5話 勇者の弟子と娘たち
「あれーっ!ジオ君とルル君が女の子になってるよ!」
「本当ですね?どうなっているんですか?」
レダとミラがジオ様とルルを見て驚いていた。
「えーとね、勇者の力で幻覚を見せているんだよ」
「へえ!やっぱり勇者ってすごいんだね!」
「とても幻覚には見えませんね?ほら、触っても女の子ですよ?」
・・・ミラがジオ様の股間を撫でていた。
(!!!!!!)
ジオ様から、言葉にならない感情が流れ込んできたが、ジオ様はじっとして耐えていた。
「あっ!ほら!触覚も誤認識させる幻覚なんだよ!」
そう言って、ミラからジオ様を引き離した。
(ララ・・・これはどういう事だ?)
「ジオ様、この国にいる間は我慢して下さい。ここの人たちは男性というもの自体を知らないみたいなので、男の子の体を見られると大変な事になってしまうかもしれないんです!」
(ララ・・・どうも今撫でられた股の間が落ち着かないのだが・・・)
ジオ様はいきなり女の子の体になって、しかも、それをミラに撫でられるという状況に混乱していた。
「この国にいる間は、その体で我慢して下さい」
(・・・まあ、仕方ないか・・・・)
ジオ様はとりあえずこの状況を受け入れてくれた。
ルルの方は何事も無かったかの様にいつも通りだ。
普通の赤ちゃんは自分の体が男か女かなんて気にないもんね!
というか、普段から大人しくて性格の穏やかなルルは、女の子と言われた方がしっくりくるかもしれないね。
「私、実は女の子も欲しかったんだよね!女の子のお洋服選びって楽しい!」
(それはなるべくルルの方にしてくれ)
・・・ジオ様はやはり女の子の恰好をする事に抵抗があるらしい。
「そうだね、ルルの方はかわいい服を着せた方が何だか嬉しそうなんだよね」
(そうなのか?だが本人が嫌がるならやめた方がいいぞ)
「今のことろ嫌がっている感じは無いから、この国にいる間は女の子として思いっきり可愛がっちゃうぞ!」
いや、別に男の子でもかわいがっているけどね!
とりあえずお風呂に入るために洗い場に向かった。
ジオ様の体は私が洗ってあげるのだ。
ルルの方はシィラにお願いした。
(体なら自分で洗えるぞ)
「だめですよ、人の目がありますから。今日は私が洗ってあげます」
実は女の子になったジオ様の体を洗うのって楽しみなんだよね。
ジオ様は最近は自分で体を洗うので、私に洗わせてくれないし、これも夫婦間のスキンシップの一環だよ!
(お手柔らかに頼む)
「うん!目一杯優しく洗ってあげますよ!」
膝の上にジオ様を乗せて、石鹸を泡立てて、ジオ様を洗っていく。
顔から首を洗い、脇の下や手を洗っていく。
(くすぐったいぞ、それに念入りに撫で過ぎじゃないのか?)
ここぞとばかりにいっぱい撫で回していたのがばれていた。
「ほら、性別を変えたので異常がないか確認してるんです!」
・・・我ながら苦しい言い訳だった。
それにして、ジオ様の体は赤ちゃんにしてはだいぶ筋肉質になってきている。
最近結構アクティブに行動するようになって来たからね。
これでも女性化して少し筋肉は控えめになっているのかな?
まあ、『勇者』は太ったりマッチョになり過ぎる事は無いから見た目はあまり変わらないんだけどね。
さて、次は足の方を洗うよ。
足の指の間を丁寧に洗って足首から膝へと洗っていく、そして最後は足の付け根だ。
(さすがにそこは洗わなくてもいいぞ)
「そうはいきません。普通の赤ちゃんはここもしっかり洗わないといけないんですから!清潔にしていないと病気になったりしたら大変ですよ!」
(俺は勇者だから病気にはならないんだが?)
「他の人も見てますし、洗わない訳にはいきません!」
色々理由を並べて見たものの、実は単に女の子になったジオ様のそこを触ってみたかっただけだった。
だって、ミラに先に触られちゃったんだもん!
「じゃあ、洗いますよ、ジオ様」
石鹸を付けた指で触ったジオ様のそこは、とろける様に柔らかかった。
(!!!!!!)
ジオ様の混乱した思考が伝わってくる。
(もういいんじゃないのか?)
「まだですよ、しっかり洗わないと、こういうところは垢が溜まりやすいんです」
(・・・垢といっても、この体になったのはついさっきなんだが?)
「とにかく!念入りに洗いますから!」
幼女の体になった成人男性の股間を洗うという、お互いに滅多にできない・・・というか普通にあり得ないシチュエーションを二人で存分に堪能した。
鉄壁の精神防御を備えたジオ様もさすがにぐったりしていた。
・・・勇者もこういう事には耐性が無いのかな?
一方でルルの方はシィラに体を洗われて、きゃっきゃと嬉しそうにしていた。
ほんと、ルルは何だか女の子っぽい気がするよね?
二人を洗い終わったのでみんなで湯船に入った。
赤ちゃんを入れたらだめな公共浴場もあるけど、ここは大丈夫みたいだった。
まあ、うちの子たちはしっかりしてるから、湯船でそそうはしないけどね!
そして、ここでは赤ちゃんが珍しいのか、他の女性たちに囲まれてしまった。
ジオ様はちょっと放心状態になっていたために、いつもの目つきの鋭さが無くなって、かわいさが増していたのだ。
でも、ジオ様が裸の女性たちに囲まれるのはやっぱりちょっと微妙な心境だな。