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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第10章 神の国
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6話 勇者の弟子と神の城

 町の様子も大体把握できたし、次は神都に行って『神様』に会ってみる事にした。


 神都はこの町からだと、この浮遊大陸の中心の方に向かって馬車で5日程度行ったところにあるみたいだ。


 私たちは魔動馬車で神都を目指す事にした。


 町の外に出ると、しっかりと整地された街道が伸びていた。

 一般人は町を出るとこの街道から外れてはいけない決まりになっている。


 この浮遊大陸でも魔物は出現するらしいのだが、街道付近にはあまり魔物が寄ってこないそうだ。


 大体徒歩で一日くらいの距離に次の町があり、徒歩での移動でも野宿する必要は無い様になっているが、馬車なら1日で二つか三つの町を通過できる。


 魔動馬車の最高速度なら、1日で神都まで行く事も出来なくはないのだが、さすがにそれでは怪しまれてしまう。


 途中ででいくつかの町に寄ってみた。

 多少の特色の違いがあったが、大体どこの町も同じ様な感じだった。


 そして当然だったが、どこの町にも男性はいなかった。




 そうやって、5日目に神都に到着した。




 神都はひと際大きくて高い城壁に囲まれていた。


 城門で簡単な手続きを済ませて中に入る事が出来た。



 神都は私たちの国の王都と同じ様にいくつかのエリアに分かれている。

 一番外側の城壁の中は、やはり一般人のエリアだ。


 その内側には有翼人のエリアがあり、更に中心に『神城』があるという事で、町の構成は私たちの住んでいた王都とよく似ている。


 一般人のエリアの様子は、大体他の町と同じだった。

 ただ、圧倒的に規模が大きい。


 神都では馬車も町の中に入る事が出来たので、魔動馬車は宿泊施設の馬車置き場に置かせてもらった。



「さて、寝る場所も確保できたし、明日は神城に行って『神様』に会ってみるよ」


「でも、どうやって『神様』と対面するのですか?そう簡単に謁見の許可が貰えるとも思えないのですが?」


 シィラが質問を返した。


「それなら簡単だよ!『神様』に子供を授けて貰いに行けばいいんだよ!」


「ララ様・・・それは大丈夫なのですか?まさか本気で『神様』の子を産むつもりではないですよね?」


「大丈夫だよ、シィラ。いざ顔を合わせたところで、やっぱりやめますって言えば無理な事はしないと思うんだよね」


「そう、上手くいくでしょうか?」


「だめだったら強行突破すればいいし」


「まあ、ララ様だったらそれも可能かもしれませんね」


(相手は神だぞ、あまり無茶はするなよ、ララ)


「神を名のってますけど、本当に神って事は無いと思いますので、何とかなるとは思います」


 そう、いくら何でも本当にこの世界の創造主って事は無いと思うんだよね。

 それだったら、私なら何とか出来るんじゃないかな?


「とにかく、『神』が何者か確かめておきたいからね!」




 翌日、私は神城の入り口を訪ねた。


 神城は普通は一般人は入れないのだが、神様に子供を授かりたいという人のための受付が用意されていた。


 「ちょうど本日は神様が子を授ける儀式を行う日ですので、このままお待ちください」


 どうやら毎日対応しているわけでは無かったらしい。

 そりゃまあ、そうだよね。

 月に数回、その日があるらしいのだが、今日がたまたまその日だったみたいだ。


 受付には、子供を授かりたいという女性の列が出来ていた。

 私の前に20人くらいは並んでいる。


 みんな結婚適齢期ぐらいの若い女性たちだった。


 私は前に並んでいる女性に声をかけた。


「あの、ここではどうやって子供を授けてもらうんですか?」


 前に並んでいた、私より少し年上と思われる女性が答えてくれた。


「あたしも初めてなので詳しくはわからないのですが、神様と二人きりで儀式を行うそうなのです。子供を授かる儀式はとても気持ちの良い気分になれるものだと聞いています」


「へえ、気持ちいいんだ」


「はい、人によっては天にも昇るほどの快感を得られるとか?」


「そうなんだ?私も初めてで、痛かったりしないのかなって心配だったんだけど?」


「最初は少し痛いそうですが、だんだん気持ちよくなってくるらしいですよ」


「そうなんですね・・・それは、楽しみです」


「ええ、気持ち良い気分になれる上に子供を授かる事が出来るなんて最高ですよね」


 二人でそんな話をしていると、その前に並んでいた女性も話に加わって来た。


「わたしもこれまでに何度かこの儀式を経験しているんです。残念ながら今まで子宝に恵まれなかったのですが、神様には毎回、大変気持ち良い思いをさせて頂いています・・・子供も欲しいですが、実はそれが目当てで来ていたりもするんですよ」


 後半は小声だった。


「やっぱりそうなんですね!それはますます楽しみです!」


 二人の話はさらに盛り上がっていた。


 その話を聞いた他の女性たちも、皆が同じ様な話を始めて盛り上がっていた。




 ・・・・・これって、間違いなくあれだよね?




 やっぱり神様は男性って事なのかな?




 この国に男性が一人だけしかいない事をいい事に、やりたい放題やっているようにも見えるけど、本当にそうだった許せないよ!


 やっぱり、これは『神様』に直接問いただすしかないね!


 もちろん、私は神様とそういう事をするつもりは無いけどね!




 そんな話で盛り上がっていると、ようやく入り口が開いて中に招き入れられたのだった。


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