていかれた。




 ・・・それにしても、これで連続で20人近い女性を相手にしてるはずなんだけど・・・神様の体力って無尽蔵なんだろうか?


 さすがにこのペースで20人連続ってよほど体力に自信のある男性でも続かないんじゃないのかな?




 ・・・いや、ジオ様だったら可能だよね?




 確かにあの日の夜はすごかったからな・・・


 いや、私の方も大概だったけど、あの時はこれで今生の別れかもしれないと思ってたから、一回でも多くジオ様を受け入れたかったんだよ。

 でも、普通の男性にあれは無理だったよね?


 勇者の超回復力って、そんなところまで回復させちゃうなんて・・・ほんとにすごかったんだな。



 もし世界から男性が一人残らずいなくなって、ジオ様だけが生き残っていたら、こういう事をしなきゃいけなくなるのかな?

 ジオ様なら一日に何人の女性の相手をできるんだろう?

 きっとここの神様よりも、もっとすごい事になってしまうかもしれないよ!

 なんたってジオ様だからね!




 ・・・でも・・・何だか、やだな、それって・・・




 勝手に妄想して、勝手に優越感に浸って、勝手に不安になっていたら、ついに私が呼ばれる番になってしまった。


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