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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第9章 獣の国
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7話 勇者の弟子と獣人の技

 黒豹頭のお姉さんは、服を全て脱ぎ捨てて全裸になってしまった。


 いや、獣人なので全身毛に覆われてはいるのだが・・・




 でも黒豹だけに短毛種なので、グラマラスな体のラインがしっかりわかってしまう。


 胸のボリューム感はかなりのものだよ。


 この大きさなのに全然垂れずに形を保ってるのは、鍛え抜かれた大胸筋の上に乗っかっているからだね!




 ・・・そして、短毛種なので乳首はしっかり見えていた・・・





「どうしたの?何で裸に?」


「これがあたしの戦闘服さ!」


 黒豹頭はそう言って私に迫って来た!


 それも、何と四足歩行で走って来たのだ!


 さっきよりも数段に速度が上がってる!


 二足よりも四足の方がトップスピードが速くなるのだ。


 服を脱ぎ去った事により、動きやすくなった事も影響しているのだろう。




 超高速で距離をつめて、そこからの爪攻撃は、さっきよりもはるかにキレが良い。


 私はかろうじてそれを躱したが・・・・・なんと続けて真下からの攻撃が来た!


 黒豹頭が後ろ足を蹴り上げたのだ!


 当然、靴を脱いだ後ろ足にも鋭い爪がある。

 私は危うく顔を切り裂かれるところを寸前で躱した。


 私が躱した黒い後ろ足は、目の前で高々と振り上げられている。


 と思った瞬間、その足を回転させて、もう一方の足が襲い掛かって来た!


 黒豹頭は手を地面に着いて体を捻り、一直線に開脚した両足を回転させて、私に連続攻撃をかけてきたのだ。


 これはさすがに躱すだけで精一杯だ。

 全く反撃の隙がない、


 一瞬でも気を緩めればその瞬間に鋭い足の爪で八つ裂きにされてしまうだろう。


 恐ろしい技だった。



 ・・・そして・・・広げられた黒い両足の中心に、ちらりと見える僅かに毛の生えていない部分にどうしても目が行ってしまいそうになる。


 黒の中に一点だけ見えるピンク色がどうしても目立ってしまうのだ。




 ・・・あれって、見えちゃってるけどいいんだろうか?


 獣人たちは素顔を見なければ欲情しないって話だけど・・・


 この技、絶対に人間の男性に仕掛けちゃだめな奴だよね?



 むしろ、人間の男性に仕掛けたら、そこに目を奪われている間に八つ裂きになってしまうだろう。



 ・・・ある意味、本当に恐ろしい技だった。



 でも、脚の動きをしばらく見ていたら、タイミングが読めてきた。


 私は足の回転とタイミングを合わせ、自分も回転しながら黒豹頭の懐に入った。


 体を支えている両手は、今は攻撃が出来ない。


 私は黒豹女の首筋にレイピアを切りつけた。


 すると黒豹頭は、私の首筋めがけて喰らい付いてきたのだ!


 そうだった!牙も武器だったよ。


 でも私はギリギリで黒豹頭の首にレイピアを押し付けて頭を押し戻し、寸前で顔を噛み切られるのを回避した。


 ・・・あんなので齧られたら顔が半分無くなっちゃうところだったよ。



 まさに猛獣相手に戦っている感じだ。



「私の勝ちだね?」


「ああ、悔しいが、あたしの負けだよ」


 そう答えた黒豹頭の牙には布が引っかかっていた。




 ・・・あれっ?その布って・・・




 見ると黒豹頭の顔がみるみる赤くなっていった。


 黒い毛の下で肌が赤くなっているのがわかるくらいだから、相当赤くなっているのだろう。


 そして私を見る目が潤んでいる。




 これって・・・今朝のニニとおんなじ目だよね?



 そう思った瞬間、黒豹頭は牙に引っかかった布を振り払って私にキスをしてきた。


「はあああん!好きっ!強い女性って最高!」



 更に全身で抱きしめられてしまった。



「ちょっ!ちょっと落ち着いて!」


「はあん、女性の顔を見てこんなに興奮したのって初めて!こんなに強くって、こんなに顔がエロいなんて!」




 ・・・だから、それは一体どんな顔なんだ?




「おい、待て、俺と代われ、俺がその女と交尾する!」



 試合の立ち合いで、近くにいた獅子頭が割り込んできた。



「その強さ、そして、そのかつて見た事も無い、想像をはるかに超えたエロい顔、我が子孫を産むにふさわしい女よ!さあ、早速俺と交尾をしようではないか!」




 ・・・そのセリフ、どっかのエロ親父も言ってたんだけど!


 なんで毎回このパターンなのっ!


 そして私の顔って、ここの人たちにどんなふうに見えてるのっ!




 周りを見ると他の獣人の男性たちも私を見てそわそわしているのがわかる。


 そして一部の女性たちも・・・



 黒豹頭にここまでしっかり抱きつかれては、さすがに今の私では腕力差で脱出は不可能だった。


 そして、獅子頭と黒豹頭で私の争奪戦が始まろうとしていた。


 ああん、もう!どうすればいいんだろう?


 このままだと本当に獅子頭の赤ちゃんを妊娠する事になっちゃうよ。



 私が獅子頭の赤ちゃんを産んだら、ライオンの耳と尻尾の生えた赤ちゃんになるんだろうか?


 ちょっと想像してしまった。




 ・・・それはそれで可愛いかも?




 って、そうじゃないよ!


 シンの子も、まだ産んでないのに、ライオン耳の赤ちゃんを産んでる場合じゃないよ!




 そう思っていたら、ジオ様がさっと私の顔に布を巻いてくれた。


 そして、ジオ様は、獅子頭の前に颯爽と立ち塞がったのだ!



 かっこいい!・・・赤ちゃんだけど。



 ジオ様!いつも私のピンチを救ってくれるよ!


 って、最近、私のピンチってこんなのばかりだけど!




 ジオ様は獅子頭に向かって人差し指を立て、くいっくいっと指招きの動作をした。



「ほう、そうだったな。俺の相手は貴様だったな。そうか、母親を抱きたかったらまず自分を倒してからという事だな。よかろう!貴様を倒して、貴様に最強の弟を作ってやろうではないか!」



 ・・・何好き勝手な事を言ってるんだろう?




 でもこれで、周囲の注目がようやく私からジオ様と獅子頭に移ったよ。


 ニニが説得に来てくれて、黒豹頭もようやく私を離してくれた。




 ・・・代わりに今はニニが私を抱きしめてるけど・・・




 そして、ついにジオ様と獅子頭の対決が始まった。


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